あなただけじゃない!就活うつ病に悩む学生へ対処法を解説

就活は自分が働きたい会社を探したり、将来について真剣に考えたりする絶好の機会ですが、なかには精神的に追い詰められてしまい「就活鬱」になる学生も少なくありません。就活鬱は、眠れなくなったり前向きな気持ちになれなくなったりと、うつ病のような症状があり、このままでは就活に取り組むことは難しいでしょう。

そこで、本記事では学生におすすめの就活鬱の対処法を紹介します。就活鬱の概要や主な原因、うつ病チェックリストも取り上げているので、就活に思い悩んでいる学生は、ぜひ気になる箇所を読んでみてください。

就活鬱とは?

そもそも就活鬱とはどういったものなのでしょうか。まずは就活鬱の基本的なポイントを解説します。

就活鬱の定義と主な特徴

就活鬱とは、就活を進めるなかでさまざまなストレスを受け、うつ状態になることを指しています。

主な症状の特徴として以下のものが挙げられます。

うつ状態の症状

体がだるい
疲れやすい
食欲不振
胃の不快感
眠れない/寝過ぎ
頭痛、肩こり
動悸
便秘・下痢 など

就活鬱に悩む学生の割合

これまでうつ病とは無縁の人であっても、就活鬱になってしまう可能性があります。NPO法人POSSEが公開したアンケート結果によると、就活生の14%以上が就活を通じてうつ病になっていたというデータもあり、決して少ない数字ではありません。

自分が就活鬱に陥っていたり、周りの友人が就活鬱で悩んでいたりする場合は、ぜひ本記事の内容を参考に対策を講じていきましょう。

就活鬱のチェックリスト

自分がうつ病かどうかを判断したい方は、以下のチェックリストを活用してみてください。
これは、厚労省が公開している「簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)」です。下記表9項目の点数を合計し、0〜27点で評価します。

【採点結果】
0〜5点:正常
6〜10点:軽度
11〜15点:中等度
16〜20点:重度
21〜27点:きわめて重度

【1.寝つき】
0 問題ない(または寝付くのに30分以上かかったことは一度もない)
1 寝付くのに30分以上かかったこともあるが、1週間の半分以下である
2 寝付くのに30分以上かかったことが週の半分以上ある
3 寝付くのに60分以上かかったことが(1週間の)半分以上ある
【2.夜間の睡眠】
0 問題ない(夜間に目が覚めたことはない)
1 落ち着かない、浅い眠りで、何回か短く目が覚めたことがある
2 毎晩少なくとも1回は目が覚めるが、難なくまた眠ることができる
3 毎晩1回以上目が覚め、そのまま20分以上眠れないことが、(1週間の)半分以上ある
【3.早く目が覚めすぎる】
0 問題ない(または、ほとんどの場合、目が覚めるのは、起きなくてはいけない時間の、せいぜい30分前である)
1 週の半分以上、起きなくてはならない時間より30分以上早く目が覚める
2 ほとんどいつも、起きなくてはならない時間より1時間早く目が覚めてしまうが、最終的にはまた眠ることができる。
3 起きなくてはならない時間よりも1時間以上早く起きてしまい、もう一度眠ることができない
【4.眠りすぎる】
0 問題ない(夜間、眠りすぎることはなく、日中に昼寝をすることもない)
1 24時間のうち、眠っている時間は昼寝を含めて10時間ほどである
2 24時間のうち、眠っている時間は昼寝を含めて12時間ほどである
3 24時間のうち、昼寝を含めて12時間以上眠っている
【 】 ←1~4に該当する症状の中で1番大きい数字を記載

 

【5.悲しい気持ち】
0 悲しいとは思わない
1 悲しいと思うことは、半分以下の時間である
2 悲しいと思うことが半分以上の時間ある
3 ほとんどすべての時間、悲しいと感じている
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【6.食欲低下】
0 普段の食欲と変わらない
1 普段よりいくぶん食べる回数が少ないか、量が少ない
2 普段よりかなり食べる量が少なく、食べるよう努めないといけない
3 まる1日(24時間)ほとんどものを食べず、食べるのは極めて強く食べようと努めたり、誰かに食べるよう説得されたときだけである
【7.食欲増進】
0 普段の食欲とかわらない、または、食欲が減った
1 普段より頻回に食べないといけないように感じる
2 普段とくらべて、常に食べる回数が多かったり、量が多かったりする
3 食事の時も、食事と食事の間も、食べ過ぎる衝動にかられている
【8.体重減少(最近2週間で)】
0 体重は変わっていない、または、体重は増えた
1 少し体重が減った気がする
2 1キロ以上やせた
3 2キロ以上やせた
【9.体重増加(最近2週間で)】
0 体重は変わっていない、または、体重は減った
1 少し体重が増えた気がする
2 1キロ以上太った
3 2キロ以上太った
【 】 ←6〜9に該当する症状の中で、一番大きい点数を記載

