就活の面接ではさまざまな質問をされます。自己PRや志望動機、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などは定番の質問ですが、「休日の過ごし方」について聞かれることも少なくありません。
今回は、休みの日の過ごし方を面接で質問されたときの答え方を、例文付きで解説します。また、質問の意図や回答時のポイントも紹介しているので、ぜひ自分らしい回答を考える参考にしてみてください。
面接官が「休日の過ごし方」を尋ねる理由とは
面接で休日の過ごし方に対する適切な回答をするためにも、まずは面接官が質問する理由を把握しておく必要があります。
休日の過ごし方に関する質問を通じて、面接官は何をチェックしているのか、詳しく見ていきましょう。
【面接で休日の過ごし方を聞かれる理由1】人柄・性格を確認するため
面接官は、休日の過ごし方を聞くことで応募者の人柄や個性を知ろうと考えています。人柄や性格については面接での質疑応答を通じて判断されますが、休日の過ごし方は特に人柄が出やすいため、面接で質問されることも珍しくありません。
例えば、休日にフットサルをしているのであれば、面接官は学生に対して「アクティブな人」や「チームで取り組むのが好きな人」といった印象を持つでしょう。このほか、休日は資格取得の勉強をしている人であれば、真面目さや向上心などのアピールにつながります。
休日の過ごし方は人それぞれにあり、正解はありません。しかし、休日の過ごし方から企業は応募者の人柄や性格を見ているため、あなたらしさが伝わるよう具体的な回答を心がけましょう。
【面接で休日の過ごし方を聞かれる理由2】コミュニケーション能力を確かめるため
人柄や性格といった就活生の内面だけでなく、コミュニケーション能力があるかどうかを確かめるために休日の過ごし方を尋ねている場合もあります。というのも、社会人になると社内や社外で初対面の人とやり取りをする機会が多くなるため、コミュニケーション能力の有無は重要なポイントになるためです。
休日の過ごし方は雑談のように思えますが、企業はこうした話しやすいテーマを通じてコミュニケーション能力を確かめています。そのため、どんな質問をされてもスムーズに答えられるようにしましょう。
【面接で休日の過ごし方を聞かれる理由3】オフの日に気分転換できそうか確かめるため
企業はできるだけ長く勤めてくれる人材を求めているため、オフの日に気分転換できそうか確かめている可能性もあります。特に社会人になると大きな責任を伴う仕事を任されたり、さまざまな人と人間関係を構築していく必要があったりと、重圧やストレスを感じることも少なくありません。
こうした状況で、仕事とプライベートのメリハリをつけて、休日にストレス解消ができるか探ろうとしているのです。
面接で「休日の過ごし方」を答える際のポイント
それでは、面接で休日の過ごし方について聞かれたら、どのように回答すれば良いのでしょうか。
ここでは、伝え方のポイントを3つご紹介します。
【面接「休日の過ごし方」回答のポイント1】結論から伝える
休日の過ごし方を答える際に意識してもらいたいのは、回答の構成です。雑談のようなテーマですが、長々と話してしまうと肝心の人柄や性格などが伝わりにくくなり、「コミュニケーション能力が低いのかな」と思われかねません。
そこで、休日の過ごし方について聞かれた場合は、以下の順序で回答しましょう。
結論から述べる
具体的なエピソードを伝える
入社後の話しに関連づける
回答例は後ほど紹介しますが「休日は◯◯をすることが多いです」ように最初は結論から述べることを意識しましょう。結論の後に具体的なエピソードを伝えることで、相手は話しの内容を論理的に理解しやすくなり、コミュニケーション能力のアピールにもつながります。
入社後の話しに関連づけられると、入社意欲の高さや自己PRにもつながるため、上記3つの順序で回答するのがおすすめです。
なお、この順序は志望動機の伝え方と似ています。回答内容に一貫性を持たせるためにも、以下の記事を参考に志望動機と一緒に考えておいても良いでしょう。
【面接「休日の過ごし方」回答のポイント2】要点を絞る
学生のなかには、運動や美術館巡り、ライブ参加、読書、映画鑑賞といった多くの趣味を持っている人もいるでしょう。その場合は全ての趣味を列挙するのではなく、多趣味であることや具体的な理由を伝え、それによってどういう学びが得られたのかを伝えましょう。
というのも、面接官は趣味の内容よりも、休日の過ごし方によって応募者がリフレッシュできているかどうか、質問に対して適切に答えられるかなどを見ているためです。
例としていくつかの趣味を挙げるのは問題ありませんが、休日の過ごし方を通じて自分が何を伝えたいのか、要点を絞った回答を意識しましょう。
【面接「休日の過ごし方」回答のポイント3】自分のアピールポイントに合わせる
面接官は面接全体を通して、回答内容に一貫性があるかどうかも見ています。そのため、自分がアピールしたい内容に合わせて休日の過ごし方を考えてみるのもおすすめです。例えば、営業職のように積極性や体力が求められる職種を志望している場合、ランニングやサッカーといったスポーツを伝えてみても良いでしょう。また、チーム競技であれば、リーダーシップや協調性などのアピールにつなげることも可能です。
このほか、広告やデザイン、出版などを志望している場合は、美術館へ行ったり絵を描いたりといったクリエイティブにつながる過ごし方を伝えるのも良いかもしれません。
こうしたアピールポイントは、企業が求める人物像を明確にすることで伝える内容を絞ることができます。企業研究と自己分析を通じて、自分と企業のすり合わせをしておきましょう。
面接で「休日の過ごし方」を聞かれたときの回答例
