
面接で志望動機を聞かれたらどれくらいの長さで答えればよいのでしょうか。短すぎても熱意が伝わらない気がするし、長すぎても飽きられてしまいそうですよね。
この記事では面接官の心を掴むのに適切な志望動機の長さについて解説していきます。 個人面接と集団面接の場合に分けて、具体的な時間や例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
面接で志望動機を話す際の最適な長さとは?
面接で志望動機を伝えるときの適切な長さは面接の種類によって異なります。今回は1対1の面接と集団面接の2パターンについて解説していきます。
1対1の面接の場合:1分
個人面接では、1人に対して面接官が複数人いる場合もあれば、1対1でじっくりと話せる場合もあります。
いずれの場合も、1分を目安に簡潔に話せるように練習しておきましょう。なぜなら、面接官はあなたの人柄やポテンシャルなどを総合的に判断するために、自己PRやガクチカなど、様々な質問をするからです。面接は言葉のキャッチボールです。一度にすべてを話す必要はありません。複数の質問を通じて、自分のことを少しずつ知ってもらえればよいのです。
反対に志望動機が長すぎると、他の質問に割く時間が短くなってしまい、あなたを十分に理解してもらえない可能性があるので注意しましょう。
長さは1分前後、文字数換算すると300字ほどが目安になります。1分に収めるために、早口になることはなるべく避けましょう。
集団面接の場合:30秒~1分
集団面接では限られた時間の中で複数の就活生と同時に選考が行われます。そのため、個人面接よりもさらに簡潔に、30秒から1分を目安に志望動機を伝えられるように練習しておきましょう。文字数は150~300字ほどが理想的ですね。
1対1の面接と比べて、30秒で志望動機を伝えるにはより簡潔に話すことが求められます。沢山話したいことがある学生もいるかと思いますが、その気持ちはグッとこらえましょう。
指示がある場合は指示に従う
面接では、志望動機をどれくらい話してほしいかを定める目的で、「2分ほどで話してください。」などと企業が求めている場合があります。その場合、一対一面接、集団面接にかかわらず指示に従いましょう。
1分で志望動機を話す練習をあらかじめしておけば、「30秒で話して」と言われればその半分、「2分で話して」と言われればその2倍話せば良いのです。
志望動機が長いまたは短い時のデメリットとは?
面接において志望動機はあなたがその企業にどれだけ関心を持っているか、なぜその会社を選んだのかを伝える非常に重要な項目です。しかし、伝える内容や話し方に気を配らなければ、せっかくの思いが面接官に伝わらないこともあります。
例えば、志望動機が長すぎたり短すぎたりしたするとデメリットがあります。それについて詳しく解説していきます。
志望動機が長い時のデメリット2つ
沢山話せば、相手に伝えらえれる情報量は多いはずですが、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
要点が分かりにくい
多くの情報を詰め込みすぎることで、何が一番伝えたいことなのかがぼやけてしまい、面接官の印象に残りにくくなってしまいます。特に複数のエピソードや経験を盛り込むと、話が脱線しやすく、面接官が混乱してしまう可能性もあります。
ダラダラと長く話をしてしまうと、最も伝えたい部分がぼやけてしまい、面接官に「結局何が言いたいんだ?」と思われてしまう可能性があります。
飽きられてしまう
話が長いと面接官にまわりくどい、要点をまとめる力がないといったネガティブな印象を与えることもあります。企業が求めているのは、限られた時間の中で分かりやすく自分の考えを伝える力です。
人間の集中力は長くは続きません。長々と話せば話すほど、面接官は飽きてしまい、あなたの話を真剣に聞いてくれなくなってしまいます。面接では1人に割ける時間が限られているため、途中で飽きられたり、次の質問に移りたくなったりすることも。そうなってしまえば、せっかく考えた志望動機も十分に伝わらないまま終わってしまうことになりかねません。
志望動機が短い時のデメリット2つ
端的に話すべきだと色々な人がおっしゃっているけど、短くて何が悪いのでしょうか。志望動機が短い時のデメリットを2つ説明します。
熱意が伝わりにくい
短くまとめようとするあまり、一言で言い終えてしまうと、あなたの熱意が伝わりません。
話が簡潔であることは大切ですが、あっさりしすぎると、今度は「本当にこの会社に入りたいのか?」という疑念を持たれてしまいます。なぜこの会社に入りたいのか、なぜこの仕事がしたいのかというあなたの想いを伝えるためには、ある程度の時間が必要です。
具体性が不十分になってしまう
抽象的な内容だけで終わってしまうと、説得力に欠け、あなたの本気度が伝わらない可能性があります。短すぎると具体性にも欠ける傾向があります。なぜその企業なのか、自分の経験とどうつながっているのか、入社後にどのように活躍したいのかといった部分が伝わらず、他社でも同じようなことが言えるよねと評価されてしまうこともあるでしょう。
志望動機の基本構成
