就活の選考で実施されることの多い適性検査「SPI」では、中学・高校レベルの問題が多く出されます。しかし、難易度がそれほど高くないために対策を怠り、「半分しか解けなかった」と後悔する学生も少なくありません。
今回は、SPIを通過して内定を獲得するためにも、SPIの概要をはじめ平均得点・合格予想ラインを紹介。得点率が低い人の特徴や、半分しか解けなくても内定を獲得する方法も紹介するので、最後まで諦めずに就活に臨みましょう。
SPIとはどんなものか
リクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査の一つが「SPI」です。適性検査はいくつか種類があり、SPIのほかにも玉手箱やTG-WEBなどがあります。
就活の選考にSPIを取り入れている企業は多く、応募者の足切りや優秀な人材かどうかの判断材料にしています。ES(エントリーシート)や面接などでは把握できない学生の基礎学力やマッチ度を確かめているため、対策をせずに受検すると次の選考に進むのは難しいでしょう。
SPIの種類と構成要素
SPIでは「能力検査」と「性格検査」の種類の検査が実施されます。どういった構成になっているのか、以下の表にまとめました。
種類 | 構成要素 | 概要 |
能力検査 | 言語分野 | 語彙力や読解力などを測定する |
能力検査 | 非言語分野 | 数学的な処理や論理的思考力を測る |
能力検査 | 英語 | 英語の基礎能力や応用力を測定する |
能力検査 | 構造的把握能力 | 問題解決能力や論理的思考力を測る |
性格検査 | 受検者の人柄や考え方を確かめる |
能力検査では言語分野と非言語分野の検査が出題されるケースがほとんどですが、企業によっては英語や構造的把握能力の検査を実施することもあるため、対策前に確認しておくのがおすすめです。
また、SPIは種類や構成要素以外にも、受検方法が4つに分かれます。それぞれ回答方法などが異なるため、以下の記事で違いや特徴を確認しておきましょう。
スピード重視。SPIの時間制限
受検方法がテストセンターやWEBテスト、インハウスCBTであれば、検査の制限時間は以下を目安にしましょう。
能力検査:35分ほど(ペーパーテストは約70分)
性格検査:30分ほど(ペーパーテストは約40分)
SPIはマークシート形式のペーパーテストを除き、1問ごとに制限時間が設定されているため注意が必要です。制限時間内に回答できなかった場合は自動的に次の問題に進むため、正答率だけでなく回答スピードも意識する必要があります。
また、ペーパーテストの性格検査は300問で制限時間が40分なので、1問につき8秒で答えなければなりません。ただ、性格検査は直感的に答えれば良いので、時間を意識しながら正直に答えていくのがポイントです。
就活生のSPI平均得点と企業の合格予想ライン
SPIの平均正答率は50〜60%と言われています。しかし、SPI合格のボーダーラインは企業ごとに異なるため、注意が必要です。例えば、中小企業であれば5割、大手企業であれば7割以上となることもあるため、ボーダーラインが心配な方は1社ずつ調べておくと良いでしょう。
ただし、合格ラインは年度ごとに変わる可能性があるほか、企業は明確な点数を公表していません。そのため、これからSPIを受検される方は、大まかな目安として得点率7割以上を目指すのがおすすめです。
SPI半分しか解けなかった人の特徴
続いて、SPIを半分しか解けなかった人に共通する特徴を紹介します。これからSPIの受検を控えている人は、同じミスをしないよう注意してください。
【SPI半分しか解けない人の特徴1】SPIの対策不足
結論から言うと、SPIの対策をしなければ高得点を得ることはできません。「SPIが半分しか解けなかった」と後悔している人の多くは、SPI対策が不足しています。
SPIの問題は難易度が高いわけではありませんが、解き方のコツや問題形式を把握しておかなければ、スムーズに回答できないでしょう。こうした対策不足が得点率の低下につながるため、中学・高校レベルだからと言って油断するのは危険です。
【SPI半分しか解けない人の特徴2】すべての問題を諦めずに解こうとしている
SPIが半分しか解けない原因は、すべての問題を諦めずに解こうとしているからかもしれません。とくにSPIのペーパーテストは1問ごとに制限時間が設けられているわけではないため、分からない問題を解こうと時間を使いすぎてしまう人もいるでしょう。
SPIはできるだけ短時間で答えていくのが攻略のポイントなので、分かる問題・分からない問題を瞬時に判断することも重要です。
【SPI半分しか解けない人の特徴3】苦手分野がある
SPIは受検者の国語力を「言語分野」や数学的な能力を問う「非言語分野」のほか、「英語」や「構造的把握能力」の検査が実施されることもあります。また、各分野の問題もさまざまなものがあり、苦手な分野の問題があると正解を答えられない可能性があるでしょう。
苦手分野をそのままにしていると正しい回答を選べないため、事前の対策では得意分野・苦手分野を把握しておくことが肝心です。
SPI半分しか解けなかった場合の対策法
