
OB訪問のアポイントは取れたものの、「当日、いったい何を聞けばいいんだろう…」「失礼な質問をして、評価を下げてしまったらどうしよう…」と、不安でいっぱいになっていませんか?OB訪問はあなたの質問次第で、ただの雑談にも、人生を変えるほどの学びに満ちた時間にもなり得ます。
質の高い質問はあなたの熱意と知性を示す最高の武器なのです。この記事ではコピペOKの質問リスト70選から、ライバルに差がつく質問の作り方、評価を下げてしまうNG質問まで、OB訪問で「聞くこと」の全てを徹底解説します。
OB訪問で「聞くこと」の準備が重要な3つの理由
そもそも、なぜこれほどまでに質問の準備が重要なのでしょうか。その理由は大きく3つあります。この目的を理解すれば質問準備へのモチベーションもきっと上がるはずです。
ただ質問するのではなく、意図を持って質問できるようになりましょう。
1. 働くことへの意欲と熱意を伝えられる
質の高い質問を準備していくことは、「あなたの会社に本気で興味があります」という何よりのメッセージになります。
深く調べた上でないとできないような質問を投げかければ、OBは「この学生は、真剣にうちの会社を研究してくれているな」と感じ、あなたへの印象は格段に良くなるでしょう。質問はあなたの熱意を伝えるための強力なツールなのです。
2. 企業や仕事への理解が飛躍的に深まる
OB訪問の最大のメリットはウェブサイトや説明会では決して得られない「生の情報」に触れられることです。社員が日々感じている仕事のやりがいや厳しさ、職場のリアルな雰囲気などを知ることで、企業への理解は一気に深まります。
具体的な質問を用意しておくことで、漠然としたイメージがリアリティのある知識へと変わっていきます。
3. 入社後のミスマッチを防げる
「こんなはずじゃなかった…」入社後にそう後悔することほど、悲しいことはありません。OB訪問は企業の良い面だけでなく、大変な面や厳しい側面についても聞ける貴重な機会です。
自分にこの仕事は向いているか、この会社のカルチャーに馴染めるか、といった点を見極めるための質問をすることで、入社後のミスマッチを未然に防ぐことができます。
【コピペOK】OB訪問で聞くことリスト70選|カテゴリ別
ここからはOB訪問で実際に使える質問をカテゴリ別に70個、一挙にご紹介します。どれを聞けばいいか分からないという方は、まずはこのリストの中から気になるものをピックアップして、自分だけの質問リストを作ってみましょう。
仕事内容に関する質問リスト
1. 〇〇様の一日の典型的なスケジュールを教えてください。
2. 現在担当されている業務の中で、特に面白いと感じる部分はどこですか?
3. この仕事に就いて、最も成長できたと感じるスキルは何ですか?
4. 部署内のチーム構成や、チームでの役割分担について教えてください。
5. 新入社員は、入社後どのような業務からスタートすることが多いですか?
6. 業務で英語を使用する機会はどのくらいありますか?
7. この仕事で求められる、最も重要な資質は何だと思いますか?
8. 〇〇様が担当されたプロジェクトで、特に印象に残っているものはありますか?
9. リモートワークと出社の割合はどのくらいですか?
10. 1つのプロジェクトにかかる期間は、平均でどのくらいですか?
やりがい・大変さに関する質問リスト
11. この仕事をしていて、最も「やっててよかった」と感じる瞬間はどんな時ですか?
12. 逆に入社してから、最も大変だったこと、苦労したことは何ですか?
13. その困難を、どのようにして乗り越えられましたか?
14. 仕事のモチベーションを維持するために、工夫されていることはありますか?
15. 入社前に抱いていた仕事のイメージと、入社後のギャップがあれば教えてください。
16. 仕事でプレッシャーを感じるのは、どのような場面ですか?
17. お客様から感謝の言葉をいただいたエピソードがあれば教えてください。
18. 仕事の成果が評価された時、どのようなフィードバックがありましたか?
