就活の面接では、部屋に入る時から出る時までの振る舞いも見られています。ノックの回数やお辞儀の角度、椅子の座り方など、就活生はどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
今回は面接室に入る時・出る時の入退室マナーについて詳しく紹介します。また、面接官があとから入室してくる場合や面接後に見送ってくれる場合など、就活生が悩みがちなケースの対処法もまとめているので、面接前に確認しておきましょう。
就活生が入る時に面接官が見ているポイントとは
面接官は就活生の入室から退室までの様子を見て、いくつかのポイントを確認しています。もちろん、面接官は質疑応答を通じて応募者の人柄や企業とのマッチ度も見ていますが、場合によっては入退室マナーも評価対象になっていることがあるため注意が必要です。
そこで、まずは就活生の入退室時に面接官が見ているポイントを把握しておきましょう。
【入退室で面接官が見ていること1】就活生の第一印象
メラビアンの法則では「第一印象は見た目が55%を占める」と言われており、就活においても面接室に入ってきた時の印象が重視されます。特に営業や接客などの職種を志望している場合は、見た目の第一印象が重要視されることも珍しくありません。
見た目の第一印象というのは、容姿が整っているかどうかではなく、入室してきた時の表情や清潔感、姿勢などがしっかりしているかどうかです。面接で第一印象を良くしたい人は、以下の記事をよく読んでおきましょう。
【入退室で面接官が見ていること2】マナーが身についているか
面接では第一印象だけでなく、社会人に必要なマナーが身についているかどうかも見られています。例えば、受付できちんと挨拶できていたか、入室・退室の言葉遣いやお辞儀ができていたかなど、細かい点まで見られている可能性があるため、注意が必要です。
面接当日に社会人としてのマナーをわきまえた行動ができれば、入社後も安心して仕事を任せられる印象を持ってもらえるでしょう。社会人としてのマナーはすぐに身につくものではないため、普段から意識して自然に行えるよう練習しておくのがおすすめです。
面接の基本マナーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。避けるべき行動についても紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
【入退室で面接官が見ていること3】面接中の態度と違いがないか
入室してきた時の第一印象と、面接中の態度に違いがないかどうかも見られている可能性があります。緊張感を持って入室していたとしても、面接が進むにつれて徐々に気が緩んでしまい、面接中に猫背になったり退室時にお辞儀を忘れたりしてしまう学生も少なくありません。
そのため、面接では入室から退室まで緊張感を持って臨むことを意識しましょう。
【5ステップ】面接室に入る時のマナー
面接室に入る時はどういったことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、面接の入室マナーを5つ紹介します。
【面接室に入る時のマナー1】ドアを3回ノック
面接室に入る時は、まず「失礼いたします」と言ってからノックを3回しましょう。ノックが弱かったり早く叩きすぎたりすると、落ち着きのない印象を持たれるため、落ち着いてノックすることが大切です。
なお、集団面接で2番目以降に入室する場合、ノックをする必要はありません。
【面接室に入る時のマナー2】入室してドアを閉める
ノックをしたあと、面接室から「どうぞ」と返事があれば、静かにドアを開け「失礼いたします」と言ってから入室します。この時点で面接官の目にとまるため、姿勢を正して面接官のほうに目線を向けましょう。
なお、ドアを閉める際は後ろ手で閉めないように注意してください。また、集団面接の場合は、最後に入室する人がドアを閉めることも把握しておきましょう。
【面接室に入る時のマナー3】面接官に30度の角度でお辞儀
ドアを閉めたあとは面接官のほうへ向き直り、「本日はよろしくお願いいたします」と言ってからお辞儀をしましょう。お辞儀の角度は30度がベストです。
30度の角度は「敬礼」にあたり、目上の人やお客さまに対して用いられるスタンダードなお辞儀といえます。社会人になってからもお辞儀をする機会が多くあるため、今のうちに慣れておきましょう。
【面接室に入る時のマナー4】椅子の横に立つ
入室後、面接官に促されるまでは着席をせず、椅子の横で姿勢を正して立っておきましょう。
面接官が「学校名とお名前をお願いします」と言ったら、「◯◯大学◯◯学部の◯◯◯◯と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします」と述べ、45度のお辞儀「最敬礼」をしましょう。
