面接で健康状態を聞かれた時はどうすれば?適切な回答・注意点を紹介

就活の面接では、まれに健康状態について聞かれることがあり、「病気や怪我があると落とされるのでは?」と心配になる就活生もいるでしょう。

そこで今回は、面接で健康状態を聞かれたときの適切な回答をケース別に紹介します。また、学生の健康状態を尋ねる企業側の意図や回答時のポイント・注意点も解説するので、不安を抱えている学生はぜひ参考にしてみてください。

面接で健康状態を尋ねる企業側の意図とは

就活の面接では、自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などの質問が定番ですが、企業によっては就活生の健康状態を尋ねることがあります。ただ、学生のなかには「個人的なことだから答えたくない」「就活と関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

そもそも、企業はなぜ応募者の健康状態について尋ねるのでしょうか。ここでは企業の質問意図を紹介します。

【面接官が健康状態を聞く意図1】業務に支障がないが確かめるため

就活生に健康状態を尋ねる大きな理由の一つが、業務に支障がないかどうかを確かめるためです。

仮に、健康状態を知らないまま身体や精神の状態が不安定な学生を採用した場合、欠勤が多かったり業務が滞ってしまったりと、企業にマイナスの影響を与える可能性があります。また、車の運転や機器の操縦などが必要な業務では、重大な事故につながる危険性もあるでしょう。

病気や怪我の状態によっては、業務効率だけでなく周囲を巻き込む事故につながる可能性もあるため、企業は応募者の健康に問題がないか確かめています。

【面接官が健康状態を聞く意図2】体調管理できる人材か確認するため

体調管理や自己管理のできる人材かどうかを確かめるために、企業は健康状態について質問している可能性もあります。というのも、長く勤めるためには自身の健康を気遣い、規則正しい生活習慣を心がけることがベースとなるためです。

特に生活習慣病は食事や睡眠、運動などで健康状態を維持・改善できるため、健康状態に関する質問を通じて、応募者が体調管理できる人材かを見極めています。

面接で健康状態について聞かれたときの回答例

面接では健康状態に関する質問をされる可能性がありますが、応募者である就活生はどのように回答すれば良いのでしょうか。

ここでは、「問題がない場合」「病気・怪我がすぐに治る場合」など、状態別に回答例をまとめています。適切な回答ができるか心配な方は、例文を参考にご自身の健康状態に合った回答を考えてみてください。

【面接で健康状態について答える例文1】問題がない場合

自身の健康状態が良好な場合は、「特に問題はありません」と答えても構いませんが、以下のように伝えるのがおすすめです。

健康状態に問題がない場合の回答例

心身ともに良好です。
大学に在学中の3年間は、一度も病院に行ったり薬を飲んだりすることはありませんでした。

例文のように具体的な話を盛り込んだり、自己管理ができていることを伝えたりすれば、より印象に残るアピールができるでしょう。

【面接で健康状態について答える例文2】病気・怪我がすぐに治る場合

続いて、すぐに治る程度の病気や怪我がある場合の例文を紹介します。

病気・怪我がすぐに治る場合の回答例

昨年、鎖骨を骨折し現在は治療中ですが、あと2ヶ月ほどで完治するため特に問題ありません。

病気や怪我を治療中の場合は、例文のように「いつ治るのか」を伝えるのがポイントです。もしも入社後も通院が必要な場合は、勤務時間外に通院する予定なのか、業務に支障をきたさないのか、正確に伝えましょう。

【面接で健康状態について答える例文3】業務に支障をきたしそうな場合

業務に支障をきたす恐れがある場合は、以下のように伝えましょう。

業務に支障をきたしそうな場合の回答例

足に持病があるため、2時間以上の歩行が必要な業務は難しいと思います。

業務に支障をきたす病気・怪我がある場合は、正直に伝えましょう。選考で落とされるかもしれませんが、嘘をついて採用されても長く働けない可能性があります。ミスマッチは企業と就活生の双方にメリットがないため、健康状態は嘘をつかず正直に答えることが大切です。

