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就活の面接では、「苦手な人はいますか?」「どのような人が苦手ですか?」と質問されることがあります。突然聞かれると答えにくい質問なので、今のうちに回答を用意しておきたいところです。
そこで本記事では、面接で苦手な人を聞かれた場合の答え方を解説するとともに、面接の回答に適した苦手な人の見つけ方を紹介します。
面接で苦手な人を質問される理由
面接では志望動機や自己PRだけでなく、さまざまな質問が用意されています。場合によっては苦手な人について聞かれることもありますが、企業が学生に苦手な人を聞くのはなぜでしょうか。
企業が面接で苦手な人の有無やタイプを質問する主な理由は、以下の3つです。
学生の人柄や価値観を知るため
苦手な人との関わり方を把握するため
職場や取引先に苦手な人がいた場合の対処法を知るため
企業が学生に対して苦手な人を聞くのは、学生の人柄や人間関係の構築方法を知るためです。意地悪な質問だと感じるかもしれませんが、入社後を見据えた質問だと理解しておきましょう。
面接で苦手な人を聞かれた時の答え方を5ステップで解説
面接で苦手な人について質問された場合、結論から始めて結論で締める「PREP(プレップ)法」を用います。以下に詳しい回答方法をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
【面接で苦手な人を聞かれたら1】苦手な人のタイプを答える
まずは、「○○のような人が苦手です」「私が苦手とするタイプは、○○な人です」というように結論を述べましょう。最初に結論を述べることで、どのような人を苦手だと感じるかを端的に伝えられます。
【面接で苦手な人を聞かれたら2】苦手な理由を述べる
次は、先に述べたタイプの人を苦手だと感じる理由を説明します。なぜ苦手なのか、いつから苦手なのかなど、感情を言語化して伝えましょう。
【面接で苦手な人を聞かれたら3】具体的なエピソードを話す
続いて、苦手だと自覚した場面や、苦手な人との体験談など、具体的なエピソードを述べます。このステップを飛ばしてしまうと、あなたの主張に説得力が生まれません。
「なんとなく苦手」「気づいた時には悪印象を抱いていた」ではあなたの人柄や価値観が伝わらないので、過去のエピソードを思い出すことが重要です。
【面接で苦手な人を聞かれたら4】関わり方や対処法を述べる
苦手な人とどう関わったのか、どのように対処したかを述べましょう。会社という組織に所属すると、苦手だからといって距離を置いたり、関わらないようにしたりすることはできません。
例えば、「言葉の選び方に注意を払った」「相手の良いところを見つける努力をした」など、あなたが取り組んだことを洗い出してみてください。
【面接で苦手な人を聞かれたら5】苦手なタイプの人との入社後の関わり方を伝える
企業が知りたいのは、職場や取引先に苦手な人がいた場合どうするのか、どのように立ち回るか、といったあなたの意思や行動です。たとえ苦手なタイプの人がいたとしても、良好な人間関係を構築できることをアピールしましょう。
面接の回答に適した苦手な人の見つけ方
面接対策を講じている学生のなかには、苦手な人が見つからない方や、面接にふさわしい回答が思い浮かばない方もいるでしょう。
そんな学生に向けて、面接の回答に適した苦手な人の見つけ方を紹介します。
【面接で答える苦手な人1】自分の長所を裏返す
苦手な人が見つからない場合は、自分の長所を裏返して考えてみましょう。例えば、あなたの長所が責任感の強さだった場合、いい加減な人や飽きっぽい人を苦手と感じたことはありませんか。長所や強みには、自身が大切にしたいと考えている価値観が隠されています。苦手な人は価値観が合いにくい人と言い換えることもできるので、長所を裏返して考えるのは理にかなっているのです。
まだ自分の長所が見つかっていない学生は、キミスカの自己分析ツール「適性検査」で自己分析することをおすすめします。適性検査の受け方は、こちらの記事をご覧ください。
キミスカ適性検査の受け方と結果の見方!自己分析ツールの使い方を解説
【面接で答える苦手な人2】過去の経験を振り返る
苦手な人を見つけるには、改めて過去を振り返る必要があります。嫌だったことや苦しかったことを思い出すのは辛いかもしれませんが、面接対策の作業だと割り切って取り組みましょう。
