志望動機の回答内容から、企業は応募者の入社意欲の高さを確かめています。しかし、志望動機に悩む学生は多く、企業理解が浅い状態で「~に魅力を感じました」と伝えてしまい、内定を逃してしまうこともあります。
そこで、今回は志望動機で「魅力を感じた」と伝える際の例文をはじめ、好印象を残しやすい言い換え例や伝え方のコツを紹介。志望動機で他の就活生と差をつけたり、面接対策の参考にしたりしてみてください。
志望動機「魅力を感じた」の例文5選
企業のどこに魅力を感じたのかは人それぞれ異なります。しかし、志望動機で伝える「魅力に感じたポイント」は、大きく5つに分けられます。
商品やサービスをはじめ、企業理念や事業内容、社内体制など、学生が志望動機で伝えやすい企業の魅力について、それぞれ例文を見ていきましょう。
【志望動機の例文1】商品・サービスに魅力を感じた
私が貴社を志望する理由は、服作りのプロセスにこだわり、倫理的かつ持続可能な方法で製品を提供している貴社に魅力を感じたからです。
幼い頃からファッションが好きな私は、大学で服飾学科を専攻し、ファッションを通じて人々に喜びをもたらしたいと考えていました。しかし、製造コストの削減が発展途上国の労働者や環境に負担をかけている現実を知り、この問題に対する解決策を模索するようになりました。
その結果、フェアトレードに取り組む貴社の理念と実践に強く引かれ、貴社が展開する持続可能なファッションのあり方に深く共感しました。私の目標は、倫理的かつ環境に配慮した服作りを実現することで、ファッション業界の良い変革に貢献することです。貴社の店舗作りやプロセスに携わることで、自分の価値観と実践が一致する環境で成長したいと考えています。
貴社に入社できましたら、大学で学んだデザインやカラーコーディネートの知識を活かし、商品を手に取った人々に喜びを届けるだけでなく、服作りのプロセスに関わる全ての人々の笑顔も作り出したいと考えています。具体的には、フェアトレードの理念を体現した商品のデザインやプロモーションに貢献し、持続可能なファッションの普及に寄与したいと思っています。
こちらの例文は、以下の記事で紹介している志望動機をベースに作成しています。
【志望動機の例文2】理念・社風に魅力を感じた
私は貴社の「お客様とともに成長する」という企業理念に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。業界トップでありながらお客様のニーズを汲み取り、より高品質なサービスを提供する貴社の姿勢は、私がアルバイトを通して学んだ「お客様のニーズを先周りして満たす」という信念と共通していると考えています。
実際に貴社のサービスを利用して「いかに利用者の利益を追求しているか」について身を以て実感し、私もお客様の生活をサポートしたいと考えるようになりました。貴社ではアルバイトで身につけた潜在ニーズへ先回りできる提案力を活かし、一人ひとりに合った提案ができる営業マンになります。
こちらの例文は、以下の記事で紹介している志望動機をベースに作成しています。
【志望動機の例文3】社員・社長に魅力を感じた
私が貴社を志望したのは、貴社で働く社員の方が自分の仕事について楽しそうに話す姿に魅力を感じたからです。私は、就活を通じてこれまでに30社のOB・OG訪問を行ってきましたが、その中でも貴社で働く◯◯さんの「仕事は全力でやるからこそ面白い」という言葉が印象に残っています。
私は家電販売のアルバイトをしていますが、お金を稼ぐことを目的にしていたので、仕事を楽しいと考えたことはありませんでした。しかし、OB・OG訪問で◯◯さんのお話を伺ってから、「今の仕事に全力で打ち込んでみよう」と考えるようになりました。その結果、アルバイトの中で1番の売上成績を達成し、時給も上げていただけましたが、それ以上に仕事を頑張るやりがいや面白さを強く感じるようになりました。
貴社では社員のやる気や積極性が評価され、社員一人ひとりが熱意を持って業務に当たっていると伺っています。貴社に入社できましたら、私も全力で業務にあたり仕事の面白さを感じ続けたいと考えています。
【志望動機の例文4】事業・業務内容に魅力を感じた
私が貴社を志望する理由は、その戦略的かつ革新的なアプローチに深く魅力を感じているからです。
同社は、クライアントのビジネス課題に対して、業界の深い知識と実践的な戦略を用いて効果的なソリューションを提供しています。また、デジタルトランスフォーメーションや業務改善などの最前線で活躍しており、企業の成長に貢献する姿勢に共感しています。このような環境であれば、自己のスキルを最大限に活かし、実際のビジネス課題に取り組む機会が得られると考えています。
大学時代には、ビジネスプロセスの改善プロジェクトに参加し、データ分析や戦略立案を通じて業務の効率化を実現しました。この経験から、問題解決における戦略的思考と実行力の重要性を学び、実際のビジネス環境でも通用するスキルを養いました。
今後はさらに高度な戦略的スキルを身につけ、クライアントの成功を支援し、自らの成長を実現したいと考えています。また、多様なプロジェクトを通じて、革新的な解決策を提供する一員として貴社に貢献できるよう精進してまいります。
こちらの例文は、以下の記事で紹介している志望動機をベースに作成しています。
【志望動機の例文5】社内の体制に魅力を感じた
私が貴社を志望する理由は、独自のソフトウェア開発力と高い技術力を持ちながら、働きやすい職場環境を提供している点に強く魅力を感じているからです。
教育や医療など多岐にわたる分野でソフトウェアを提供し、社会に大きな影響を与えています。また、従業員の働きやすさや成長を重視する企業文化も魅力的で、自分自身のスキルを高めながら、社会貢献を果たせる環境だと考えています。具体的には、教育や医療分野においてユーザーのニーズに即したソリューションを提案し、実現することに挑戦したいと考えています。
