自己PRを通じて、学生は自身の魅力を企業にアピールできます。最後の締め方次第で「企業への志望度の高さ」や「強みの活かし方」が伝わりやすくなるため、ES(エントリーシート)や面接では特に意識しておきたいポイントです。
今回は、自己PRの締め方について詳しく解説するほか、企業に好印象を残すためのポイントを紹介します。また、自己PRの例文もまとめているので、「どうやって締めるのがいいの?」と悩んでいる就活生は、ぜひ参考にしてみてください。
自己PRの締め方にこだわるべき理由
自己PRでは自身の強みや長所を伝えることになりますが、最後の締め方にこだわることが重要です。自己PRの締め方で手を抜いてしまうと、人事担当者や面接官の印象に残らず、場合によっては選考を通過できない可能性もあります。
まずは、なぜ自己PRの締め方にこだわるべきなのか、2つの理由を確認しておきましょう。
【自己PRの締め方にこだわる理由1】最後が印象に残りやすいため
自己PRの締め方にこだわることで、アピール内容が人事担当者や面接官の印象に残りやすくなります。もちろん、自己PR全体の内容にこだわるのがベストですが、心理学的にも最初と最後の情報が印象に残りやすいため、締め方は特にこだわっておきたいポイントです。
中途半端な締め方をしてしまうと、「話が続くのかな?」「結局、何が言いたかったの?」と思われかねないため、自己PRを考える際は締め方にこだわるようにしましょう。
【自己PRの締め方にこだわる理由2】入社後のイメージを持たせられるから
自己PRの締め方にこだわらないと、単なる強みのアピールに終わってしまいます。本記事で紹介する締め方を実践すれば、企業は応募者が入社したあとの姿を想像できるため、より好印象を持ってもらえるでしょう。
ただ、企業が求める人物像とかけ離れた内容で締めると、ミスマッチと判断される可能性があります。自身の強みが企業の求める人物像とマッチしているかどうか、自己分析と企業研究を行ってすり合わせておくことが大切です。
自己PRの締め方は2つの要素を盛り込むこと!
続いては、自己PRの締め方で押さえておきたい2つの要素を紹介します。魅力的な自己PRに仕上げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
【自己PRの締め方1】自分の強みをまとめる
ES(エントリーシート)や面接では、企業は多くの就活生から自己PRを見聞きすることになるため、できるだけ印象に残りやすい工夫をする必要があります。
そこで、自己PRを締める際は、自身の強みをまとめていきましょう。強みは最初と最後に伝えたほうが相手の印象に残りやすくなるため、強みは最後に述べるだけでなく、冒頭でも述べることがポイントです。
【自己PRの締め方2】企業への活かし方を伝える
自分の強みを最後にアピールしたあと、その強みを活かして企業にどう貢献するのかを最後に伝えましょう。
企業への活かし方を伝える際は、以下の表現を参考にしてみてください。
この強みを活かして、◯◯をしたいと考えています。
貴社に入社できたら、◯◯な人材を目指します。
入社後は、◯◯に精進します。
こうした締め方をすることで、企業は応募者が入社してからの姿を具体的にイメージできます。ただ単に「頑張ります」などと伝えるだけでは、入社後の姿を想像できないため、自身の強みをどのように企業で発揮するか、できるだけ具体的に伝えましょう。
自己PRの締め方で好印象を残すコツ
自己PRの締めを上手くまとめるためには、全体の構成にこだわったり、アピールポイントを絞ったりするのがおすすめです。
ここでは自己PRの締めを上手にまとめるコツを3つ紹介します。
【自己PRの締めを上手くまとめるコツ1】構成はPREP法を使う
人事担当者や面接官に対して好印象を与える締め方をするためには、最初から最後までの構成にこだわることが大切です。自己PRをはじめ、志望動機やガクチカは結論を先に述べることで相手が理解しやすくなるため、結論・理由・具体例・結論の順に伝えるフレームワーク「PREP法」を活用しましょう。
自己PRの場合、はじめに「私の強みは○○です」と述べ、強みであることの理由や、強みを得たり発揮したりしたエピソードを具体的に伝えます。そして、結論では再び自身の強みを伝え、企業への活かし方で締めくくることで好印象につながるでしょう。
【自己PRの締めを上手くまとめるコツ2】アピールポイントは1つに絞る
自己PRの締め方を上手くするためには、アピールポイントを絞ることも重要なポイントです。
ここで言うアピールポイントとは、自身の強みのこと。たくさんアピールしようと複数の強みを伝えてしまうと、話の内容が薄くなったり印象に残りにくくなったりするため、伝える強みは1つに絞るようにしましょう。
