就活では1対1の面接だけでなく、他の就活生も一緒に参加する集団面接や、複数人の面接官と自分だけの面接もあります。しかし、こうした面接中に「嘘つき大会じゃない?」と感じる就活生も少なくありません。
今回は、面接が本当に嘘つき大会なのかを探るとともに、自分も嘘をついたほうが良いのかを解説します。また、自分らしく就活を進めるためのポイントも紹介するので、面接にどう臨むか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
面接は就活生の嘘つき大会なのか
就活生のなかには面接で嘘をつく人も少なくありません。就活で嘘をついたことがあるかどうかという調査は多くの企業が行っており、「就活生の4人に1人以上が嘘をついている」と言われています。
また就活生のなかには、先輩や友達が嘘をついて内定を獲得したという話や、集団面接中にほかの就活生の話を聞いて「嘘なんじゃないの?」と感じることもあるでしょう。そのため、就活あるあるとして「面接は嘘つき大会」と表現されても、間違いとは言えません。
面接をはじめ、就活では自分らしさが大事ですが、具体的にどういったシーンで「面接は嘘つき大会だ」と感じてしまうのでしょうか。4つのシーンを紹介します。
【面接で嘘つき大会になりがちなシーン1】ガクチカのエピソード
就活生のなかには、学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)や自己PRなどで嘘をつく人がいます。例えば、友達から聞いた話を自分のエピソードとして話したり、サークルで役職に就いていないのに「代表をやっていました」と話したりといったことが挙げられます。
しかし、ガクチカや自己PRで重要なのは、インパクトのある実績や何かの役職に就くことなどではありません。それぞれどんなことを話すと好印象を残せるのか、詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
【面接で嘘つき大会になりがちなシーン2】志望動機の内容
「企業のどこに魅力を感じたのか」という志望動機は人それぞれです。しかし、就活生のなかには福利厚生や給与などに惹かれて応募する人もおり、面接では企業理念や事業内容を志望動機として話す人もいます。
ただ、「御社の給与が高いため、応募いたしました」と正直に伝えると、面接で落とされてしまう可能性が高いでしょう。面接をはじめ、就活は正直に伝えることも大切ですが、この場合は本音と建前を使い分けられているため問題ありません。
面接官もある程度分かったうえで深掘りの質問をしてくるので、志望動機で建前を話す際は深掘りに備えられるようにすることが大切です。
【面接で嘘つき大会になりがちなシーン3】長所・短所・性格
企業が求める人物像に合わせて自身の長所や短所、性格を伝える就活生は少なくありません。人の内面は一概には決められない部分もあるため、当てはまるかどうかは自分で判断するしかありませんが、あまりにも真逆のことを伝えるのは避けましょう。
面接中に嘘をついていることがバレる危険性があるほか、性格検査で本当の長所・短所・性格などがバレる可能性もあるためです。面接では応募者の内面を知って企業とのマッチ度をすり合わせるため、性格などで嘘をつくのは避けるのがおすすめです。
【面接で嘘つき大会になりがちなシーン4】第一志望かどうかの質問
面接では「弊社は第一志望ですか?」と聞かれることがあります。もちろん本当に第一志望であれば正直に答えても問題ありませんが、「ここで第一志望と答えないと落とされるかも」と不安になり、嘘をつく学生も少なくありません。
ただ、面接官も就活生が本当のことを言っているのかどうかを確かめるために、深掘りの質問をしてくる可能性があります。本当に第一志望であれば、なぜ第一志望なのか具体的な理由を伝えましょう。また、第一志望でない場合は、企業の志望度で迷っていることを説明すれば、面接官も好印象を持って納得してくれます。
面接の嘘つき大会に参加するデメリット
就活の面接では嘘をつく学生も少なくありませんが、周りと同様に自分も嘘つき大会に参加したほうが良いのでしょうか。
ここでは、嘘つき大会に参加するデメリットを解説します。
【面接の嘘つき大会参加デメリット1】気づかれる可能性がある
