
学生の中には「面接を受けている時にメモを取って良いの?」と疑問に思う方は少なくありません。しかし、結論からお伝えすると面接時にメモを取るのは避けた方が無難です。
本記事では面接中のメモを控えるべき理由をはじめ、どうしてもメモを取りたい場合の方法や、メモに関する学生のよくある質問をQ&A形式で紹介。またオンライン面接でのメモについても解説しているので、メモに関して気になる方は参考にしてみてください。
面接中はメモを取らないのが基本
新卒面接の場で「メモを取ってもいいの?」という疑問を持つ就活生は少なくありません。結論からいうと、面接中に積極的にメモを取る行為は、特別な理由がない限り避けておきましょう。
面接で大切なのはコミュニケーションなので、メモを取ることで時間が短くなってしまったり会話の流れが止まってしまうのはもったいないのです。
面接が終わったら選考内容をメモしよう
面接中のメモは控えておきたいですが、面接が終わった直後の振り返りは非常に重要です。面接で聞かれた質問とその回答、面接官の雰囲気、会社の印象などを詳細にメモしておくことで、自己分析を深め、今後の就職活動に活かすことができます。
また、面接中に聞き逃してしまったことや、後で確認しておきたい事項なども早めに記録しておきましょう。
面接中にメモを取るのが推奨されていない3つの理由
ここからは、面接中にメモを取らない方が良いとされている理由をさらに詳しく解説していきます。
1. 会話の流れを悪くする
面接中にメモを取っていると質疑応答の流れが悪くなるため、できるだけ控えた方が良いでしょう。
例えば、面接官との質疑応答中に細かくメモを取ろうとすると、会話のテンポが悪くなるだけでなく面接官に「話を聞いていないのかな?」という印象を与えかねません。
また、メモを取ることに集中するあまり、面接官の表情や声のトーンといった、言葉以外の重要な情報を見落としてしまう可能性も否定できません。円滑なコミュニケーションは、お互いの理解を深める上で不可欠であり、メモを取ることでその流れを滞らせてしまうのは避けるべきでしょう。
2. 相手の話を遮る可能性がある
面接担当者に失礼な印象を与えないように「メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と事前に確認したとしても、面接中にメモを取るという行為自体が、面接官の話を遮ってしまう可能性があります。
面接官が熱意を込めて話している最中に、学生が下を向いてメモを取っている様子は、話を聞く姿勢として決して好ましいものではありません。
また、集団面接の途中でメモをとると質疑応答のテンポを崩してしまったり、他の就活生の貴重な面接の時間を奪ってしまう可能性があります。
面接時間は限られているので、メモを取ることで面接官の話を中断させてしまうのは自身の印象を悪くするだけでなく、アピールの機会を失うことにも繋がりかねません。
3. 頼りない印象を与えてしまう
面接中にメモを取る行為は、面接官に「話を聞いてもすぐに忘れてしまうのではないか」「自分で情報を整理する能力が低いのではないか」といった、頼りない印象を持たれてしまう可能性があります。
メモを取ることに気を取られて面接官とのアイコンタクトが減ってしまうことも、自信がないような印象を与える要因となります。
「重要なことはメモしておきたい」という気持ちは分かりますが、面接の場においては、相手の言葉をしっかりと聞き、その場で理解しようと努める姿勢を示すことの方が重要といえます。会話の内容を記憶しておくためには、面接後すぐに振り返るなどの工夫をするようにしましょう。
面接でメモを取る時のマナーと注意点
面接中にどうしてもメモを取る必要がある場合は、面接官に一声かけるのがビジネスシーンでのマナーです。
ここからは詳しく、面接中のメモに関するマナーについて解説していきます。
1. 必ず面接官に許可を得る
面接中にどうしてもメモを取りたい場合は、必ず面接の開始前、またはメモを取りたいと感じたその瞬間に、「恐れ入りますが、〇〇についてメモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と面接官に丁寧に確認してください。
採用担当者に許可を得ずに、いきなりメモ帳を取り出して書き始める行為は面接官に不快感を与え、あなたの評価を下げてしまう可能性があります。自己判断でメモを取るのではなく、必ず一声かけるようにしましょう。
2. 短時間で要点のみを記録する
面接において最も重要なのは、面接官とのコミュニケーションです。メモを取ることに集中するあまり、面接官の話を聞き漏らしたり、質問の意図を正確に理解できなかったりするのは本末転倒です。
もしメモを取る許可を得られたとしても、できる限り短時間で、キーワードや要点のみを簡潔に記録するように心がけてください。
細かくメモしていると面接の流れを妨げるだけでなく、面接官にマイナスな印象を与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
3. ポケットサイズのメモ帳を使用する
