就活の倍率は3種類ある!計算方法や特徴、倍率ランキングを紹介

志望企業から内定をもらえるかどうかは、就活生が気になるポイントの一つでしょう。内定獲得には選考で自分のポテンシャルや魅力をアピールする必要がありますが、就活の倍率から入社難易度を確かめることができます。

そこで今回は、就活生が知っておきたい就活の倍率3種類を紹介。また、企業規模別の就職倍率をはじめ、倍率の低い企業の見つけ方についても取り上げているので、ぜひチェックしてみてください。

就活の倍率は「就職・内定・求人」の3種類ある

就活に関係する倍率は、就職倍率・内定倍率・求人倍率の3種類があります。いずれも似たような言葉ですが、どういった違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

【就活の倍率1】就職倍率とは

就職倍率は企業への入社難易度を数値で表したものです。企業の採用予定人数に対して、何人の就活生が応募したのかを表す指標で、「応募者数(就活生)÷ 募集人数(企業)」で算出できます。

例えば、募集人数20人に対して応募者100人だった場合は「100÷20」となり、就職倍率は5倍となります。逆に100人募集している企業への応募者数が50人であれば、「50÷100」で就職倍率は0.2倍となり、入社できる可能性が高いと判断できます。

【就活の倍率2】内定倍率とは

内定倍率は、どれくらいの確率で内定を得られるのかを表した指標です。企業の選考に応募した就活生のうち、何人に1人の割合で内定が出されたのかが分かります。

計算式は「応募者数(就活生)÷ 内定を出した人数」。仮に100人の応募者に対し、企業が4人に内定を出した場合、内定倍率は「100÷4」で25倍となります。

なお、就職倍率は採用予定の人数を基準にしていますが、内定倍率は企業が実際に内定を出した人数を基準に計算します。予定人数と実績数値で異なることを把握しておきましょう。

【就活の倍率3】求人倍率とは

求人倍率は、求職者1人につき何件の求人があるのかを表す指標で、「求職者数 ÷ 求人数」で算出できます。企業ごとに見る就職倍率や内定倍率とは違い、求人倍率は景気の状況を測るための指標として重視されることが多いです。例えば、有効求人倍率が1倍を超えると、求職者よりも求人数のほうが多いと判断できます。

リクルートワークス研究所が発表した「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」によると、25卒の求人倍率は1.75倍となっており、コロナ禍前の水準に回復しました。つまり、近年は1人あたり1社以上の求人がある「売り手市場」が続いており、就活に焦る必要はないと考えられます。

就活生必見!内定倍率の高い企業ランキングTop10

具体的にどういった企業が高倍率なのでしょうか。ここでは『就職四季報 総合版2025-2026』を参考に、総合職の内定倍率が高い企業Top10を紹介します。

会社名(業界) 内定倍率
1 GMOインターネットグループ(システム・ソフト) 476.5倍
2 カゴメ(食品・水産) 377.7倍
3 東京ドーム(レジャー) 280.0倍
4 日産化学(化学) 199.7倍
5 松竹(レジャー) 192.1倍
6 東京応化工業(化学) 191.0倍
7 東映(レジャー) 184.6倍
8 アサヒグループ食品(食品・水産) 178.3倍
9 オリンパス(住宅・医療機器他) 175.7倍
10 日本オラクル(システム・ソフト) 164.4倍

1位のGMOインターネットグループの内定倍率を見ると、476人に1人の割合でしか内定を獲得できていません。また、11位の企業で約160倍、100位の企業も40倍以上の内定倍率があり、有名企業や人気企業は高倍率となっているため、内定を獲得するのは困難でしょう。