ここからは、休日の過ごし方を面接で聞かれたときの回答例を5つ紹介します。スポーツやキャンプ、読書などのテーマ別に例文をまとめたので、例文を見ながら自分の回答を考えてみてください。
【休日の過ごし方の回答例1】スポーツ
休日は趣味のバスケットボールをして過ごします。大学ではバスケットボール部に所属しており、休日は地元の社会人チームに参加することもあります。チームプレーの大切さや粘り強さはバスケットボールを通じて学びました。仕事においても目標に向かって協力し合う姿勢や、最後まで諦めない行動に活かしていきたいと考えています。
【休日の過ごし方の回答例2】キャンプ
休日はキャンプを楽しんでいます。自然の中で過ごすことでリフレッシュできるだけでなく、仲間と協力して準備を進めることの大切さを実感しています。また、限られた環境の中で工夫を重ねる経験は、課題解決力や創意工夫の精神を鍛える良い機会になっています。こうした経験を活かし、仕事でも柔軟に対応できる人材になりたいと考えています。
【休日の過ごし方の回答例3】読書
休日は読書をして過ごすことが多いです。特に自己啓発やビジネスに関する本を読むのが好きで、新しい考え方や知識を取り入れることが楽しいです。御社に入社することができた後も、読書を通じて得た視野の広さや分析力を活かし、問題解決に貢献できる人材を目指しています。
【休日の過ごし方の回答例4】映画鑑賞
休日は映画鑑賞を楽しんでいます。特に異文化や歴史を題材にした作品が好きで、多様な視点から物事を考える力を養ってきました。また、映画を通じて学んだ表現方法やコミュニケーションの大切さは、仕事でのプレゼンテーションやチームでの円滑なやり取りにも役立つと考えています。
【休日の過ごし方の回答例5】勉強・習い事
休日は英語の勉強をしたり、プログラミングのオンライン講座を受けたりしています。常に新しい知識やスキルを身につけることが好きで、その積み重ねが自身の成長につながると考えています。この向上心を活かして、仕事でも積極的に挑戦を続けていきたいと考えています。
面接の回答で避けるべき「休日の過ごし方」
休日の過ごし方は人それぞれ異なりますが、何を伝えてもいいというわけではありません。回答内容によっては面接官にマイナスの印象を持たれる可能性もあるため、ここで紹介するNG回答を面接本番で伝えないよう注意してください。
【休日の過ごし方のNG回答1】「特に何もしていません」
面接で「休日はどのように過ごしていますか?」と聞かれ、「特に何もしていません」と答えるのは避けましょう。面接での質疑応答を通じて自分の人柄や性格をアピールできますが、これでは面接官の印象に残ることはないでしょう。
また、休日に何もしていないと、活力や積極性、コミュニケーション能力などが弱いと思われるかもしれません。休日の過ごし方を聞かれた際は、本当に何もしていないのかよく考え、どうしても思い浮かばない場合は、これからやりたいことを伝えるのがおすすめです。
なお、有意義な休日の過ごし方を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
・筋トレ、ヨガ
・スポーツ
・スポーツ観戦
・資格や語学の勉強
・セミナー、勉強会への参加
・映画やアニメ鑑賞
・音楽や動画の視聴
・読書(自己啓発や小説など)
・ゲーム(スマホ、PC、ボードゲームなど)
・料理
・掃除
・DIY、ハンドメイド
・絵を描く
・文章を書く
・楽器演奏
・レジャー施設
・ライブ参加
【休日の過ごし方のNG回答2】嘘の回答
面接官に休日の過ごし方を聞かれたとき、嘘の回答をするのは避けましょう。嘘をついてしまうと、その後の質疑応答で嘘がバレないか心配になるかもしれません。特に面接では深掘りの質問をされることが多いため、うまく答えられないと就活生の回答が嘘だとバレる可能性があります。
また、嘘がバレてしまうと面接での回答全てが疑われかねないため、面接では正直に答えることが大切です。嘘をついて採用されても、入社してからミスマッチに気づき早期退職につながる危険性もあるため、自分らしく就活を進めましょう。
周りの就活生を見て「面接って嘘つき大会じゃない?」と感じるようであれば、以下の記事を読んでみてください。
【休日の過ごし方のNG回答3】ネガティブな印象を持たれること
休日の過ごし方では「何もしていません」といった回答や、嘘をつくことはNGですが、正直に伝えないほうが良いものもあります。
× ギャンブル
× タバコ
× お酒
近年は喫煙に対する考え方が厳しくなり、副流煙による健康被害を避けるために禁煙を推奨したり業務時間内は禁煙と規定で定めたりしている企業もあります。もちろん、業界や企業によって捉え方が変わりますが、上記の過ごし方を伝える際は注意が必要です。
このほか、ゲームなどは伝え方によってはNGです。例えば「休日はゲームをしていて、徹夜することも多いです」と伝えてしまうと、仕事に悪影響を及ぼすイメージを持たれてしまいます。もしもゲームについて伝える場合は、それによって得られるものを盛り込むなど、ポジティブな面をアピールしましょう。
面接で「休日の過ごし方」を聞かれたら自分らしい回答を心がけよう
面接対策として、自己PRやガクチカ、志望動機などの回答を考えている学生は少なくありません。しかし、企業によっては学生が準備していない質問を投げかけ、想定外の質問に対する学生の対応から、本来の姿や考え方、価値観などを確かめようとすることもあります。
休日の過ごし方に関する質問は話しやすいテーマである一方で、人柄や性格、コミュニケーション能力などが見られているため、安易に答えないよう注意が必要です。
ぜひ本記事を参考に、あなただけの魅力が伝わる回答を心がけてみてください。