就職活動では、着ているリクルートスーツも評価を左右するポイントになります。正しい色やデザインのスーツを選ぶことは当然ですが、着こなしにも気を配っておきたいもの。
今回は、スーツの着方で疑問として挙げられることの多い「ボタンのマナー」についてご説明していきます。面接の場で失敗しないように、しっかりとマナーを理解しておきましょう。
男性の就活スーツのボタンにはマナーがある
ご存知ない学生もいると思いますが、メンズスーツには「アンボタンマナー」という独自の決まり事が存在します。メンズスーツの1番下のボタンは飾りで、基本的には外しておくことが正しいスーツの着方です。
これは、「堅苦しいスーツでも動きやすいようにする」ことが目的だと言われています。また、スーツのラインが崩れたりシワができることを防いだりして、見た目をキープする役割もあります。
メンズスーツのボタンマナーは、機能性と見た目の両方を兼ね揃えたもの。ビジネスパーソンとして今のうちに身につけておけば、就職後に一目置かれることもあるかもしれません。
女性はスーツのボタンマナーを気にしなくて良い
男性にボタンマナーがある一方で、女性には特別なボタンマナーが存在しません。レディーススーツの場合は、ボタンを全部留めた方がシルエットがきれいに見えるようにデザインされています。ゆえに、面接の場でもビジネスの場でもボタンマナーを気にする必要はありません。
就活用スーツ別 ボタンマナーをチェック
メンズスーツでは、1番下のボタンを外すのがマナーだと説明しました。しかしこのマナーは、どんなスーツにでも当てはまるわけではないのです。
ここからは、スーツ別のボタンマナーを掘り下げてチェックしていきましょう。
【就活用スーツのボタンマナー】ツーピーススーツ
就活やビジネスの場で最もオーソドックスなのが、ジャケットとパンツがセットになったツーピーススーツ。
このタイプのスーツはボタンが2つついており、下のボタンを外すのが正しい着方になります。
【就活スーツのボタンマナー】スリーピーススーツ
就活では着る機会が少ないスリーピーススーツとは、ツーピーススーツにベストがセットになっているスーツのことです。このタイプもボタンが2つのデザインがオーソドックスですが、ツーピーススーツとは違ってボタンを全て外すのが正しい着方になります。
逆に全てのボタンを閉めてしまうと、アンバランスに見えてしまう可能性があるので注意が必要です。ちなみに、中のベストは1番下のボタンだけ外し、他は閉めておくのが正しい着方です。
【就活スーツのボタンマナー】段返りボタンがついているスーツ
スーツの中には、ボタンが3つついているタイプのものもあります。その中でも、ジャケットの折り返しの部分についている1番上のボタンを「段返りボタン」と呼びます。段返りボタンがついている場合は他のスーツと同様に真ん中のボタンだけだけ留めるのが正しい着方です。
ちなみに3つボタンのスーツには、全てのボタンが表に出ているスタンダードスーツもあります。スタンダードスーツも段返りボタンスーツと同様に真ん中のボタンだけを留めますが、襟のVラインが開きすぎてしまう場合は1番上のボタンを留めても構いません。
就活スーツのボタンマナー【着席編】
男性は1番下のボタンを外すのがマナーだと解説しましたが、着席時は全てのボタンを外すのが本来のマナーです。これは、ジャケットが持ち上がったりお腹がキツくなったりしてスーツの形を崩さないようにするためです。
しかし本来マナーとはいえ、就活生がボタンを外しているのを見て良く思わない面接官がいることも事実。不安な場合はボタンを全部外すのではなく、1番下のボタンのみを外しておけば問題ないでしょう。
就活スーツのボタンマナー【面接編】
ここからは、面接でスーツのボタンマナーを実践する時のスマートな方法をご紹介していきます。
方法といっても簡単なもので、入室や挨拶の時まではボタンを留めておき、座る時に片手でさりげなくボタンを外して前を開けるだけです。椅子に腰かけるタイミングで、片手でサッとボタンを外せることが好ましいです。同じように、立つ時も片手でさりげなくボタンを留めてみましょう。