【面接で健康状態について答える例文4】過去にかかった病気がある場合

最後に、これまでにかかったことがある病気「既往歴(きおうれき)」を伝える際の例文を紹介します。

既往歴を伝える場合の回答例

現在は特に問題ありませんが、過去に気胸の治療を行っていました。再発の可能性があるため、飛行機など外気圧の変化が生じる行動は控えたいです。

上記は業務に支障が出る場合の例文ですが、業務に支障がない場合は過去の病歴を伝える必要はありません

面接で健康状態を伝えるときのポイント

ここからは、面接で自分の健康状態について答えるときのポイントを紹介します。

【面接で健康状態を伝えるときのポイント1】正直に答える

面接官に「あなたの健康状態について教えてください」などと聞かれた場合は、正直に答えるようにしましょう。企業は業務に支障がないかどうかを確かめたいと考えているためです。

たとえ病気・怪我があったとしても、症状や状態によっては業務に影響を及ぼさない場合もあります。応募者の健康状態について把握し、業務を任せられるかどうかを確かめているため、ミスマッチを防ぐためにも正直に答えましょう。

【面接で健康状態を伝えるときのポイント2】持病への向き合い方を伝える

自分の中で「業務に支障が出そう」と思っている病気・怪我があったとしても、伝え方によっては面接を通過できる可能性があります。特に正直に伝えることはもちろん、持病への向き合い方を伝えることが重要です。

例えば、通院が必要な人であれば、「勤務時間外に通院できるか医師に相談する予定です」と伝えることで、業務に影響が出ないことをアピールできます。また、症状が出ないよう食事や運動といった生活習慣に気を遣っていることを伝えれば、「体調管理ができている」「入社後も問題なく働いてもらえそう」と思ってもらえるかもしれません。

就活での健康状態に関するQ&A

最後に、健康状態に関する就活生のよくある疑問にお答えしていきます。ES(エントリーシート)や履歴書に記載する場合や、健康診断書の提出が必要かどうか、伝える必要がない病気・怪我について、確認していきましょう。

【就活での健康状態に関するQ&A1】ESや履歴書に書いた方がいい?

業務に支障が出なかったり、応募書類に健康状態に関する設問がなかったりする場合は、わざわざ記載する必要はありません。仮に設問で聞かれている場合は、以下のように記載しましょう。

履歴書に記載する場合の例

健康な場合:「良好」
業務に支障がない程度の持病など:「良好」
業務に支障をきたす恐れがある場合:早退の可能性や通院の頻度などを明記する

ESに健康に関する記入欄がある場合の書き方や注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。書くべきこと・書く必要がないことを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

エントリーシートの健康状態欄は何を書く?書き方と内容を徹底解説

【就活での健康状態に関するQ&A2】健康診断書を求められることもある?

企業によっては、応募者に健康診断書の提出を求めることがあります。基本的には内定後に提出が求められますが、最終面接の段階で提出が必要なケースも少なくありません。

病気や怪我を隠して面接で「問題ありません」と答えている場合、健康診断書で嘘がバレる可能性もあるため、正直に答えるようにしましょう。

なお、以下の記事では健康診断書の提出について解説しています。取得方法や提出などについて詳しく知りたい方は、目を通しておきましょう。

就活で健康診断書の提出が求められた!取得方法や注意点を解説

【就活での健康状態に関するQ&A3】言わなくていいものは?

健康状態に関する質問で、「どこまで答えればいいの?」と疑問に思う学生もいるでしょう。業務に支障をきたすかどうかが基準になりますが、企業側に伝える必要がないものを以下にまとめたので、参考にしてみてください。

伝える必要がないもの

花粉症
筋肉痛
まれな頭痛
PMS(月経困難症)
風邪
貧血
生理痛

軽度のアレルギーであれば伝える必要はありませんが、業務に関連していたり命に関わったりする可能性がある場合は必ず伝えるようにしましょう

面接で健康状態を聞かれたら正直に答えるのがベスト!

企業によっては、面接で「健康状態はどうですか?」と質問してくる可能性があります。「プライベートなことだから言いたくない」と思う人もいるかもしれませんが、企業は業務に支障をきたすかどうか、自己管理ができているかを確認しているため、正直に答えるようにしましょう。

自身の健康状態を話すときは、伝え方を意識するのがおすすめです。問題ない場合でも、「今まで重い病気にかかったことはありません」など、一言添えるだけで心身の健康をアピールできます。

このほか、健康状態に関して不安な方は、本記事で紹介した内容を参考に面接での回答を考えてみてください。