 

【10.集中力/決断】
0 集中力や決断力は普段とかわりない
1 ときどき決断しづらくなっているように感じたり、注意が散漫になるように感じる
2 ほとんどの時間、注意を集中したり、決断を下すのに苦労する
3 ものを読むこともじゅうぶんにできなかったり、小さなことですら決断できないほど集中力が落ちている
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【11.自分についての見方】
0 自分のことを、他の人と同じくらい価値があって、援助に値する人間だと思う
1 普段よりも自分を責めがちである
2 自分が他の人に迷惑をかけているとかなり信じている
3 自分の大小の欠陥について、ほとんど常に考えている
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【12.死や自殺についての考え】
0 死や自殺について考えることはない
1 人生が空っぽに感じ、生きている価値があるかどうか疑問に思う
2 自殺や死について、1週間に数回、数分間にわたって考えることがある
3 自殺や死について1日に何回か細部にわたって考える、または、具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【13.一般的な興味】
0 他人のことやいろいろな活動についての興味は普段と変わらない
1 人々や活動について、普段より興味が薄れていると感じる
2 以前好んでいた活動のうち、一つか二つのことにしか興味がなくなっていると感じる
3 以前好んでいた活動に、ほとんどまったく興味がなくなっている
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【14.エネルギーのレベル】
0 普段のエネルギーのレベルと変わりない
1 普段よりも疲れやすい
2 普段の日常の活動(例えば、買い物、宿題、料理、出勤など)をやり始めたり、やりとげるのに、大きな努力が必要である
3 ただエネルギーがないという理由だけで、日常の活動のほとんどが実行できない
【 】 ←該当する症状の点数を記載

 

【15.動きが遅くなった気がする】
0 普段どおりの速さで考えたり、話したり、動いたりしている
1 頭の働きが遅くなっていたり、声が単調で平坦に感じる
2 ほとんどの質問に答えるのに何秒かかかり、考えが遅くなっているのがわかる
3 最大の努力をしないと、質問に答えられないことがしばしばである
【16.落ち着かない】
0 落ち着かない気持ちはない
1 しばしばそわそわしていて、手をもんだり、座り直したりせずにはいられない
2 動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない
3 ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある
【 】 ←15〜16に該当する症状の中で、一番大きい点数を記載

参考:厚生労働省「うつ病チェック

上記のチェックリストに回答し、点数が6点以上の場合はうつ病の可能性があります。

就活鬱になる理由

なぜ就活中にうつ病を患ってしまうのでしょうか。ここでは、就活鬱になってしまう主な理由を3つ紹介します。

内定がもらえない

なかなか内定をもらえないと、自分が否定されたかのように感じる学生は少なくありません。とくに就活はテストなどとは違って明確な合格ラインがないため、何が原因で内定をもらえなかったのかを考えていると、ネガティブ思考に陥ってしまうこともあるでしょう。

周りの友人と比較してしまう

内定がもらえれば気持ちに余裕ができるかもしれませんが、周りの友人と比較してしまい就活鬱になる学生もいます。他の人が第一志望の内定を獲得したり、難関企業の選考を順調に進めていたりすると、自信をなくしてしまうかもしれません。

面接への緊張がストレスになる

学生のなかには面接に対する緊張などが原因となり、就活鬱につながることもあります。また圧迫面接で辛い思いをしたために、面接に対して拒否感を覚える学生もいるでしょう。

就活鬱になりやすい学生の特徴

続いては、どういった人が就活鬱になりやすいのかを解説します。

完璧主義

完璧主義な人は就活鬱になりやすい傾向にあります。企業研究やES(エントリーシート)・履歴書の作成、面接対策などを完璧にしようとしても終わりが見えず、就活を進めることに疲れてしまうことも珍しくありません。