ただし、スマートに留め外しができない場合は、初めから1番下のボタンを開けておくだけで問題ありません。留め外しに手こずっている様子は不格好な印象を与えてしまいますし、そこまで細かくチェックしている面接官はいないので安心してください。
就活のボタンマナーで合否が左右されることはない
メンズスーツに関するボタンマナーを説明しましたが、ボタンが開いているかどうかで合否が決まることはありません。同様に、ボタンひとつで面接官の心証が変わることも絶対にあり得ません。そもそも、面接官はボタンが開いているかどうかを見てすらいないことも多いのです。
きちんとマナーを守れていれば、時には「博識な学生だ」と思われることもあるかもしれません。しかし、それが理由で就活が有利に進むことはないです。大切なのは、見た目の清潔感や話し方、面接の内容だということを理解しておくことが内定への近道です。
就活で見た目の印象を左右するリクルートスーツの選び方や着こなしに関しては、こちらで詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
ボタン以外にも!就活スーツのマナーに関する疑問4選
就活スーツに関するマナーは、ボタン以外にもたくさんあります。最後に、就活のスーツマナーに関する疑問にお答えしていきます。
【就活スーツマナーの疑問1】ネクタイの色や長さは?
就活で使用するネクタイは、ブルー・水色系や赤・えんじ系、イエロー系やグレーが最もオーソドックスです。どの色にせよ、深みがあって落ち着いたものが、ビジネスの場には適しています。
スーツを着る時のネクタイの長さは、ベルトのバックルの半分くらいにかかる長さがベストです。この基準よりも長いとだらしない印象に、短いとカジュアルな印象になるため注意してくださいね。
ネクタイの長さや結び方のコツ、色の選び方に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
【就活スーツマナーの疑問2】フラップは出したままでいい?
スーツのポケット部分についているフタのような布を「フラップ」と呼びます。フラップはボケットに雨やホコリなどが入らないように保護する役割を果たす部分です。室内で使用するものではないため、建物に入ったらしまうのが正しいマナーだとされています。
【就活スーツマナーの疑問3】靴下の長さや色は?
男性の場合、スーツに合わせる靴下の長さや色で悩むこともあるでしょう。スーツを着る際は、スネあたりまでの長さの靴下を選びましょう。くるぶし丈の短い靴下は、座った時に肌が見えてしまってみっともない印象を与えてしまうので、就活での使用は避けてください。色は、黒もしくはネイビーを選びましょう。
靴とベルトの色を合わせるとまとまりが出て、スマートなコーディネートになるのでおすすめです。
【就活スーツマナーの疑問4】ジャケットの袖の長さはどれくらいがベスト?
スーツは、ジャケットの袖の長さにも気を遣えるとスマートです。ジャケットを着る時は、袖口からシャツが出ていないとぶかぶかに見えてしまい、だらしない印象になることがあります。
腕を下ろした状態で、ジャケットの袖口から1.5cmほどシャツが出ている状態が最もバランスの良い状態と言われています。シャツが袖から少し覗くだけでスーツに立体感が出てサマになるので、ぜひ袖も意識してスーツやシャツを選んでみてください。
スーツのボタンマナーを知ってスマートな就活を
男性は基本的に、1番下のボタンを外しておくことが正しいスーツマナーです。また、座る時は全てのボタンを外すのが本来のマナーですが、就活生の場合は最初から1番下のボタンを外しておくだけでも問題ありません。
女性の場合は、全てのボタンを留めておくのがスーツマナーで、着席中もボタンを外す必要はありません。
スーツの着方で合否が決まることはないですが、正しいマナーはきっとあなたの自信につながるはずです。スマートなボタンマナーを身につけ、自分らしさを発揮できる就活にしていきましょう。