過去の経験を振り返ると、苦手な人が複数人出てくる場合があります。その場合は共通点を探し、言語化を試みましょう。
【面接で答える苦手な人3】回答例を参考にする
苦手な人に関する質問には、面接にふさわしい回答例があります。以下の回答例を参考に、あなたの価値観に近いものを探してみましょう。
時間にルーズな人
優柔不断な人
協調性がない人
嘘をつく人
挨拶をしない人
ネガティブ思考の人
悪口を言う人
人の話を聞かない人
高圧的な人
責任感のない人
マナーに欠ける人
面接で苦手な人を答える際の注意点
苦手な人を聞かれたからといって、あけすけに答えていいわけではありません。以下の注意点を押さえたうえで、マイナスの印象をもたれない答え方を心がけましょう。
【面接で苦手な人を答える注意点1】「苦手な人はいません」は避ける
苦手な人が見つからない場合や、質問への回答を用意していなかった場合に「苦手な人はいません」と答える学生がいますが、この回答は避けるべきです。苦手な人がいないと答えてしまうと、嘘をついていると思われる可能性があります。
また、あなたの人柄や価値観が伝わらないので、面接までに回答を準備しておきましょう。
【面接で苦手な人を答える注意点2】陰口にならないように気をつける
苦手な人に対する嫌悪感から、質問への回答が陰口や悪口になってしまう場合もあるかもしれません。しかし、企業は陰口や悪口を聞きたいわけではないので、極端な批判は避けるべきです。
なお、「○○さん」「○○に所属する人」のように特定の人を指したり、個人を特定できる情報を述べたりするのもいけません。
【面接で苦手な人を答える注意点3】消極的な対処法は伝えない
苦手な人との関わり方を述べる際に、「距離を置く」「関わらないようにする」「別の人に対応してもらう」など、消極的な対処法を伝えるべきではありません。
苦手な人と関わらなければいけない状況に陥った場合、あなたはどう考え、どのような行動を起こすのでしょうか。嫌なことから逃げ出すイメージをもたれないように、苦手な人に歩み寄ろうと努力したことや、これからの取り組みを伝えましょう。
【面接で苦手な人を答える注意点4】差別的な表現をしない
差別的な表現や、人格を否定するような言葉選びをしてはいけません。これらは陰口や悪口の域には収まらず、名誉棄損罪や侮辱罪にあたる可能性があります。
人を傷つける発言ではなく、自分の意見を主張する発言を心がけてください。
面接における苦手な人の回答例文
ここでは、面接で苦手な人を質問された場合の回答例文を2つ紹介します。例文を参考に、あなたの価値観が伝わる回答を考えてみましょう。
【苦手な人の回答例文1】優柔不断な人
私が苦手な人は、優柔不断な人です。組織やチームに優柔不断な人がいると、物事がスムーズに進まなくなるためです。
私はアルバイトでイベントスタッフをしており、リーダーを務めた人が優柔不断なタイプの人で、人員配置や業務内容の説明が開場間際になったことがあります。
スタッフに焦りや不安が広がっていたので、スタッフの経験や希望を聞き取り、人員配置の参考にしてもらうことにしました。
入社後も視野を広くもち、立場をわきまえたうえで自分にできることに取り組んでいきたいと思います。
【苦手な人の回答例文2】マナーに欠ける人
私はマナーに欠ける人が苦手です。マナーを守らない人を見ると、相手をないがしろにしていると感じてしまうからです。
以前、数名のゼミ生で企業に取材へ行くことがあり、1人のゼミ生が遅刻してきました。その学生は服装もだらしなく、質問表も作成していませんでした。
その経験から、次の取材日にはグループLINEで到着時間を送り合うことと、服装の確認をし合うことをルールとしました。
入社後も特定の人のみに注意するのではなく、組織としてできることを試し、社員同士円滑なコミュニケーションを図りたいと考えています。
面接で苦手な人を聞かれたら対処法を伝えよう
面接で苦手な人について質問された場合は、「苦手な人はいない」「わからない」などと濁さず、苦手な人のタイプを正直に伝えましょう。その際は特定の人を指したり、陰口や悪口になったりすることのないように注意してください。
また、単に苦手な人を答えるだけでなく、その人との関わり方や対処法を伝えることを意識しましょう。さらに、苦手なタイプの人との入社後の関わり方で締めることで、入社後のあなたをイメージしてもらいやすくなります。