学生が自分の就活を成功させるためには、入念な準備が欠かせません。自己分析やES(エントリーシート)、面接などの対策をおこなうことも重要ですが、エントリーする企業を選ぶために業界を絞ることも大切なポイントです。
今回は、就活生が後悔しないために押さえておきたい業界の絞り方について紹介します。また業界を絞るメリット・デメリット、事前準備なども解説するのでぜひ参考にしてみてください。
業界を絞るメリット
まずは就活で業界を絞ればどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
【業界を絞るメリット1】就活を効率的に進められる
就活では自分がどの企業を志望するかを選ぶ必要がありますが、業界を絞らないまま企業探しをすると時間がかかってしまいます。
そこで、自分に合っている業界や働きたい業界に絞ることで、企業選びにかかる時間や手間を短縮できるでしょう。また、同じ業界で複数の企業にエントリーする場合は、ES(エントリーシート)などに記載した内容を活用しやすくなるなど、就活全体を効率的に進められます。
【業界を絞るメリット2】業界研究に時間を使える
どの業界を志望するかを絞ることで、業界研究に時間をかけられるのもメリットです。就活での業界を大別すると、メーカーや商社、金融など8つに分類されますが、全てを一から調べていると選考対策にかける時間が少なくなってしまいます。
また、志望業界を絞ることによって業界研究を深めれば、特定の業界に関する知識が増えて書類選考や面接の通過率も高まるでしょう。
【業界を絞るメリット3 】志望動機に説得力が生まれる
企業は選考を通じて学生の入社意欲などを評価しています。そのため、書類選考や面接で学生の就活の軸に一貫性があるかどうかを見ていることも少なくありません。
そこで業界を絞っていれば、なぜこの業界を選んだのか、そしてなぜこの会社を選んだのかを伝えやすくなります。具体的な理由があることで話の内容に一貫性が生まれ、説得力のあるアピールが可能になるでしょう。
業界を絞るデメリット
業界を絞ることで就活を効率よく進められたり、選考の通過率をアップさせたりといったメリットがありますが、デメリットもあることを把握しておきましょう。
【業界を絞るデメリット1】就職先の選択肢が減る
まずデメリットの一つとして押さえておきたいのは、就職先の選択肢が減る可能性があることです。新卒採用をおこなっている企業は数多くありますが、絞った業界の求人が少なかったり求人倍率が高かったりすると、志望企業の選択肢が少なくなるかもしれません。
特に1つの業界に絞ってしまうと企業の選択肢も少なくなるため、2〜3つに絞るなどの工夫が大切です。
【業界を絞るデメリット2】視野が狭くなる
就活は学生が社会について自発的に学ぶ機会にもなります。しかし、業界を絞ってしまうと他の業界への知識が浅くなり、就活の視野が狭くなることもあります。
業界を絞ることで就活を効率よく進められますが、就活中は関連する業界の研究を深めることも大切です。特定の業界と関連する業界の理解を深めることで、選考の際に説得徳のある主張もできるでしょう。
【業界を絞るデメリット3】内定ゼロのリスクが高まる
業界を絞ったものの、その業界が自分の適性に合っていなかったり、競争が激しかったりすると内定を獲得できない可能性があります。
特に就活では自分の適性に合った業界を選び、企業が求める人物像を把握してアピールすることが重要です。業界を絞りすぎることで生じるデメリットがあることも把握し、上手に業界・企業を選びましょう。
業界を絞るときの事前準備は?