学生時代には、教育支援システムの開発プロジェクトに参加し、ユーザーのニーズに応じた機能の実装に取り組みました。この経験を通じて、技術力だけでなく、ユーザー視点の重要性を学びました。貴社のミッションには、ユーザー中心のアプローチや社会貢献が掲げられており、私の学びと一致しています。貴社の企業文化が、従業員の働きやすさや成長を重視していることも、私にとって魅力的です。
貴社でなら、私が学んだ金融の知識を活かし、日本経済の発展に寄与できると確信しています。そのため、貴社を志望いたしました。
志望動機で「魅力を感じた」を伝える際のコツ
ここからは、志望動機で魅力に感じたことを伝える際のコツについて紹介しますが、まずは就活生の志望動機から企業がチェックしていることを把握しておきましょう。
応募者の人柄や価値観
自社のどんなところに魅力を感じたのか
応募者がどんなキャリアプランを描いているのか
入社後に活躍してくれそうな人材か
これらのポイントを踏まえて、できるだけ端的にわかりやすく伝えるフレームワークとしてPREP法を活用するのがおすすめです。PREP法は、結論・理由・具体例・結論の順に伝える手法のことで、相手は論理的に理解しやすくなります。
それでは、PREP法を活用した伝え方について、以下を確認していきましょう。
【志望動機「魅力を感じた」伝え方のコツ1】はじめに結論から伝える
まずは、「私が貴社を志望した理由は◯◯に魅力を感じたからです」と結論から伝えましょう。最初に結論を伝えることで、相手は質問に対する答えを先に把握できます。
反対に、志望した理由を最後に伝えてしまうと、相手はどういう展開で話が進んでいくのかが予測できません。これでは「話すのが苦手なのかな」とマイナスの印象を持たれる可能性もあるため、志望動機を伝える際は最初に結論から述べるようにしましょう。
【志望動機「魅力を感じた」伝え方のコツ2】具体的な理由を説明する
なぜ魅力に感じたのかを説明するために、根拠となるエピソードや背景を伝えましょう。誰でも言えそうな理由を伝えてしまうと、あなたの人柄や価値観が見えにくく、説得力を持たせられません。そのため、具体的な理由を説明する際は、できるだけ実体験に基づいたエピソードや背景を伝えましょう。
またエピソードと自分の体験や学びをリンクさせるために、あらかじめ自己分析を行っておくことをおすすめします。自己分析の方法は自分史やモチベーショングラフの作成、他己分析などがありますが、キミスカの自己分析ツールを試してみてください。
オンライン上で質問に答えていくだけで、自分の強み・弱み、長所・短所、適職診断などが出力されます。ES(エントリーシート)や面接といった選考対策に役立つだけでなく、自分の就活の軸を見つけることにもつながるため、まだ自己分析が終わっていない方はぜひ活用してみてください。
【志望動機「魅力を感じた」伝え方のコツ3】入社後の展望を伝える
最後は再び結論を伝えますが、入社後の展望に関する内容で締めるのがおすすめです。というのも、ただ志望した理由を述べるだけでは企業側の印象に残りにくいためです。
例えば、「入社後は私の強みを活かして、貴社に貢献したいです」のように、入社後のビジョンを伝えて入社意欲の高さをアピールしましょう。
志望動機にぴったりな「魅力を感じた」の言い換え例
志望動機で「魅力を感じた」と表現すると、しっくりこないこともあるでしょう。また、「魅力を感じた」は他の就活生も多用する表現なので、気になる方は以下を参考に言い換えてみてください。
・~にやりがいを感じました
・~に引かれました
・~に貢献したいと考えています
・~が実現できると感じています
・~に挑戦したいです
・貴社の〜が自分を成長させる好機だと考えています
こうした言い換え表現をすることで、他の就活生との差別化を図れるため、企業側の印象に残る可能性があります。このほか、「思いました」は「考えました」に言い換えるなど、一つ一つの表現にこだわってみるのもおすすめです。
志望動機に関する就活生のよくある質問
最後に、志望動機に関する学生のよくある疑問を解消します。
【志望動機に関するQ&A1】魅力に感じた点が見つからないときは?
企業を志望した理由は、具体的であるほど入社意欲の高さをアピールできますが、「どうすれば具体的に伝えられるの?」「魅力に感じた部分が見つからない」という方もいるでしょう。
魅力に感じた点を明らかにするには、業界研究と企業研究を行う必要があります。他の企業にも言えることを志望動機で伝えてしまうと、「入社意欲が低いのかな」と思われかねないため、その企業ならではの特徴を把握しておきましょう
なお、企業研究を行う場合は、以下の要素をベースにチェックしてみましょう。
・理念
・社風
・特徴・強み
・目標
・業務内容
・直近の取り組み
【志望動機に関するQ&A2】避けるべき内容はある?
よくある志望動機は、会社の理念や社風、社員、業務内容などに魅力を感じた点が挙げられますが、避けるべき内容もあるため注意が必要です。特に気をつけたいのは、福利厚生や待遇について。就活では正直に伝えるのがベストですが、福利厚生や待遇が志望動機になってしまうと、企業側に好印象を与えることはできません。
また、企業はできるだけ長く勤めてくれる人材を求めているため、退職や転職をイメージさせる内容にならないよう注意しましょう。
志望動機の例文を参考に自分が魅力に感じたことをまとめよう!
志望動機は入社意欲の高さをストレートに伝えられる質問です。魅力に感じたことなど、企業を志望した理由は人それぞれですが、好印象を与えるポイントは自分と企業の関連性をアピールすること。本記事を参考に、自己分析や業界・企業研究を行ったうえで、自分だけの志望動機を作成してみてください。