
面接の最後に「何か質問はありますか?」と面接官に質問された時、何を質問すれば良いか迷ってしまいますよね。「変な質問をして、評価が下がったらどうしよう…」と不安になる気持ち、とてもよく分かります。
そんな方に向けて本記事では、面接官に良い印象を持ってもらえる逆質問の最適な数から、具体的な質問の作り方、覚えておきたいポイントまで分かりやすく丁寧に解説します。
面接の逆質問は「3つ」準備しておこう
面接で「いくつ質問すればいいんだろう?」と迷ったら、まずは3つを目安に準備するのがおすすめです。
逆質問を1つしか準備していないと、面接官との会話の中で答えが判明し、逆質問することがなくなってしまう場合があります。また、集団面接の場合には自分が用意していた逆質問と同じ内容を面接中に他の学生に聞かれてしまうこともあります。
その場で慌てないためにも、業務内容・キャリア・組織文化などの性質の異なる質問を3つ以上用意しておくと、面接当日も落ち着いて対応できます。
面接で逆質問するときは1つでも問題ない
面接前に逆質問を予め用意しておく時は3つ以上あると安心です。しかし、実際に面接当日に3つ以上聞かなくてはいけないという意味ではありません。
逆質問の時間は基本的に面接の一番最後にとられています。そのため、3つ以上逆質問をしてしまうと面接の時間が超過してしまう可能性があります。面接では逆質問は1~2つにしておくと意欲もアピールでき、好印象を与えられるのでおすすめです。
そもそも面接官は逆質問で何を見ている?
企業が逆質問の時間を設けるのは、ただの質問タイムではありません。面接官はあなたの質問を通して、人柄や会社への興味の度合いを知ろうとしています。ここで良い質問ができれば、あなたの印象はぐっと良くなります。
それでは、面接官がどんなところを見ているのか一緒に確認していきましょう。
1. 志望度の高さ・入社意欲
逆質問をすることで「この会社に興味があります」「入社したいと思っています」という、あなたからのメッセージになります。面接を受けている会社のことをしっかり調べていないと、的を射た質問はできません。
そのため、面接官はあなたの逆質問からどれくらい自社に入りたいと思ってくれているかを感じ取っていることも多いです。
2. 企業への興味関心の深さ
逆質問は、あなたが会社のどんなところに興味を持っているかを知ってもらうチャンスです。例えば、会社の事業について一歩踏み込んだ質問をすれば、ビジネスそのものに関心があることが伝わります。
ホームページを読むだけでは分からないことを質問することで、「しっかりうちの会社を調べてくれているんだな」と面接官の心を掴むチャンスです。
3. コミュニケーション能力
逆質問は、面接官との会話の時間です。質問したいことを分かりやすく伝えられるか、相手の答えをきちんと理解できるか、といった基本的な話のキャッチボールができるかも見られています。
ただ質問を投げかけるだけでなく、面接官との会話を大切にすることがポイントです。難しい言葉を使わず、簡潔に質問することを心がけましょう。
面接で差がつく!逆質問の3つの対策ポイント
逆質問は、ただ質問するだけではもったいないです。他の人より一歩進んだ印象を残すためには、しっかりとした準備が大切になります。ここでは、あなたの評価をさらにアップさせるための3つのポイントを紹介します。このポイントを意識して、面接官に「おっ」と思わせるような逆質問を準備しましょう。
1. 自己アピールに繋がる質問を準備する
逆質問の時間を、あなた自身の魅力を伝えるチャンスとして活用しましょう。例えば「私は〇〇という強みがあるのですが、この強みは、入社後にどのようなお仕事で活かせそうでしょうか?」のように、自分の得意なことをさりげなく会話に含ませて質問するのも一つの手です。こうすることで、ただ質問をするだけでなく、入社後に活躍できる人材であることをアピールできます。
2. 入社後の活躍をイメージさせる質問を心がける
面接官に「この学生と一緒に働いてみたい」と思ってもらうことが、内定への大きな一歩です。そのためには、あなたが入社して頑張っている姿を、面接官に想像してもらうことが効果的です。
「一日でも早く会社に貢献できるようになりたいのですが、そのために今から勉強しておくと良いことはありますか?」といった質問は、やる気の表れとして良い印象を与えられます。
3. 質問の回答をさらに深掘りする準備をしておく
逆質問は、答えてもらって終わりではありません。例えば、面接官の回答に対して「なるほど、理解できました。ちなみに〇〇という点についてもう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?」と、さらに関心を示すことでさらに会話を深めることができます。
全部の質問でこれをする必要はありませんが、会話のキャッチボールをする中で気になる点は深めて質問することもできます。
【例文】面接で評価される質の高い逆質問