面接の嘘つき大会に参加するかどうかは自分次第ですが、面接で嘘をつくと面接官に気づかれる恐れがあります。「知らないからバレない」と思うかもしれませんが、面接官は数多くの就活生と面接を行っており、話し方や態度などから見抜くこともあります。
また、深掘りの質問で話の内容に一貫性がないと、「嘘をついているのでは?」と見抜かれ、評価を下げられる可能性があるため、面接で嘘をつくのはおすすめできません。
【面接の嘘つき大会参加デメリット2】不安を抱えて就活することになる
たとえ一次面接や二次面接での嘘が見抜かれなかったとしても、その後の最終面接などに臨む際は「最後になって嘘がバレたらどうしよう…」と不安を抱えるかもしれません。
また、嘘をついた罪悪感がストレスになり、その後の就活でも自分らしく話すことができなくなる可能性もあります。嘘をついていない状況でも、「深掘りされたらどうしよう」とネガティブに考えてしまう学生もいるため、面接では嘘をつかず自分らしく回答するのが大切です。
【面接の嘘つき大会参加デメリット3】内定取り消しのリスクもある
面接の嘘つき大会に参加し、最終面接を通過できたとしても、内定取り消しのリスクがあることを把握しておきましょう。例えば、TOEICなどの点数で嘘をつき、証明書の提出を求められて嘘が発覚するケースもあります。
基本的に企業から取り消しをすることはできませんが、経歴詐称などは正当な理由となり、内定が取り消される可能性があることを把握しておきましょう。
【面接の嘘つき大会参加デメリット4】入社できても早期退職につながることも
面接で嘘をついた学生が内定を承諾し、無事に入社できたとしても、早期退職につながる可能性があります。嘘をついた企業に入社すると、入社してからも嘘がバレないように嘘をつき続けることになるでしょう。
自分の経験や実力、適性に合わない仕事を任されることになると、企業とのミスマッチを感じ、早期退職することになるかもしれません。就活では自分にマッチした企業を探すことも大事なので、見栄を張らず自分らしくアピールすることが大切です。
面接の嘘つき大会に参加せずに就活をするには
面接をはじめ、嘘をつかずに就活をするためには、どういったことをしておいたほうが良いのでしょうか。
ここでは、就活で後悔しないために大事なことを3つ紹介します。
【嘘をつかずに就活するには1】自己分析・企業研究を深める
自分に合った企業を見つけ、自分の魅力をしっかりとアピールするためには、自己分析と企業研究が欠かせません。
自己分析では自分の強み・弱みや価値観だけでなく、就活の軸を見つけることができ、企業選びの際に重視するポイントを把握できます。そして、企業研究や業界研究を行うことで、福利厚生や給与以外に魅力に感じる企業を見つけることが可能です。
自己分析や企業研究などをしておけば、自己アピールや志望動機などを魅力的かつ正直に伝えられるため、就活生は必ず行っておきましょう。
自己分析がまだ済んでいない方や、あらためて自己分析を行いたい方は、キミスカの自己分析ツールを活用してみてください。
【嘘をつかずに就活するには2】自分らしさを大事にする
就活生のなかには話の内容を誇張したり嘘をついたりする人もいますが、面接官が重視しているのは話のインパクトではなく応募者の人柄です。
たしかに、大会などで優勝した経験などがあると優秀な人材に思えるかもしれません。しかし、面接官は「応募してきた学生がどんな人なのか」「一緒に働くイメージが湧くかどうか」「自社の社風に合いそうか」といったことを見ているため、自分らしい回答を心がけましょう。
【嘘をつかずに就活するには3】嘘と建前の違いを理解する
嘘をつかずに就活を進めるためにも、嘘と建前の違いを理解しておきましょう。「嘘」が人を陥れるため使われるものであるのに対し、「建前」には相手を不快にさせたり騙したりする意図はありません。
ビジネスの場でも、嘘ではなく建前を使って商談や仕事を進めるシーンは多いため、今のうちに嘘と建前の違いを把握しておいても良いでしょう。
面接の嘘つき大会に参加するかどうかはあなた次第!
就活は学生と企業が互いにマッチするかどうかを確かめる場です。応募者を採用するかどうかは企業が判断しますが、内定を承諾するかどうかは学生が選ぶことができます。
たとえ面接が嘘つき大会だと思っても、自分の人生に関わることなので、全力で臨むことが大切です。「面接で嘘をついたほうがアピールできるのでは?」と思うかもしれませんが、さまざまなデメリットもあるので、建前などを使いつつ正直に自分らしい就活を心がけましょう。