19. 失敗から学んだ、最も大きな教訓は何ですか?
20. 仕事を通じて、社会にどう貢献できていると感じますか?
企業の社風・文化に関する質問リスト
21. 職場の雰囲気は、どちらかというと体育会系、文化系どちらですか?
22. 社員同士の交流は、業務外でも活発に行われていますか?(部活動、飲み会など)
23. 上司や先輩に、意見や提案をしやすい雰囲気はありますか?
24. 周囲には、どのような性格やタイプの社員方が多いですか?
25. 社内でよく使われる、独自の用語や「口ぐせ」のようなものはありますか?
26. 貴社で活躍されている社員の方に、共通する特徴はありますか?
27. 〇〇様が、自社の「ここが一番好きだ」と感じる点を教えてください。
28. 社員の方々の服装は、どのようなスタイルが一般的ですか?
29. 若手社員が中心となって進めるようなプロジェクトはありますか?
30. 産休・育休制度の取得実績や、復帰後の働き方について教えてください。
キャリアパス・成長環境に関する質問リスト
31. 〇〇様ご自身の、今後のキャリアプランについてお聞かせください。
32. 貴社には、どのような研修制度や自己啓発支援がありますか?
33. 若手社員が成長するために、最も良いと感じる環境はどのような点ですか?
34. 入社後、3年目、5年目、10年目の社員は、どのような役割を担っていますか?
35. 成果を出した社員が、正当に評価される仕組みはありますか?
36. 部署異動やジョブローテーションは、希望を出すことができるのでしょうか?
37. 管理職になるためには、どのようなスキルや経験が必要ですか?
38. ロールモデルとなるような、尊敬できる先輩社員はいらっしゃいますか?
39. 専門性を高めるキャリアと、ゼネラリストを目指すキャリア、どちらが多いですか?
40. 海外勤務のチャンスはありますか?あるとすれば、何年目くらいからですか?
就職活動に関する質問リスト
41. 〇〇様が、最終的にこの会社を入社先に決めた理由は何ですか?
42. 学生時代、どのような就職活動の軸を持っていましたか?
43. 就職活動中、やっておいて良かったと今思うことは何ですか?
44. 逆に、もっとこうしておけば良かったと後悔していることはありますか?
45. 自己分析は、どのように進めていましたか?
46. エントリーシートや面接で、特にアピールしていたことは何ですか?
47. この業界で働くために、学生のうちに学んでおくべきことはありますか?
48. OB訪問は、合計で何人くらいされましたか?
49. 就職活動で、一番の息抜きやストレス解消法は何でしたか?
50. 今、就職活動中の自分にアドバイスするとしたら、どんな言葉をかけますか?
プライベート・働き方に関する質問リスト
51. 平日の業務終了後や、休日はどのように過ごされることが多いですか?
52. 有給休暇は、取得しやすい雰囲気ですか?
53. 長期休暇を取って、旅行などに行かれる方もいらっしゃいますか?
54. 仕事とプライベートのバランスについて、〇〇様はどのように考えていますか?
55. 業務時間外の自己啓発や勉強は、どのくらいされていますか?
56. 会社の福利厚生で、特に「これは良い」と感じるものはありますか?
57. 会社の飲み会などの頻度はどのくらいですか?(任意参加ですか?)
58. 会社の立地や通勤環境について、満足している点を教えてください。
59. 健康を維持するために、会社としてサポートしてくれる制度はありますか?
60. 同期の皆さんと、プライベートで集まることはありますか?
61. 入社1年目に、最も意識して取り組んでいたことは何ですか?
62. 〇〇様が仕事で使う「七つ道具」のようなものがあれば教えてください。
63. 業界の最新情報をキャッチアップするために、どのようなことをされていますか?
64. 貴社の「当たり前」で、他社から驚かれたことはありますか?