業界を絞ることによって生じるデメリットを抑え、後悔しない就活をするためには事前準備が必要です。ここからは、業界を絞るときに欠かせない3つの事前準備を紹介します。
【業界を絞るときの事前準備1】自己分析で就活の軸を明確にする
業界を絞る前に、自己分析をおこなって就活の軸を明らかにしましょう。就活の軸は、業務内容や給与、勤務地など、自分が仕事をするうえで譲れない価値観・判断基準のことです。
就活の軸を明確にすることで、自分に合った業界・企業を判断できるようになるほか、書類選考や面接でも効果的なアピールができるようになるでしょう。
【業界を絞るときの事前準備2 】業界の特徴を把握する
仕事を通じて得られるスキルや給与、市場価値などは業界によって異なることもあります。そのため、業界を絞るよりも先に業界ごとの特徴を把握しておくのが大切です。
メーカー
商社
小売
金融
サービス
ソフトウエア・通信
マスコミ
官公庁・公社・団体
業界は大きく8つに分類されますが、さらに細かく分けられます。業界の理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしながら業界ごとの業務内容や給与、離職率、将来性などをチェックしてみましょう。
【業界を絞るときの事前準備3 】他者の意見を取り入れる
就活は基本的に自分で進めるものですが、周囲の協力を得ることでプラスに働くこともあります。例えば、業界を絞る際に「自分に合った業界が分からない」と悩んでいる場合は、家族や友達に相談してみても良いでしょう。
他者から見たあなたの強みや弱みを教えてもらうことで、自分では気づけなかった個性が見つかるかもしれません。業界を絞る際にこうした客観的な意見を参考にすれば、選択肢が広がったり興味・関心の幅が広がることもあるでしょう。
業界を絞る基準は?
ここからは、業界の絞り方について紹介します。業界を絞る際は以下の3つのポイントを基準にしていきましょう。
【業界を絞る基準1 】自分がやりたいことと業界が合っているか
業界を絞るときは、自分がやりたいと思えることを見極める必要があります。自分が興味を抱いている分野や将来的に成し遂げたいことはもちろん、少し興味があることや気になる業界でも問題ありません。思いつくままノートに書き出し、その中から自分が本当にやりたいことをピックアップしても良いでしょう。
そして、自分のやりたいことと関連する業界を探せば、ある程度の業界を絞ることが可能です。
【業界を絞る基準2 】自分のスキル・能力が活かせるかどうか
自分の持っているスキルや能力をベースに業界を絞るのもおすすめです。例えば、動画の編集が可能ならメディアやIT関連の業界を検討してみても良いでしょう。
学生の持っているスキルが即戦力にならないこともありますが、企業は学生のポテンシャルを見て合否を出すこともあるので、スキルや能力は十分なアピールポイントになります。
【業界を絞る基準3 】将来性があるかどうか
業界を絞る場合、5年後や10年後など今後の変化やリサーチをおこない、将来性があるかどうかを確認してみましょう。将来性だけを理由に選ぶのは避けた方が良いですが、業界の将来性と自分のキャリアプランが合致しているかどうかを基準にすれば、業界を絞れるでしょう。
業界を絞るときの注意点
最後に、業界を絞るときに注意しておきたいポイントを紹介します。
【業界を絞るときの注意点1】先入観をなくす
業界を絞るときに気をつけたいのは、先入観です。「この企業はブラックっぽい」「自分の性格に合ってなさそう」などの先入観を持っていると、自分に合った業界を逃してしまう可能性があります。
数年前の噂で悪いイメージがある場合でも、働き方改革などで是正されているケースもあるため先入観を捨てて業界を絞りましょう。
【業界を絞るときの注意点2 】焦って絞らない
就活はさまざまな準備・対策が必要になるため、焦って進めてしまう学生も少なくありません。しかし、焦って業界を絞ると、自分とミスマッチな業界を選んでしまう可能性もあるため注意が必要です。
自己分析をおこなうほか、説明会やセミナーに参加して自分と業界への理解を深めるようにしましょう。
まとめ
業界を絞ることで就活をスムーズに進めることができ、選考のときには説得力のあるアピールをすることも可能です。しかし、業界を絞りすぎてしまうと、視野が狭くなって就活の選択肢が少なくなる可能性もあるため、絞る幅に余裕を持たせることもポイントです。
これから業界を絞っていこうと考えている学生は、本記事で紹介したポイントを参考に自分らしい就活を進めてみてください。