志望動機の基本的な構成方法を簡単に解説します。伝える情報の順番次第で、あなたの入社熱意や人柄の伝わり具合が大きく変わるので、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1. 結論(=志望理由)から話す
「なぜその企業を選んだのか」「なぜその仕事に興味を持ったのか」という結論を最初に伝えましょう。結論から話すことであなたが何を一番に伝えたいのかが分かりやすくなり、その後に話した内容の理解度も上がります。
企業研究で得た情報や、あなたの経験やスキルを交えながら話すと、より説得力が増します。
2. 自分を表すエピソードを話す
あなたの人柄や考え方をアピールできるようなエピソードを盛り込みましょう。具体的なエピソードを入れることで、あなたのことが鮮明に伝わり、企業側もあなたの人物像をイメージしやすくなります。
エピソードから、あなたの性格や価値観を探る質問が多くなされます。大事なのはエピソードそれ自体のインパクトではなく、エピソードの背景にあるあなたの考えです。事実よりも、その時あなたが何を考えていたのがどうか、具体的に書いてみましょう。
3. 入社後のビジョンを話す
「入社後、どのような仕事に取り組みたいのか」「将来はどのようなキャリアを築きたいのか」など、あなたの具体的なビジョンを伝え、志望動機を締めくくりましょう。
企業への貢献意欲を効果的に伝えることで、今後成長して活躍していく姿を示すことができます。
ステップ別:志望動機の書き方
志望動機は企業への熱意や、自分とのマッチ度を伝えるための大切なパートです。しかし、思いつきで書いてしまうと抽象的な内容になり、説得力に欠けてしまいます。そこで、以下の4つのステップで、誰でも納得感のある志望動機が作れるように構成を整えていきましょう。
ステップ1:自己分析で「自分の軸」を明確にする
まずは自分自身のことを深く理解することが志望動機作成の出発点です。自分がどんな価値観を持ち、どんなことにやりがいを感じるのか、どのような経験を通じて何を学んだのかを整理しましょう。
例えば、人と関わる仕事に魅力を感じる、専門性をつけてその道のプロになりたい、海外で働きたいなど、自分なりの判断軸を言語化しておくことが大切です。この「就活の軸」が明確になることで、志望企業との相性や伝えるべきポイントが自然と見えてきます。
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ステップ2:企業研究で「その企業ならではの魅力」を探す
企業研究を通じて、その会社に惹かれた理由を探ります。企業のホームページや採用情報、社員インタビュー、ニュース記事などを参考にしながら、この会社ならではの強みは特徴を見つけていきましょう。
企業理念や社風、研修制度にまで視野を広げて調べてみると、自分との共通点や興味を持てるポイントが見つかるはずです。このステップでは、他社でも言えるような抽象的な言葉ではなく、この企業ならではの理由を掘り下げることが重要です。
ステップ3:自分の経験と企業の魅力を「つなげる」
ステップ1と2で得た情報を組み合わせて、志望動機の核となる部分を作っていきます。つまり、自分の経験・価値観と企業の魅力を結びつけていきます。
例えば、学生時代に〇〇の経験を通して△△を大切にするようになった。御社は△△を大切にしているため、その方針に強く共感したといった形で、自分の背景と企業の魅力がつながるように意識しましょう。
この部分が明確になることで、志望動機に説得力が生まれ、この人は自社と相性が良さそうだと面接官から感じてもらいやすくなります。
ステップ4:入社後の「ビジョン」を盛り込む
企業は、入社後にどう貢献してくれるかを見ています。そこで、志望動機の中には入社後に挑戦したいこと、どのような姿で活躍したいかといった将来のビジョンを含めると効果的です。
たとえば、「将来的には〇〇の分野でリーダーとして活躍したい」といった具体的なものから、「まずは現場でしっかり経験を積み、そこから次に何をするか考えたい」といった抽象的なものでも構いません。前向きな意欲を伝えることで、熱意や成長意欲が伝わります。
志望動機が長すぎる場合の対策
志望動機を丁寧に伝えようとするあまり、気がつけば話が長くなってしまうというケースも少なくありません。しかし、面接の限られた時間の中では、要点を押さえて簡潔に伝える力も評価の対象となります。
志望動機がどうしても長くなってしまうという人に向けの対策を2つほど紹介します。
【志望動機が長すぎる場合の対策1】背景説明を省く
志望動機に直接関係のない説明が入っているせいで長くなっていないかを確認してみましょう。「なぜその企業を選んだのか」「なぜその仕事に興味を持ったのか」という結論から先に伝えると、 その後の説明が簡潔になり、要点を絞りやすくなります。
伝えたいことが沢山ある人も、優先順位が低い要素を話すことは諦めましょう。こうした要素は最初にすべて伝える必要はないのです。追加質問の中で、自分の伝えたいことを話せば良いのです。
【志望動機が長すぎる場合の対策2】簡潔な文言に言い換える
「~というように」「~という観点から」といった回りくどい言い回しは避けましょう。代わりに、「~なので」「~です」など、簡潔な言葉に置き換えることで、より分かりやすく伝えることができます。