65. どのような後輩が入ってきたら、一緒に働きたいと思いますか?
66. 経営理念が、実際の業務に浸透していると感じる瞬間はありますか?
67. 〇〇様が今の会社に「恩返ししたい」と思うことはありますか?
68. 10年後、この業界はどのように変化していると思いますか?
69. 学生のイメージと、プロの社会人の仕事の進め方で、最も違う点は何ですか?
70. 本日はお時間をいただきありがとうございます。最後に、私に期待することがあれば教えてください。
他の就活生と差がつく!「良い質問」の作り方3つのコツ
質問リストは、あくまで土台です。これを丸暗記するだけでは、他の就活生と差はつきません。ここからはあなただけのオリジナルな「良い質問」を生み出すための3つのコツを伝授します。
この思考法を身につければ、OBも思わず唸るような深い質問ができるようになります。
1. 自分なりの「仮説」を立てて質問する
最も効果的なのが、自分なりの「仮説」を質問に盛り込む方法です。「御社のウェブサイトを拝見し、〇〇という点に力を入れていると感じたのですが、その背景には△△という戦略があるのでしょうか?」のように、「情報収集→自分の頭で考える(仮説)→質問で検証する」というプロセスを踏むことで、あなたの思考力と熱意を同時にアピールできます。
仮説が合っているかどうかは問題ではありません。自分の頭で考えた、という事実が重要なのです。
2. OB自身の「原体験」を引き出す質問をする
人は誰でも自分の経験について語りたいものです。「〇〇様がこの会社で最も成長できたと感じた原体験について、お聞かせいただけますか?」のように、相手の個人的な経験や価値観に焦点を当てた質問をしてみましょう。
あなたという個人への興味を示すことにも繋がり、より本音に近いリアルな話を引き出しやすくなります。企業のデータではなく、その人自身の「物語」に耳を傾ける姿勢が、深い対話を生みます。
3. 「もし自分が社員なら」という視点で質問する
「もし自分が貴社の一員として働かせていただくことになった場合、早期に活躍するために、入社前に何を学んでおくべきでしょうか?」のように、当事者意識を持った質問も非常に有効です。
これはあなたがすでに入社後のことまで見据えて、真剣にキャリアを考えていることの証拠になります。OBも未来の後輩候補として、より親身に、具体的なアドバイスをしてくれるはずです。
【会話が弾む】回答をさらに深掘りする「魔法の質問フレーズ」
OB訪問は用意した質問を一方的に投げかける場ではありません。相手の回答に対し、さらに質問を重ねていく「対話のキャッチボール」が重要です。
ここでは会話をさらに深掘りし、話を弾ませるための「魔法の質問フレーズ」を紹介します。
1. 「なぜ」「どのように」で理由や方法を聞く
相手の回答に対して、「それはなぜですか?」と理由を尋ねたり、「どのようにして、それを乗り越えたのですか?」と方法を尋ねたりすることで、話の表面をなぞるだけでなく、その背景にある考え方やプロセスまで理解することができます。
相手の話に真剣に興味を持っている、という姿勢も伝わります。
2. 「具体的には」でエピソードを引き出す
「仕事のやりがいはお客様に感謝されることです」という回答があったとします。そこで終わらせず、「具体的にはどのような場面で感謝され、どう感じましたか?」と尋ねてみましょう。
この「具体的には?」という質問は、抽象的な話を生き生きとした具体的なエピソードに変える魔法の言葉です。話の解像度がぐっと上がり、より深く共感することができます。
3. 「〇〇様ご自身は」と主語を相手に変える
「一般的には〇〇というキャリアが多いです」といった回答に対して、「〇〇様ご自身は、どのようなキャリアを歩みたいとお考えですか?」と、主語を「会社」や「一般論」から「あなた自身」に変えて質問してみましょう。
これにより客観的な事実だけでなく、相手の主観的な想いや価値観に触れることができ、パーソナルな関係性を築くきっかけになります。