面接で使用するメモ帳は、手のひらサイズ程度のできるだけコンパクトでシンプルなものを選ぶようにしましょう。
ビジネスシーンにふさわしくない派手な色や柄のメモ帳、キャラクター柄、大きすぎるサイズのメモ帳は避けるべきです。長年使用していてボロボロになっているようなメモ帳も清潔感に欠けるため避けておくと安心です。
また、メモを取る際に使用する筆記用具も静かに書けるシンプルなものを選ぶように配慮してください。
4. 面接官に質問されている時はメモを取らない
面接官があなたに質問をしている最中は、メモを取るべきではありません。質問に耳を傾けずにメモを取る行為は、面接官に「話を聞いていない」「集中力がない」という印象を与えかねません。
まずは面接官の質問をしっかりと理解し、的確に答えることに集中しましょう。もし、後でメモしておきたい重要なキーワードやポイントがあった場合は、回答した後、次の質問に移るまでの短い間に、簡潔にメモするように心がけてください。質問中は、面接官とのアイコンタクトを保ち、真摯な姿勢で臨むことが何よりも重要です。
5.スマホのメモ機能・スケジュール帳は使わない
スケジュール帳やメモ帳は使っておらず、全てスマホで完結させている方も多いのではないでしょうか。面接中にメモを取る時も普段通りにスマートフォンを使いたいところですが、要注意です。
ビジネスシーンや選考・面接などの大切な場面では、スマートフォンの使用自体がマイナスな印象を与えてしまうこともあります。
就職活動が本格化する前にスケジュール帳やメモ帳を準備して、選考の際にはそちらを使うようにしておくと安心です。
6. メモを見ながら面接を受けない
事前に準備した回答や企業に関する情報をメモに書き出し、それを見ながら面接を受けるのは避けましょう。
面接は、あなたの言葉で、あなたの考えを伝える場です。メモを読む行為は、面接官に「自分の言葉で話せない」「コミュニケーション能力が低い」という印象を与えてしまいます。
また、メモに視線を落とすことで、面接官とのアイコンタクトが減り、自信がないような印象を与えてしまう可能性もあります。面接に臨む際は、事前にしっかりと準備し、自分の言葉で堂々と話せるように練習しておくことが重要です。
メモを取っても良いタイミングとは?
面接中は基本的にメモはとらないようにしましょうと説明してきました。しかし、あるタイミングではメモを取ることがマイナスに繋がりにくい場面もあります。ここからはその例外的な状況について解説していきます。
▼今後の選考の流れ
・面接日程
・合否の連絡日
・必要な提出書類について
・応募期日…など
▼勤務形態や就業規則
・具体的な勤務時間
・給与
・休日
・福利厚生…など
今後の選考スケジュール
面接の最後に、今後の選考スケジュール・次の選考ステップ・応募書類の期日などの重要な情報が伝えられることがあります。
選考に関する情報は正しく覚えておく必要があり、これらの重要な情報をメモすることは企業側も理解を示してくれることが多いと考えられます。
メモを取る際には「今後の選考の流れについて、一部メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と一言確認することが大切です。
勤務形態や就業規則
企業側から労働条件に関する詳細な説明があった場合は、メモを取ることを検討しても良いでしょう。
勤務形態などの細かな情報については、曖昧な記憶なると入社後に「思っていたのと違う」とトラブルになる可能性もあります。そのため、面接後に再度確認したい内容は、面接官に「これらの点について、メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と一声かけてからメモしましょう。
WEB面接で要注意!メモを取る時の注意点
オンラインでのWEB面接では、対面面接と異なる注意点があります。WEB面接前に必ずチェックしておきましょう。
1. メモを見ながら話さない
オンラインでのWEB面接は、対面での面接と比較して手元が画面に映りにくいという特性があります。そのため、「バレないだろう」と、事前に用意したメモを見ながら話そう就活生もいます。しかし、メモを見ながら話すのはやめましょう。
不自然にカメラから目線が外れたり声が棒読みになったりすることで、面接官にはすぐに分かってしまいます。そうすると「コミュニケーション能力が低い」「自分の言葉で話せない」というマイナスの印象を与え、評価を下げる要因となります。
WEB面接であっても面接官の目を見て、自分の言葉で誠実に話すことが重要です。
2. メモを取る前に一声かける
WEB面接は対面での面接よりも気軽にメモを取りやすいと感じるかもしれませんが、無断ではメモを取らないようにしましょう。
対面の場合と同様に、WEB面接が始まる前またはメモを取りたいタイミングで「恐れ入りますが、〇〇についてメモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と一言面接担当者に声をかけるようにしましょう。
この一声があるだけで、あなたの丁寧さや配慮が面接官に伝わり好印象に繋がる可能性もあります。
面接官が選考中にメモを取らないのは不採用フラグ?
