就活が早期化とは?メリット・デメリットや焦らずに準備すべき理由を解説

学生のなかには「3月から就活をはじめよう」と考えている人もいますが、近年は就活早期化の傾向が強まっています。場合によっては大学3年の3月1日時点で、志望企業の選考がすでに終わっているケースもあるかもしれません。就活生は早期化に合わせて行動したほうが良いのでしょうか。

今回は大学生が知っておくべき就活早期化の現状をはじめ、後悔しない就活をするための準備や長期化のリスクについて解説します。

「就活の早期化」とは?

就活の早期化とは、企業が早期に内定を出す傾向が強まっている状態を指しており、「早期選考」とも呼ばれています。

就職みらい研究所の就職プロセス調査(2025年卒)「2024年3月1日時点 内定状況」によると、25年卒の大学生の就職内定率が3月1日時点で40.3%という調査結果が出ました。

大学3年の3月1日は就活解禁日であり、多くの学生がその日から志望企業に応募したり説明会に参加したりします。しかし、近年は就活解禁日に内定を獲得している学生が半数近くに及んでいるのが現状なのです。

就活早期化の背景

政府は2023年4月に「インターンシップを活用した就職・採用活動の日程ルールの見直し」について発表しました。これにより、インターンシップをおこなう企業が一定の要件を満たせば、専門性の高い人材の選考開始時期を前倒しできるようになったのです。

そのため、夏季インターンシップなどの参加者を選考に呼び、大学3年の10月ごろに最終面接・内々定という流れで選考を進める企業もあります。

「就活早期化」のメリット・デメリット

就活が早期化されたことで、選考には将来を見据えて早めに行動する就活生が集まりやすくなりました。また、企業によっては多くの学生と出会う機会が増えたり、ギリギリまで採用活動をしなくてよくなったりと、メリットもあります。

しかし、学生にとってはどういったメリットがあるのでしょうか。デメリットと合わせて確認していきましょう。

就活早期化のメリット

まずは、就活早期化で学生にどういったメリットがあるのかを見ていきましょう。

【就活早期化のメリット1】就活を早く終えられる

就活生からすれば、選考時期が早まったことで従来よりも短期間で就活を終えられるのがメリットです。大学3年の3月からは卒業論文などもあり、学業にも力を入れたい人にとっては嬉しいポイントでしょう。

また、就活を早く終えられることで遊びやアルバイトなどにかける時間も増えるため、学生時代の時間を有意義に過ごせます。

【就活早期化のメリット2】時間をかけて就活に臨める

就活の早期化といっても、全ての企業が選考を早めるわけではないため、学生によっては就活自体の期間が長くなることもあります。そのため早いうちから選考を受けられるだけでなく、時間をかけて就活に臨めるのも早期化によるメリットです。

じっくりと時間をかけて自己分析や企業選びができるので、今まで知らなかった優良企業に出会える可能性もあるでしょう

就活早期化のデメリット

メリットを見ると、良いことばかりに思えるかもしれませんが、早期化によるデメリットもあります。

早期に選考を受けるかどうかを判断するためにも、デメリットについても把握しておきましょう。

【就活早期化のデメリット1】学業との両立が難しい

大学によっては、ゼミの活動が本格化するタイミングで就職活動が始まることもあり、学業と就活の両立に悩む学生も少なくありません。

また、就活が早期化されたことで、「学業と就活を両立できるかな…」と不安や焦りを感じてしまう人もいるでしょう。そのため、就活を早く終えたいなどの目的で安易に就活を始めてしまうと、就活と学業のどちらも中途半端になってしまう可能性があります。

【就活早期化のデメリット2】就活が長期化する可能性もある

早期に選考をおこなうかどうかは企業によって異なり、内定承諾の期限までに他の企業を受けるかどうかを考える必要があります。そのため、早期に内定を獲得できたとしても「もっと良い企業があるのでは」と思い、長期にわたって就活を続けることになるかもしれません。

学生のなかには、就活が長期化することで疲れてしまったり、内定辞退したことを後悔したりする人もいるでしょう。就活の開始が早まった分、長期化する恐れがあることは把握しておかなければなりません。

【就活早期化のデメリット3】選考を受けられない場合も

早期選考に進むにはインターンシップへの参加が条件となることが多く、サークルやゼミなどの活動に集中したい学生にとって不利に働く可能性があります。

また、就活解禁に合わせて志望企業にエントリーしようと思っても、就活早期化ですでに学生の囲い込みをおこなっているところもあり、「エントリーすらできなかった」と後悔する学生もいるようです。

「就活の早期化」は焦らなくてOK!やるべきことは?

ここまで就活早期化の基本的なポイントを紹介してきましたが、焦る必要はありません。

自分らしい就活を進めるためにも、今やるべきことを紹介します。

【就活早期化でやるべきこと1】スケジュールを立てる

就活が早まっていることは事実ですが、無理に就活の早期化に合わせる必要はありません。「サークルやゼミの活動を優先したい」「志望企業で早期選考をおこなっていない」という場合は、大学3年の3月1日からエントリーを始めても問題ないでしょう。

ただ、志望企業が早期に選考をおこっている場合は、優先順位を決めて学業・就活のスケジュールを立てることが重要です。
早期に選考をおこなう傾向にある企業・業界は以下です。

外資系企業
IT企業
ベンチャー企業

このほか、企業によって選考の開始時期が異なるため、気になる企業があればインターン参加やOB・OG訪問で選考スケジュールを確認しておくのが無難です。志望企業のスケジュールに合わせて準備すれば、学業や就活なども無駄なく進められるでしょう。

【就活早期化でやるべきこと2】自己分析は早めに済ませる

就活を進めるうえで特に重要なのが自己分析です。仮に早期選考で内々定を獲得したとしても、他の企業もチェックすべきか悩んでしまう可能性があります。しかし、自己分析をおこなっておけば就活の軸が見つかり、「内々定をもらった企業で良いのか」「他の企業の選考を受けるのか」を判断することが可能です。

就活は自己分析や筆記試験、面接などさまざまな準備が必要になるので、実際に就活を始める前から自己分析を済ませておきましょう。なお、下記リンク先は無料で自己分析ができるツールです。まだ自己分析をおこなっていない学生や、改めてやってみたい学生はぜひ試してみてください。

キミスカ適性検査の受け方と結果の見方!自己分析ツールの使い方を解説

就活早期化に慌てず自分らしい就活を進めよう!

就活の早期化にともない、大学3年の3月1日時点で内定獲得している学生が4割ほどいますが、慌てる必要はありません。焦って就活を始めても、学業が疎かになったり、企業とのミスマッチに気づかないまま入社したりという事態に陥る可能性があります。

どういったスケジュールになろうとも、大事なのは自分らしく就活を進めること。自分だけの週厚スケジュールを立てて、自己分析や業界研究、企業研究などの準備を着実に進めていきましょう。