【面接室に入る時のマナー5】15度の角度でお辞儀して着席
学校名と氏名を述べてお辞儀をしたら、面接官が「どうぞご着席ください」と促します。「失礼いたします」と述べ、15度のお辞儀をしてから着席しましょう。
着席する時は背もたれにもたれない程度に深く腰かけ、背筋を伸ばしておくのがポイントです。また、あごを少し引くと真面目な印象を与えやすくなるため、普段から意識しておくと良いでしょう。
なお、バッグは着席してから椅子の横におきましょう。バッグが自立するか心配な場合は、椅子の脚に立てかけるようにおくと安定します。
【2ステップ】面接室を出る時のマナー
面接では入る時だけでなく退室時の振る舞いも見られています。最後まで気を抜かないよう、ここで紹介する退室マナーもチェックしておきましょう。
【面接室を出る時のマナー1】起立してお礼を述べる
面接官から「本日の面接は以上です」と言われたら、起立してお礼を述べます。「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」と言ってから45度のお辞儀をしましょう。
【面接室を出る時のマナー2】ドアの前で面接官にお辞儀
面接のお礼を述べたあとは、ドアの前で面接官のほうに向き直ります。そこで、「失礼いたします」と言ってから30度のお辞儀をし、静かにドアを開けて退室しましょう。
なお、“挨拶・お礼の言葉”と“お辞儀”が同時にならないよう注意してください。同時に行う「ながら礼」は、相手に良い印象を与えません。面接対策の時から、それぞれ分けて行うよう練習しておきましょう。
【ケース別】入退室以外に気をつけたい面接マナー
面接では入退室以外にも気をつけたいマナーがあります。特に、面接会場に到着してから受付が必要なケースや、面接官があとから入室するケースもあるため、事前に把握して冷静に対処しましょう。
【入退室以外の面接マナー1】受付が必要な場合
受付は「人がいる場合」と「インターホンで担当者を呼ぶ場合」の2パターンがあります。どちらもそれほど難しいことではありませんが、以下を参考にしましょう。
「私、本日○時より採用面接のお約束をしております、〇〇大学の〇〇と申します。人事部採用課の〇〇様にお取り次ぎいただけますでしょうか。」
「お忙しいところ恐れ入ります。私、本日◯時より採用面接のお約束をしております、〇〇大学の〇〇と申します。人事部採用課の〇〇様にお取り次ぎいただけますでしょうか」
インターホンで呼ぶ場合は、受話器のそばに内戦番号が書かれている可能性が高いです。担当者に電話をかけ、上記のように伝えましょう。
なお、以下の記事では面接当日の受付について詳しく解説しています。正しい振る舞いができるか心配な方は、あわせて確認しておきましょう。
【入退室以外の面接マナー2】面接官があとから入室する場合
就活生が先に部屋へ案内され、面接官があとから入室してくるケースもあります。このような場合は以下の流れで面接に臨みましょう。
ドアをノックし、「失礼いたします」と言ってから入室
椅子の横に立って面接官を待つ
面接官が来たら大学名・名前を名乗って挨拶
「失礼いたします」と言ってから着席
入室や着席については、面接官から促される場合が多いため、落ち着いて丁寧に振る舞うことが大切です。
【入退室以外の面接マナー3】オンライン面接を受ける場合
近年はオンライン面接を実施する企業も増えてきました。対面での面接とは違って、以下の流れで進むことを把握しておきましょう。
面接前に動作環境や身だしなみを確認
面接開始の10分前を目安にログイン
通信速度の目安や画面に映る背景など、オンライン面接で気をつけたいポイントについては、以下の記事で紹介しています。WEB面接を受ける人は、事前に目を通しておきましょう。
【入退室以外の面接マナー4】出口やエレベーターまで見送ってくれる場合
企業や面接官によっては、面接が終わってから出口やエレベーターまで見送ってくれることがあります。最後まで丁寧な振る舞いができるよう、以下の流れを意識しましょう。
面接後にお礼の言葉を述べて荷物を持つ
面接官の後に続いて歩く
出口やエレベーターに着いたらお礼を述べて一礼
なお、必須ではありませんが出口やエレベーターへ向かう道中で、ほかの社員とすれ違う場合は軽く会釈するとより丁寧です。
面接は会場・部屋に入る時から気を引き締めよう!
面接は会場に着いた時から始まっています。企業によっては受付での言葉遣いや振る舞いなどがいい加減だと、マイナスの評価につながる可能性があるため注意しましょう。
もちろん、面接での質疑応答でしっかりと自分らしさをアピールすることも重要です。本記事を参考に基本的なマナーを押さえ、自己PRや志望動機などをしっかりと伝えるよう対策しておきましょう。