専門商社(卸業)は、鉄鋼、機械・半導体、繊維、化学、食品、医薬品、日用品、燃料・エネルギーの大きく分けて8つの業種に分かれます。
今回は食品の専門商社にフォーカスしていきたいと思います!

専門商社勢の中で食品専門商社(食品卸業)はどのような立ち位置か?

専門商社業界売上高&シェアランキング TOP10(平成25年~26年)では、食品卸企業は3位に三菱食品がランクインしましたが、医薬品、鉄鋼の専門商社勢が10位以内のほとんどを占めています。医薬品、鉄鋼は売上高1兆円以上・営業利益100億円以上の企業がそれぞれ5社ほどあるのに対して、食品卸は3社(三菱食品、日本アクセス、国分)です。(国分は営業利益100億以下です。)

食品卸業界の動向→旧財閥系のみならず地方有力卸企業も経営統合

ここ数年の間に、食品専門商社はM&Aによる業界再編がおこなわれました。1位の三菱食品は、三菱系食品子会社4社を2012年に合併。2位の日本アクセスは2006年に伊藤忠商事の子会社化。3位の国分はグループ会社と経営統合し、規模を拡大しました。13年には、地方の食品卸大手3社(旭食品、カナカン、丸大堀内)が経営統合しトモシアホールディングスを発足、食品卸業界5位に躍り出ています。

食品卸売業の仕事内容は?

食品卸売業の役割は、
①商流 : 商品の売買によって商品の所有権が移転していく(メーカーから小売りへ)商売の流れ
②物流 : 保管・加工・輸送など生産者(メーカー)から消費者にわたるまでの物の流れ
です。メーカーと小売業の間に立ち、それぞれの要求に応えなければならない職でもあります。
メーカー側は「より多くの商品を大量に売りたい」、「得意先を見つけて売上高の安定を図りたい」という要求、小売業側は「ローコストで仕入れたい」、「必要な分だけ仕入れたい」という要求があります。その要求のバランスをとることはもちろん、メーカーには消費者が求めている商品の情報を提供したり、小売業には商品を売るために売場の企画・提案をしたりと、付加価値をつけた卸売をします。
他にも、リテールサポート、食品安全管理、需給調整、代金回収、物流効率化など、メーカーと小売業の仕事を一部代行することによりそれぞれの負担を減らしていくことも重要な仕事です。

食品卸はただの仲介役ではなく付加価値が求められる。

これはどんな商材を扱っていてもいえることですが、ただ仲立ちをするのではなく、付加価値が求められる仕事です。取引先であるメーカー・小売業との取引は密であり、それぞれから信頼される人材として活躍したい!食品卸業の付加価値の追求をしたい!という方にはおすすめの業界です。