就活でよく聞く他己分析とは?自己分析との違いや実施するメリットを解説

就活をするには自分の長所や短所を知っておく必要があります。エントリーシートや面接でほぼ必ず聞かれるため、事前の準備が必須です。自身をもっとよく知るための手段としてよく用いられる自己分析は主観が強く出てしまうことがあり、客観的な視点が抜けてしまうという欠点があります。そんな時に活躍するのが”他己分析”です。この記事では、他己分析のメリットややり方について詳しく解説していきます。

他己分析とは?自己分析との違いは?

他己分析とは、第三者にあなたがどんな人であるかを聞き、あなたに対する客観的な印象と、あなたが思っている自分像を擦り合わせることを言います。

自己分析と他己分析の違いは視点にあり、自己分析は主観で他己分析は客観です。どちらが正解というわけではないので、双方を擦り合わせていき、ズレのない分析をしていきましょう。

他己分析と自己分析はどちらを優先するべき?

もしまだどちらもやったことがないのだとしたら、自己分析から手をつけてみてください。他己分析ももちろん大切ですが、就活における重要度は自己分析のほうが上です。面接官にあなたの強みは?と聞かれて、「友人に私の強みは〇〇と言われたので〇〇です」と答えることはできません。自己分析で自己理解を深め、他己分析で得た客観的意見はその裏付けとして活用するという流れが理想的です。

他己分析をするメリット3選

他己分析をすることで得られるメリットは何があるのでしょうか。他己分析をやる前に活かし方を把握しておきましょう。

【他己分析のメリット1】客観的視点を得られる

自己分析はどうしても主観が強くなってしまうため、客観性が欠けるという弱点があります。それを補うことができるのが他己分析です。

自分自身で感じたことと、第三者があなたを見た時の印象は異なることがあります。その感覚のズレを発見できるのが他己分析を行うメリットの一つです。

【他己分析のメリット2】自分では見つけられなかった長所や短所が知れる

シンプルに自分では気付けなかった長所や短所を指摘してもらえる可能性があります。自分が強みだと感じなかった部分も、他者からみたら凄いと思えるポイントなのかもしれません。

自己分析だけでは、このような取りこぼしが発生する可能性があるので、他己分析をしてあなたの長所や短所をまるっと把握しましょう。

【他己分析のメリット3】自分の強みが社会で役に立つのか判断できる

両親や先生など、社会経験のある人に他己分析をお願いする場合、自分が強みだと思っている部分が実際に社会に出て通用するものなのかを判断することができます。

またあなたの強みの活かし方を示してくれるかもしれません。どんな職に就こうか悩んでいる方は、両親や先生、大学のキャリアセンター職員など、社会人経験がある大人に他己分析を頼んでみましょう。

他己分析はいつ頃やるのが良い?

他己分析に適した時期というのはありません。ただ、タイミングとしては自己分析をした直後がおすすめです。他己分析からやってしまうと、後からやる自己分析が他者の評価に引っ張られ、完全な主観評価ができなくなる可能性があります。自己分析が難しくて全然進まないという方は他己分析から手をつけても問題はありませんが、全くやらないで選考に進むのは控えましょう。

もし自己分析に悩んでいるのであれば、自己分析を助けてくれる補助ツールを使ってみましょう。キミスカではあなたの性格や適職を無料で診断する適性検査が受けられます。受け方やどんな結果が出るのかをこちらの記事にまとめましたので、興味がある方は一度ご覧ください。

キミスカ適性検査の受け方と結果の見方!自己分析ツールの使い方を解説

他己分析の正しいやり方とは?

他己分析はただ相手に「私ってどんな人?」と尋ねるだけではありません。事前に準備しておく必要があります。他己分析を実際に行うまでの流れとしては、「目的を明確にする→質問を考える→相手を決める」の3段階です。下記の記事にそれぞれのポイントをまとめておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。