志望動機が短すぎる場合の対策
シンプルにまとめようとするあまり、内容があっさりしすぎてしまい、企業への熱意や自分とのマッチ度が十分に伝わらないというケースも多く見られます。短い志望動機は一見コンパクトで好印象に見えるかもしれませんが、具体性や説得力が不足していると評価にはつながりにくくなってしまいます。
志望動機で1分も話せない、何を伝えれば良いかわからないという人向けの対策を3つほど紹介します。
【志望動機が短すぎる場合の対策1】エピソードを加える
あなたの経験やスキルをアピールできるようなエピソードを盛り込むことで、より具体的な説明が可能になります。抽象的な表現だけでは印象に残りにくいですが、自分自身の経験を交えて具体的に語ることで志望動機にリアリティが生まれます。
例えば、「学生時代に所属していたサークル活動で、リーダーシップを発揮して目標達成できた経験を活かしたい」というように、具体的なエピソードを入れると、より信憑性が増します。
【志望動機が短すぎる場合の対策2】企業の魅力を掘り下げる
なぜその企業で働きたいのか、企業研究を通して得た情報を交えながら説明しましょう。短い志望動機は、企業研究が浅く見えてしまうことがあります。そこでもう一歩踏み込んだ理由を伝えましょう。
たとえば「安定性に惹かれた」というだけでなく、「長年黒字経営を維持し、なおかつ働き方改革にも積極的に取り組んでいる点に共感した」など、具体的な事実をもとに企業の魅力を言語化すると、他社との違いがより明確になり、面接官にも強く印象づけることができます。
企業理念や事業内容、社風などに共感した点を具体的に伝えることで、あなたの熱意が伝わります。
【志望動機が短すぎる場合の対策3】入社後の具体的なビジョンを加える
入社後はどのような仕事に取り組みたいのか、将来はどのようなキャリアを築きたいのかなど、あなたの具体的なビジョンを共有することで、企業への貢献意欲を効果的に伝えることができます。
たとえば、「御社の法人営業職として、顧客の課題解決に寄り添いながら、自分の提案力を磨いていきたい」といった形で、自分のやりたいことと職種・企業の方向性を結びつけて伝えると、採用担当者に将来像をイメージしてもらいやすくなります。
【長さ別】面接の志望動機例文
志望動機の例文を30秒・1分・2分の3パターンで紹介します。文字数や話せる内容の密度がどれくらいなのか確認しましょう。
30秒の場合
貴社を志望した理由は、お客様の課題解決に貢献できると思ったからです。
私は大学時代、ITサークルでWebサイト制作を通して、お客様のニーズを形にする経験をしてきました。
貴社でなら、これまでの経験を活かして、より多くのお客様に貢献できると確信しています。
1分の場合
貴社を志望した理由は、お客様の課題解決に貢献できると思ったからです。
私は大学時代、ITサークルでWebサイト制作に携わっていました。Webサイトを通して、お客様のビジネスを成功させたいという強い思いから、マーケティングについても積極的に学びました。貴社では、Webサイト制作だけでなく、マーケティングにも力を入れていると伺いました。
そのため、これまでの経験を活かして貴社に貢献できると考えています。特に、貴社の開発している〇〇というサービスは、お客様の課題を解決するだけでなく、社会全体に貢献できるものだと感じ、大変魅力を感じています。
2分の場合
貴社を志望した理由は、お客様の課題解決に貢献できるだけでなく、社会全体に貢献できると思ったからです。
私は大学時代、ITサークルでWebサイト制作に携わっていました。当初は、ただ言われた通りにWebサイトを作るだけでしたが、お客様から「Webサイトのおかげで、売上が上がったよ!」と感謝された経験をきっかけに、Webサイトを通して、お客様のビジネスを成功させたいという強い思いを抱くようになりました。そこで、マーケティングについても積極的に学び、お客様のニーズを分析し、最適なWebサイトを提案するなど、お客様の課題解決に貢献できるよう努力してきました。
貴社では、Webサイト制作だけでなく、マーケティングにも力を入れていると伺い、これまでの経験を活かして、貢献できるのではないかと考えました。特に、貴社の開発している〇〇というサービスは、お客様の課題を解決するだけでなく、社会全体に貢献できるものだと感じ、大変魅力を感じています。
入社後、まずはWebサイト制作のスキルを磨いていきたいと考えていますが、将来的にはマーケティングの知識も活かして、お客様のビジネスを成功に導くことができるような人材になりたいと考えています。
面接で志望動機を伝える長さは30秒~1分がベスト
個人面接の場合は1分、集団面接の場合は30秒~1分と、適切な長さが面接によって異なります。ただ、これらは何も指示されなかった場合の話で、面接官から「◯分でまとめてください」などの指定があった場合はそれに従うようにしてください。
そのため、どんな状況にも対応できるよう、それぞれのパターンを用意しておくと安心でしょう。面接は準備が肝心です。早い段階から準備を進め、万全な体制で面接に挑みましょう。