
コロナ禍が落ち着き、マスクの着用が個人の判断となって久しい2025年。しかし、就職活動というフォーマルな場では、「マスクをどのタイミングで外すのが正解なの?」「面接官が着けていたら、自分も外さない方が良い?」と、その判断に迷ってしまいますよね。
大学生活の多くをマスクと共に過ごしてきた世代だからこそ、マスクを外して面接に臨むことに大きな不安を感じているかもしれません。
この記事ではそんなあなたの悩みを解消するため、最新の就活事情に基づいた、面接でのマスクマナーの判断基準を徹底解説します。
結論:面接中のマスクは「原則外す」が現在の基本マナー
まず、現在の就職活動における結論からお伝えします。企業からの特別な指示がない限り、面接が始まったら「マスクは外す」のが基本のマナーです。
もちろん、会場への移動中や待合室ではマスクを着用するのが望ましいですが、面接本番ではお互いの表情が見える状態で対話することが、円滑なコミュニケーションの基本となります。
企業が「素顔」を見たい理由
なぜ企業は学生の素顔を見て面接をしたいのでしょうか。それはコミュニケーションが言葉の内容だけで成り立つものではないからです。
あなたが話す時の「表情」や「口調」、相槌を打つ時の「雰囲気」といった非言語的な情報から、書類だけでは分からないあなたの人柄や、コミュニケーション能力の高さを理解したいと考えているのです。
マスクを外すことは自分をより深く知ってもらうための第一歩になります。
【タイミング別】マスクを外すまでの流れとスマートな対応
「原則外す」と分かっていても、一番悩むのが「いつ、どのタイミングで外すか」ですよね。ここでは会場に到着してから面接が始まるまでの、時系列に沿ったスマートな対応の流れを解説します。この流れさえ覚えておけば、もう迷うことはありません。
1. 会場到着〜待合室:「マスク着用」が基本
企業のビルに入ってから受付を済ませ、待合室で待機している間はマスクは着用したままでいましょう。
不特定多数の人が出入りする共有スペースでは、周囲への配慮としてマスクを着用しておくのが社会人としてのマナーです。
2. 入室〜着席:まだ「マスク着用」のまま
名前を呼ばれ、面接室に入室して着席するまでは、まだマスクは着けたままで問題ありません。焦って入室と同時にマスクを外そうとすると、挨拶やお辞儀の所作が乱れてしまい、かえって落ち着きのない印象を与えてしまいます。
まずは面接官への挨拶と正しい姿勢での着席に集中しましょう。
3. 面接開始直前:「外す」タイミングの見極め方
着席し、面接官と向き合った後、いよいよマスクを外すタイミングが訪れます。
ここでの対応は面接官の状況によって3つのケースに分かれます。それぞれのケースでの最適な判断基準を解説します。
ケース1:面接官から指示があった場合
最も分かりやすいのがこのケースです。面接官から「マスクを外していただいて構いませんよ」と声をかけられたら、それに従いましょう。
「はい、失礼いたします」と一言添えてから、落ち着いてマスクを外し、きれいに畳んで保管します。
ケース2:指示がなく、面接官がマスクなしの場合
これが最も多い、そして悩ましいケースです。この場合は、あなたから「失礼します。マスクは外した方がよろしいでしょうか?」と、主体的に尋ねるのが最もスマートな対応です。
これによりあなたの配慮深い姿勢と、コミュニケーション能力の高さを示すことができます。ほとんどの場合、「はい、外してください」と促されるはずです。
ケース3:指示がなく、面接官がマスクありの場合
面接官がマスクを着用している場合は、あなたもそれに合わせてマスクは着けたままで面接に臨みましょう。企業の方針や面接官個人の体調など様々な理由が考えられます。
ここで自分だけマスクを外したり、「外すべきですか?」と尋ねたりするのは、相手への配慮に欠ける行為と見なされる可能性があるので注意してください。
マスクを外す際の美しい所作と保管方法
マスクを外す、というほんの数秒の動作も、面接官は見ています。ガサツな印象を与えないよう、スマートな所作を心がけましょう。
外したマスクの置き場所にもあなたの人柄は表れます。
外したマスクは専用ケースにしまうのがベスト
外したマスクを机の上に直接置いたり、無造作にポケットに突っ込んだりするのは、衛生的にも見た目的にもNGです。
四つ折りにしてカバンからさっと取り出したマスクケースにしまうのが、最も清潔感があり、準備の良い印象を与えます。
マスクケースがない場合はハンカチやティッシュにきれいに包んで、カバンの中にしまいましょう。
マスクを外した後の「表情・メイク」の注意点
マスク生活が長かったため、マスクを外した後の自分の表情やメイク崩れが気になる、という方も多いでしょう。面接に集中するための事前対策を紹介します。
1. 口角を上げる「表情筋トレーニング」をしておく
マスクで隠れていた口元は、意外と表情が乏しくなりがちです。
面接の前日までに、鏡の前で「ウイスキー」と発音するように口角を上げる練習や、割り箸を横にくわえて口角を上げるトレーニングをしておくと、自然で明るい笑顔を作りやすくなります。
2. 崩れにくいメイクと、お直しの準備
女性の場合、マスクによるメイク崩れは悩みの種です。当日は崩れにくい下地や、マスクに付きにくいタイプのリップを選ぶと良いでしょう。
また、面接直前にお手洗いで鏡を見て、口元のヨレやファンデーションの崩れがないか最終チェックを忘れずにしてください。小さなあぶらとり紙やプレストパウダーを準備しておくと安心です。
面接のマスクに関するよくある質問
最後に、面接時のマスクに関する、多くの就活生が抱く細かな疑問についてお答えします。
ここで不安を解消し、自信を持って当日を迎えてください。
Q1. Web面接(オンライン)でもマスクは必要?

A. 自宅など、一人でいる安全な環境から参加する場合は、マスクは不要です。むしろ、あなたの表情がしっかりと伝わるようにマスクはせずに臨むのがマナーです。
ただし大学の共有スペースなど、周囲に人がいる環境から参加する場合は、情報漏洩防止や周囲への配慮としてマスクを着用した方が良いケースもあります。
Q2. 体調不良(咳・アレルギー)の場合はどうする?




A. 咳やくしゃみなどの症状がある場合は、感染症の有無に関わらず、周囲への配慮としてマスクを着用したまま面接に臨むべきです。
その際は面接が始まる最初に、「申し訳ございません、アレルギー症状がございますのでマスクを着用したまま失礼いたします」と、正直に、かつ簡潔に断りを入れましょう。そうすればマナー違反だと思われることはありません。
Q3. どんな種類のマスクを着けていくべき?




A. 就職活動の場では白の不織布マスクが最も無難で、清潔感のある印象を与えます。色や柄のついたマスクや、布・ウレタン製のマスクはカジュアルな印象が強いため、避けるのが賢明です。
自分の顔のサイズに合った、きれいなマスクを着用しましょう。
マスクのマナーはTPO判断能力のアピール
2025年現在の就職活動においてマスクのマナーは、あなたという人間が社会の状況に応じてTPOを的確に判断し、相手への配慮ができるかという能力を示すための一つの指標になっています。
正解が一つではない曖昧な状況だからこそ、あなたのスマートな判断力が光ります。この記事で解説した判断基準を参考に、自信を持って、あなたの素敵な表情を面接官に伝えてください。