【質問例付き】これで誰でも他己分析マスター!やり方を詳しく解説

他己分析をする時に使える質問一覧

質問を考える際に使える質問例をまとめました。自分が知りたいことに合わせて質問を決めましょう。

知りたいこと 質問例
自分の長所 ・私が活躍していると感じるのはどんなときか
・どんな時に私が必要だと感じるか
・私がいてよかったと思うのはどんなときか
・私と関わるメリットはなにか
・もっと伸ばした方が良いものはなにか
自分の短所 ・私がいて迷惑をかけた出来事はあるか
・私が直したほうがいいことはあるか
自分の価値観 ・私について、「楽しそうだ」と感じるのはどんなタイミングか
・私は将来どうなってそうか
・私がやる気を出すのはどんなときか
・どんな時に不満を感じていそうか
自分の印象 ・第一印象はどのようなものだったか
・最初に抱いた印象と今とのギャップはあるか
・自分はどんな性格に見えるか
・どんな会社で働いていそうか
・10年後どんな人になってそういそうか
・自分を一言で表すとなにか
普段の生活 ・印象的だった言動はあるのか
・今思いつく二人の思い出は何か
・集団ではどのような立ち位置に見えているのか
・感情を読み取りやすいか

他己分析を頼む相手に最適な人とは?

まず前提として、他己分析は複数人にお願いするのがおすすめです。様々な角度から意見をもらい、それを自分の中で擦り合わせて自己理解に落とし込みましょう。

また、誰に他己分析を頼むかで貰える意見が少し異なります。以下を参考にして誰にお願いするかを決めてください。

【他己分析を頼むのに適している人1】家族

家族はあなたが小さかった頃から現在に至るまで、ほぼ全てのことを知っています。「幼少期から一貫して〇〇な性格だよね」など、過去の出来事と合わせて評価してもらえるので、それをそのまま自己PRなどのエピソードとして活用することもできるでしょう。

【他己分析を頼むのに適している人2】友人・恋人

家族に頼むのは少し恥ずかしいという方は、友人や恋人にお願いしてみましょう。学校でのあなたや休日に遊んでいるあなたを知っているため、素の性格や長所・短所を知っています。

同じく就活をしている友人がいるのであれば、お互いに他己分析をし合おうと相談すれば比較的簡単に頼む事ができるでしょう。

【他己分析を頼むのに適している人3】バイト先の先輩や同僚

バイト先の先輩や同僚であれば、仕事をしているあなたを知っているため、仕事中に発揮されるあなたの強みや弱みを貰える可能性があります。

就活ではあなたが入社したら企業にどう貢献できるのかをアピールしなくてはなりません。そのため、実際に一緒に働いている人からの意見は参考になることが多いのでおすすめです。

他己分析を実施する時のポイント

他己分析を行う時のポイントを3つほど紹介します。

【他己分析のポイント1】色んな人に聞いてみる

1人だけに聞くのはおすすめできません。極端な話、もしその相手が偏った見方をしていたら、自己分析に活かすことはできませんし、複数人に聞かなければその意見が偏っていたのかも判断できません。そのため他己分析をする際は必ず複数人と実施するようにしてください。

両親や友人だけでなく、バイト先の同僚や所属ゼミの教授など、色んな角度からの意見を聞くことで、より正確な客観的評価を取り入れることができます。

【他己分析のポイント2】素直な意見をもらう

いくら親密な仲とはいえ、あなたの印象を素直に伝えるのは相手も気を遣ってしまいます。また、いきなり「あなたから見て私はどんな人か?」と聞かれても、世間話だと思われてしまう可能性があります。そのため他己分析をする前に、就活で使いたいから真剣かつ素直な回答がほしい旨を必ず伝えておきましょう。

【他己分析のポイント3】自己分析と見比べる

他己分析をそのまま飲み込んで自己PRなどに用いてしまうのは危険です。面接では「なぜそれが自分の強みだと思ったのか」や「それが発揮されたエピソードはあるか」など、1つの回答に対して深堀りをされた時の返答が「友人に言われたので…」だと、自己分析が不足しているというマイナスな評価をつけられてしまいます。

また自己分析で得た主観的な評価と、他己分析で得た客観的な評価が一致していると、面接官からも「自分のことを正しく認知できていてしっかりしている」という好印象を与えることができるでしょう。

他己分析と自己分析は必ずセットで実施しよう

他己分析だけで選考に進むのはおすすめできません。必ず自己分析をやった上で他己分析を実施するようにしましょう。

他己分析から得られる客観的な評価と自己分析から得られる主観的な評価を擦り合わせ、自分自身の正しい評価を認知できるようにすると、ESや面接で高評価を獲得できるでしょう。