どの強みを伝えるべきか悩んでいる方は、企業が求める人物像とすり合わせるのがおすすめです。人物像を明らかにするためには、事前に企業研究を行っておく必要があるため、気になる方は以下の記事をチェックしておきましょう。
【自己PRの締めを上手くまとめるコツ3】ポジティブな表現で言い切る
自己PRの締めは、できるだけポジティブな表現で言い切ることを意識しましょう。就活で嘘をつくのはNGですが、「できるかわかりませんが」「私自身は大丈夫だと思いますが」といった謙遜は、相手に自信のない印象を与えかねません。
ネガティブな表現は無自覚で使っている人も多いため、模擬面接を行ったりESを誰かに見てもらったりして、伝え方をブラッシュアップしていきましょう。
このほか、現実的に無理な目標を伝えるなど、根拠のないアピールは避けてください。「会社や志望職種について調べて来なかったのかな」「入社後も実現不可能な目標を掲げそう」とマイナスの印象を持たれる可能性があるため、実現可能な内容をポジティブに伝えることが大切です。
自己PRの締め方にこだわった例文
ここまで自己PRを締めるためのポイントをまとめてきましたが、実際にどういった内容が理想的なのでしょうか。ESや面接で好印象を持たれる自己PRの例文を2つ紹介します。
【自己PRの締め方・例文1】行動力が強みの場合
私の強みは「行動力」です。私は考えるだけでなく、積極的に行動へと移せる人間です。その結果、自然とグループの中心を任されることがたくさんありました。
たとえば、私は大学時代にサッカー部の主将に推薦され、引き受けました。
チームを強くする責任があると感じ、大学の講義と練習を両立させるためにも、練習メニューを考え直すところから始めました。
練習スケジュールが非効率的だと感じる部分がこれまでに何度もあったからです。一部ですが、「決められたメニューを変えたくない」との意見もありました。
しかし、実際にチーム力が上がり、公式戦で勝利を収めることでチームメイトもついてきてくれるようになったのです。
(ここからが自己PRの締め↓)
私は、このことから行動があるからこそ他人がついてきてくれるのだと学びました。反対意見にあっても、結果によって自分の正しさを示すことができます。
御社で営業職という仕事に就いても、プランと行動を両立させて売上に貢献できるはずだと自負しています。
こちらは、自身の強みである行動力を発揮したことでチームに好影響を与えられた例文です。
さらに、自身の行動力を志望職種でも活かすことを伝えているため、人事担当者や面接官は応募者の入社後の姿を具体的にイメージできます。
【自己PRの締め方・例文2】素直さが強みの場合
私はどんなことにも素直に、全力で取り組むことをモットーにしています。
私は1年ほどスーパーで試食品を配る宣伝販売のアルバイトを経験しました。
初めはマニュアルを見ながら自己流で宣伝していたのですが、食べてはもらえても買ってはもらえず成績は伸び悩んでいました。
どうすれば買いたいと思ってもらえるかと考え、先輩の販売員の方やお客様に意見を求めました。
すると自分では気づいていなかった声を掛ける場所やタイミングや、声の大きさなどについて指摘を頂き、改善点に気付くことが出来たのです。
次の日から早速頂いた意見を取り入れ、向かい合う形での対話を避けたり、他社商品のついでにお試しで買って頂いたりするなど全力で試行錯誤を重ねました。
そうしたことで1ヶ月後には売り上げを3倍に伸ばすことに成功し、販売店の方から「○○さんでお願いしたい」と指名で呼んで頂けるようになりました。
(ここからが自己PRの締め↓)
この経験から、素直でいること、全力で取り組むことの大切さを改めて学びました。この性格を貴社でも活かし、周りの意見をしっかり聞きながら自身の成長に向けて取り組んでいこうと思います。
こちらは自己PRで素直さをアピールしている例文です。素直さ自体は漠然としたものですが、具体的なエピソードや学びを盛り込んでいるため、人柄が伝わる内容に仕上がっています。
自己PRの締め方を意識して企業に採用メリットを伝えよう!
自己PRは結論から述べ、最後の締め方にまでこだわることが大切です。結論である強みを最初と最後にアピールすることで、応募者がどんな強みを持っているのかが印象に残りやすくなるでしょう。
ただ、締め方によっては、企業にマイナスの印象を持たれる可能性があるため注意する必要があります。本記事で紹介したように、自分の強みを活かしてどのように企業に貢献するのか、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。