また、完璧に準備をしたにもかかわらず、選考で不採用となると完璧な自分が否定されたかのように思い、就活鬱になることもあります。

自己肯定感の低さ

自己肯定感が低い人も就活鬱になることがあります。自己肯定感が低い人というのは、これまでにあまり誉められた経験がなかったり、「自分はダメな人間だ」と思い込んでいたりする人のことです。

自己肯定感が低いと、就活に対してもネガティブに捉えてしまい、就活鬱になってしまうこともあります。

挫折経験が少ない

これまで挫折した経験が少ない人も、就活でうつ病を患う可能性があります。というのも、今まで高く評価されてきた人や、大きな挫折を味わったことがない人が就活で失敗すると、深く傷ついてしまう可能性があるためです。

就活鬱の対処法

原因は人によって異なりますが、就活鬱になってしまったときはここで紹介する対処法を試してみてください。

適度な運動と健康的な生活習慣

うつ病は心の病ですが、健康的な生活習慣を意識することで改善する可能性があります。例えば、昼夜逆転の生活をしている人は、夜24時までに寝るようにしたり、食事に偏りがあるひとは栄養バランスを考えて1日3回バランスの良い食事をとったりしてみましょう。

また、ストレスの発散には適度な運動も有効だと言われているので、ジョギングなど疲れすぎない程度に体を動かしてみてください。

休息や趣味の時間を設ける

就活に疲れてうつ病になった場合は、思い切って休んでみるのも一つの手です。就活をおこなう期間は人それぞれ異なりますが、長い人で1年以上かかる場合もあるため、疲れた時は休息を取りましょう。

また、就活のことばかり考えていると気持ちが落ち込んでしまうこともあるため、適度に趣味の時間を設けて頭をすっきりさせるのもおすすめです。

就活鬱を相談する

就活に対して前向きな気持ちになれない場合、周りの人を頼ってみても良いでしょう。就活は自分で進めるものですが、友人や家族に相談することで気持ちが軽くなったり、重く考えていたことが大したことのないものだと感じられたりするかもしれません。

友達や家族と話す
キャリアセンターから適切なサポートを受ける
心療内科やメンタルクリニック(精神科)へ相談する

また、就活鬱の相談先を上記にまとめましたが、うつ病の症状が重たい場合は心療内科などに相談してみましょう。うつ病も病気の一つなので、専門家の力を借りて回復を目指してみてください。

自分のペースで就活を再開する

就活鬱になってしまったときは、焦って就活を進める必要はありません。周りが内定を獲得したり、就活を進めたりしていても、自分のペースで進めることが大切です。

また、どうしても疲れてしまった場合は一度就活から離れて、リフレッシュするのもおすすめです。ただ、何週間も離れると休み癖がつく可能性もあるので、「3日間は就活のことを考えない」など、期間を決めて休みをとりましょう。

目標設定と時間管理

漠然と就活を進めているために、就活に対して嫌気が差している人は、目標設定と時間管理を徹底してみましょう。自分だけの就活の目標を決め、いつまでに達成するのか期限を決めることで、前向きに取り組むことができます。

じっくり進めたい人は休みを考慮したり、短期集中したい人は選考を受ける企業の数を絞ったりと、具体的に決めていくことでストレスを感じにくくなるかもしれません。

就活のやり方を変えてみる

これまでの就活は学生から企業にエントリーするのが一般的でしたが、昨今は企業から学生にアプローチする逆求人サイトもあります。キミスカも逆求人型のサービスを展開しており、登録した学生のなかから気になった人に対して、企業からスカウトの連絡が届きます。

今までの就活でうまくいかなった人も、きちんと自分のことを評価してくれる企業と出会えるチャンスなので、就活で悩んでいる人はぜひ活用してみてください。

まとめ

就活を進めていると、友人が先に内定を獲得していたり、自分は不採用ばかりになったりすることも珍しくありません。たしかに就活には正解がありませんが、だからこそ自分らしく進めることが大切です。

もし就活鬱になってしまった場合は、思い切って休んだり趣味に没頭したりしても問題ありません。就活に疲れた学生や立ち止まってしまっている学生は、ぜひ無理をせず自分のペースで後悔のない選択をしてください。