SPIの問題が半分しか解けない人は、ここで紹介する対策法を実践してみましょう。
【対策法1】問題集や就活サイトの模擬テストを解きまくる
まずは問題集や模擬テストを繰り返し解き、SPIの問題に慣れましょう。何度も解くことで自分の苦手分野が把握できるほか、頻出問題の解答方法を覚えることができます。
とくにSPIは問題の解き方がパターン化しているため、問題に慣れて解き方を理解しておくことで、新しい問題が出ても柔軟に対応できるようになるでしょう。また、問題集はたくさん買う必要はなく1冊で十分です。選び方は以下の記事を参考にしてみてください。
【対策法2】基礎知識を身に着ける
占術したように、SPIでは頻出の問題がパターン化しています。言語分野では頻出語があったり、非言語分野ではよく出る公式があったりするため、最低限の基礎知識を身につけて頻出のものは暗記しておくと良いでしょう。
なかには長文読解のように考えて答えを出す必要がある問題もありますが、暗記で答えられる問題であれば制限時間内に答えを導き出すことが可能です。
【対策法3】時間配分を気にする
SPIの対策で意識しておくべきことは時間配分です。テストセンターなどでは制限時間が30分ほどですが、1問ごとに制限時間が設定されているため、苦手な分野の問題もすぐに答えを出す必要があります。ペーパーテストの場合も、1問にかけられる時間を自分で決めておかなければ、難しい問題に手間取ってしまい回答数・正答率が悪くなってしまうかもしれません。
そのため、模擬テストやSPIの勉強をしているときもタイマーで時間を計り、どの問題にどれくらい時間がかかったのかを把握しておくのがおすすめです。そして、分からない問題や回答に時間がかかった問題があれば、さらに勉強して素早く答えられるよう対策しておきましょう。
【対策法3】判断力をつける
SPIは形式によって出題や回答の方法が異なるだけでなく、問題の難易度が高くなる場合もあります。とくに、テストセンターでは受検者の正答率が高くなるほどに難しい問題が出題されるため、検査の後半では時間が足りなくなることもあるでしょう。また、ペーパーテストでも解けない問題に対していつまでも考えていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
SPIは十分に対策していたとしても、適性検査の本番では分からない問題が出てくることも珍しくありません。そこで、解けない問題があった場合は次の問題に取り掛かるなど、判断力をつけることも重要です。
SPI半分しか解けなくても内定獲得する方法
SPIの能力検査などで半分しか回答できず、「どこにも就職できないのでは…」と不安になる学生もいます。ここでは、SPIが半分しか回答できなくても内定を獲得する方法について見ていきましょう。
SPIがない企業・ボーダーラインが低い企業に応募する
SPIの問題がなかなか解けない学生は、SPIがない企業やボーダーラインが低めに設定されている企業に応募することも検討してみてください。SPIは多くの企業が導入している適性検査ですが、適性検査は玉手箱やTG-WEBなどもあり、学生によってはSPIより対策しやすいと感じるかもしれません。
また、有名企業や大手企業はボーダーラインが高く設定されがちなので、中小企業などにも就活の視野を広げてみるのもおすすめです。
選考優遇があるものに参加する
SPIの通過が難しい場合は、選考を優遇してもらえる企業に応募するのも一つの手です。近年であれば、インターンシップへの参加を通じて選考が優遇される可能性があります。たとえSPIが半分ほどしか解けなくても、選考を進められるかもしれません。
このほか、説明会への参加やOB・OG訪問で選考が優遇される場合があります。また、オファーサイトを活用して内定獲得を目指してみても良いでしょう。
また、逆求人サイトのキミスカは自分らしさを大事にしたい学生が多く利用しており、気になった学生に対して企業側からオファーの連絡が届きます。就活の選択肢を広げることにも役立つため、これを機に利用してみてはいかがでしょう。
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SPI以外でカバーする
適性検査の前におこなわれる書類選考でカバーすれば、SPIが半分しか解けなくても次の選考に進める可能性があります。また、能力検査の内容よりも性格検査の診断結果を重視している企業も少なくありません。
書類選考で提出するESを丁寧に作成したり、事前に自己分析をおこなって性格検査に臨んだりと、能力検査以外の部分でカバーすることも検討してみてください。なお、キミスカの自己分析ツールは簡単な質問に答えていくだけで強み・弱み・適職などが可視化されます。まだ試していない人は、下記リンクより使ってみてください。
まとめ
SPIで半分しか解けない場合も、まだ諦めてはいけません。SPIは事前に対策しておけば解ける問題が多く、企業によっては半分の回答率でも適性検査を通過できる可能性があります。また、どうしてもSPIが苦手な人は、本記事で紹介したポイントを参考に内定獲得を目指してみてください。