面接中に採用担当が熱心にメモを取っていると「これは合格のサインかもしれない」と感じる学生もいるかもしれません。しかし、面接官のメモの有無と合否は直接結びつくものではありません。
採用担当が全くメモを取らなかったとしても、落胆する必要はありません。
面接官がメモを取る理由
面接官がメモを取るのには、いくつかの意図が考えられます。まず、学生の回答内容や発言の重要なポイントを記録し、後で選考担当者に情報を共有するためです。
また、面接中に気になったことや選考基準に照らし合わせて確認しておきたい事項などをメモしておくこともあるでしょう。
あなたが逆質問した内容にすぐに回答できず「確認してからまたご連絡いたします」と面接担当者に言われた場合、質問の内容をメモしている可能性もあります。
面接官がメモを取らない理由
一方で、面接官が必ずしもメモを取るとは限りません。面接官それぞれのスタイル、選考の段階、企業の文化などによって、メモを取らない理由も様々です。
例えば、ある程度の経験があり、学生の回答を聞いただけで評価のポイントを記憶できる面接官もいます。また、学生の表情や雰囲気、熱意といった、言葉以外の要素を重視している場合や、一次面接のように大人数を相手にする場合など、時間的な制約から詳細なメモを取る余裕がないというケースも考えられます。
そのため、面接官がメモを取らないから不合格であるとは限りません。大切なのは、面接官の行動に一喜一憂することなく、自身の考えや熱意を誠実に伝え、精一杯アピールすることです。
面接マナーとメモに関するQ&A
ここでは、面接におけるメモの使い方やマナーについて、就活生のよくある質問と回答をQ&A形式でご紹介します。疑問を解消して、安心して面接に臨めるようにしましょう。
Q1. 面接中メモを取らないと評価が下がる?
面接中にメモを取らないことが直接的に評価を下げる要因になることはありません。むしろ、メモを取ることに気を取られて面接官とのコミュニケーションが疎かになったり、会話のキャッチボールがうまくいかない方が、評価を下げる可能性は高くなります。
大切なのは、面接官とのコミュニケーションとあなたの魅力をしっかり伝え切ることです。
Q2. 面接官がメモを取らないと不合格?
面接官がメモを取らないからといって、不合格が確定するわけではありません。面接官にはそれぞれのスタイルがあり、メモを取ることを重視しない面接官もいます。
また、経験豊富な面接官であれば、ある程度の時間話を聞けば、合否の判断がついている場合もあります。面接官の反応は気になりますが、選考では自分の力を最大限に発揮できるように面接対策をしましょう。
Q3.面接にメモ帳の持ち込みは禁止?
採用活動を行っている企業で、学生のメモ帳持ち込みを禁止するケースはほとんどありません。しかし、メモ帳を持ち込むことと、面接中にメモを取ることは別の問題です。
メモ帳を持参すること自体は問題ありませんが、面接中にメモを取る際には面接官の許可をとりましょう。また、メモする内容は必要最低限に留めるように心がけてください。
Q4. 逆質問の答えはメモしたほうがいい?
逆質問に対する面接官の回答は、基本的にメモを取る必要はありません。逆質問は、あなたが企業に対して積極的に関心を示し、理解を深めようとする姿勢をアピールする絶好の機会です。
回答をメモすることに気を取られるよりも面接官の目を見て話を聞いたり質問を深掘りしたりするなど、より深いコミュニケーションを目指しましょう。
面接でのメモは最小限にしておこう
面接中にメモを取る行為は、状況によってはマイナスの印象を与えかねません。勤務体制や今後の選考に関する重要な情報をメモしたい場合は、必ず面接官に許可を得て、簡潔に記録するように心がけましょう。
最も大切なのは、面接官とのコミュニケーションに集中し、あなたの熱意や能力をしっかりと伝えることです。この記事で解説した注意点を参考に面接準備や対策を進めていきましょう。