これは絶対ダメ!OB訪問で聞いてはいけないNG質問
意欲をアピールするはずが、たった一つの質問で「常識のない学生だ」と評価を下げてしまうのは避けたいですよね。
ここではあなたの印象を悪くしてしまう可能性のある、代表的なNG質問を紹介します。これだけは聞かないように、事前にしっかり確認しておきましょう。
NG例1:調べればすぐに分かること
「御社の主力商品は何ですか?」「企業理念を教えてください」といった、企業のウェブサイトやパンフレットを見ればすぐに分かる質問は絶対にNGです。
「この学生は、貴重な時間をもらっているのに、何の準備もしてこなかったんだな」と判断され、あなたの熱意そのものを疑われてしまいます。相手への敬意として、基本的な情報は必ず頭に入れておきましょう。
NG例2:給与や福利厚生など待遇に関すること
給与や残業時間、休日日数など、待遇面の質問は学生が最も気になる部分かもしれません。しかしこれをストレートに聞くのはマナー違反です。
「仕事内容よりも、お金や休みにしか興味がないのか」と、品性を疑われてしまいます。どうしても知りたい場合は、後のQ&Aで紹介するような、上手な聞き方を工夫する必要があります。
NG例3:プライベートに踏み込みすぎること
相手との距離を縮めたいと思うあまり、プライベートな領域に踏み込みすぎるのはやめましょう。「恋人はいますか?」「どこのお住まいですか?」といった質問は相手を不快にさせ、セクハラやパワハラと受け取られかねません。
あくまで仕事に関する話を聞く場である、という節度をわきまえることが大切です。信頼関係は、適切な距離感から生まれます。
NG例4:「はい/いいえ」で終わってしまうこと
「お仕事は楽しいですか?」「残業はありますか?」といった、単純な「はい/いいえ」で答えられる質問(クローズドクエスチョン)ばかりを投げかけると、会話がすぐに途切れてしまいます。
これでは尋問のようになってしまい、話が弾みません。なるべく相手が自由に答えられるオープンクエスチョン(5W1Hを意識した質問)を心がけましょう。
OB訪問で聞くことは何個準備すればいい?
OB訪問に臨むにあたり、質問をいくつ準備すれば良いのか、悩む方も多いでしょう。結論から言うと多ければ多いほど良いですが、一つの目安として、具体的な数を知っておくと安心です。
準備量が、あなたの心の余裕に繋がります。
最低でも20個以上は用意しておくと安心
質問は最低でも20個以上は準備していくことを強くおすすめします。なぜなら、話の流れによっては聞けなくなる質問があったり、会話の中で自然と答えが分かってしまったりすることがあるからです。
準備した質問が少ないと、30分も経たないうちに聞くことがなくなり、気まずい沈黙が流れてしまいます。多くの質問を準備しておくことは、熱意の証明であると同時に、会話を途切れさせないための保険でもあるのです。
OB訪問の質問に関するよくある質問(Q&A)
最後に、OB訪問の質問に関して、多くの学生が抱く細かな疑問についてお答えします。ここで疑問を解消し、スッキリした気持ちで本番に臨んでください。
Q1. 質問をメモしたノートは見ながら話していい?
Q2. 待遇面について、どうしても知りたい場合はどう聞けばいい?
Q3. 最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたら何を答えるべき?
万全な質問準備で、OB訪問を成功に導こう
OB訪問で「聞くこと」は、あなたの未来を切り拓くためのコンパスのようなものです。どんな質問をするかで、得られる情報の質も、あなた自身の評価も大きく変わってきます。
今回ご紹介した70の質問リストや、良い質問の作り方、魔法の質問フレーズを参考に、ぜひあなただけの最高の質問リストを作成してください。万全な準備と、相手への敬意を忘れなければ、OB訪問は必ずあなたの就職活動を成功に導く、大きな一歩となるはずです。