なお、倍率の高さは業界ごとに異なる場合も多く、それぞれ以下のようになっています。

【倍率が高い業界】 【倍率が低い業界】
メーカー
商社
IT・ソフトウェア・通信
金融・保健
建設・建築
運送・流通
介護福祉
飲食

就活は最後までどうなるか分かりませんが、倍率の高い企業に応募すると内定を獲得するのは難しくなるため、中小企業やベンチャーなどにも視野を広げるようにしましょう

【企業規模別】就職倍率の平均

続いては、大手から中小まで企業の規模別に就職倍率の平均を紹介します。

【就職倍率の平均1】大手企業

大手企業の場合、就職倍率の平均は約25倍です。大手企業は知名度が高く、給与や福利厚生が整っているケースが多いため、就職倍率が数十人に1人となることも珍しくありません。

企業によっては採用予定人数が多い場合もありますが、その分応募者が多くなることもあり、比較的高倍率となります

【就職倍率の平均2】中堅企業

中堅企業の場合、就職倍率は約10倍が平均です。大手企業よりは入社難易度が下がりますが、10人に1人の割合となると簡単とは言い切れません。また、中堅企業といっても、大手企業と同様の就職倍率になるところもあるため、注意が必要です。

【就職倍率の平均3】中小企業

日本にある企業のうち、99.7%を占めるのが中小企業です。大手企業と比べると知名度がそれほど高くないため、就職倍率の平均は2倍前後となります

就活生に知っておいてもらいたいのは、就職倍率が低いからといって魅力のない企業とは言い切れないことです。あまり知られていないだけで、従業員が働きやすい環境を整えている企業も数多くあります。

知名度だけで企業選びをすると内定が一切もらえないケースもあるため、業界研究や企業研究を通じて中小企業についても目を向けてみてください。

就活生が倍率の低い企業を見つける方法

 

就職倍率が高い企業ほど入社難易度が高くなり、倍率が低い企業ほど内定をもらえやすいです。ただ、倍率の高さだけで選ぶと入社してからミスマッチに気づくケースもあるため、倍率は参考にしながら企業研究を深めておきましょう。

それでは、どのようにして倍率の低い企業を見つけるのか、具体的な方法を3つご紹介します。

【倍率の低い企業の見つけ方1】逆求人サイト

以前は就活サイトに登録して、気になる企業に対して学生がエントリーする方法が一般的でしたが、近年は逆求人サイトを活用する学生も多くなってきました

逆求人サイトの特徴は、登録した就活生に対して企業側からオファーの連絡がもらえること。なかでもキミスカは例年多くの就活生が利用しており、企業側もあなたらしさを評価してくれます。

倍率が低くても優良企業と呼べる会社が多く利用しているため、就活の視野を広げるためにもぜひ活用してみてください

【倍率の低い企業の見つけ方2】『就活四季報』

企業研究や業界研究などに役立つ書籍『就職四季報』を活用すれば、内定倍率を確認できます

ただ、注意してほしいのは企業によっては公開していない可能性があること。倍率が低いことを就活生に知られると応募者が減ってしまう可能性があるほか、倍率が高すぎるために応募しない学生が増えるケースもあるためです。

就職四季報には、企業ごとの特徴やビジネスモデルといった細かい情報が掲載されているため、業界研究や企業研究にも役立ちます。このほか、企業研究に役立つ本をお探しの方は、以下の記事を参考にしてみてください。

企業研究で揃えるべき本5選!おすすめの理由や書籍ごとの特徴を簡単解説

【倍率の低い企業の見つけ方3】業界・企業研究

就活を進めるうえで自己分析と同じくらい重要な作業が、業界研究と企業研究です。いずれも企業選びに役立つだけでなく、ES(エントリーシート)作成や面接といった選考対策にも役立てられます。

インターネットや新聞・書籍、会社説明会など、業界・企業研究のやり方はさまざまにありますが、複数の方法を組み合わせて多くの情報を得るのがおすすめです

企業研究の正しいやり方は、以下の記事で詳しく解説しています。

企業研究の正しいやり方とは?内定を勝ち取るためのポイントを徹底解説

就活では倍率よりも自分に合っている企業を探そう!

就活生に把握しておいてもらいたいのは、就職倍率の高い企業が自分にとって良い企業とは限らないことです。ぜひ本記事を参考に志望企業の倍率を確認しながら、自分に合った企業の内定獲得を目指してみてください。