ここでは、実際に面接で使える、印象の良い逆質問の例文をカテゴリー別に紹介します。ぜひ参考にして、あなたらしい質問を考えてみてください。
文章をそのまま覚えるのではなく、自分の言葉で自然に話せるようにしておくことがポイントです。
仕事内容や入社後の働き方に関する逆質問
本日お話を伺う中で、御社の〇〇という取り組みに大変魅力を感じました。もしご縁があって入社させていただけた場合、私が携わる可能性のある部署では、現在どのような目標に向かって取り組んでいらっしゃいますか。
また、その中で新入社員にはどのようなことを期待されますでしょうか。
【ポイント】
具体的な事業内容に触れることで、会社のことをよく調べている姿勢が伝わります。さらに、新入社員に期待される役割を尋ねることで「入社して頑張りたい」という前向きな気持ちをアピールできます。
キャリアパスや成長環境に関する逆質問
御社で活躍されている若手社員の方に共通する考え方や習慣などがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
私も、一日でも早く成長して会社に貢献したいと考えているため、目標にしたい先輩方の姿を具体的に知りたいと思っています。
【ポイント】
「活躍したい」というポジティブな気持ちと、「そのために学びたい」という素直な姿勢が伝わる質問です。自分の成長について、真剣に考えていることを示すことができます。
企業の文化や価値観に関する逆質問
採用サイトで「チームワークを大切にする文化」があると拝見し、とても共感しました。
皆さまでチームとして目標に取り組む上で日頃から特に大切にされていることがあれば、ぜひ教えていただけますでしょうか。
【ポイント】
会社の考え方に共感していることを伝え、自分と会社が合っていることをアピールできます。「この人なら自社に馴染んでくれそうだ」と面接官に安心感を与える効果も期待できます。
【フェーズ別】面接段階ごとの逆質問と例文
逆質問は、面接の段階によって少しずつ質問の目的を変えるのがおすすめです。
それぞれの面接で、面接官が知りたいと思っていることは少しずつ違います。段階に合わせた逆質問を用意して、より効果的にあなた自身をアピールしましょう。
【一次面接】意欲と企業理解を示す逆質問
一次面接は、人事担当の方が面接官になることが多く「会社への興味」や「基本的な人柄」を知りたいと思っています。ここでは、会社のことをしっかり調べてきたことが伝わるようなやる気あふれる質問が良いでしょう。
仕事の細かい内容よりは、会社全体のことや働く環境についての質問がおすすめです。
ホームページで、御社が〇〇という社会貢献活動に力を入れていると拝見しました。どのような想いからこの活動を始められたのでしょうか。
【二次面接】業務への適性と具体性をアピールする逆質問
二次面接では、現場で働くリーダーや先輩社員が面接官になることが多いです。ここでは「入社後、うちの部署で活躍してくれそうか」という、より具体的な視点で見られています。
仕事内容について少し踏み込んだ質問をして、自分が働く姿をイメージしてもらいましょう。
〇〇様(面接官)が、このお仕事をしていて一番『面白い!』と感じるのは、どのような瞬間ですか。私も、やりがいを持って仕事に取り組みたいと思っています。
【最終面接】入社意欲と将来の貢献を伝える逆質問
最終面接は、役員や社長が面接官のことが多く、「この会社に入りたい!」という強い気持ちが問われます。
ここで大切なのは、入社したいという熱意と、会社の一員として頑張りたいという想いを伝えることです。あなたの覚悟を示す最後のチャンスだと考えましょう。
「本日の面接を通して、改めて御社で働きたいという気持ちが強くなりました。もし内定をいただけましたら、御社の一員として最高のスタートを切るために、入社までに何を準備しておくべきでしょうか。」
【要注意】評価を下げるNGな逆質問の例
とても良い時間だった面接も、最後の逆質問一つで印象が下がってしまうともったいないですよね。
ここでは、できれば避けておきたい質問の例を紹介します。うっかり聞いてしまわないように、事前にチェックしておきましょう。
1. 調べればすぐに分かる質問
「御社の社長のお名前は何ですか?」のように、会社のホームページを見ればすぐに分かる質問は、避けたほうが良いでしょう。
「あまりうちの会社に興味がないのかな?」と、面接官をがっかりさせてしまうかもしれません。事前に調べられることは調べておくのが、相手への思いやりです。
2. 給与や福利厚生など待遇面の質問
お給料や休暇日数は、働く上でとても大切ですよね。ですが、面接の場でいきなり質問するのは、あまり良い印象を与えないことが多いです。
「仕事そのものより、働く環境のことばかり気にしているのかな?」と思われてしまう可能性があります。
3. 「はい/いいえ」で終わる質問
「研修はありますか?」のような、「はい」か「いいえ」の一言で終わってしまう質問は、会話が広がりにくいので少しもったいないです。
質問する時は、「研修はどんな目的でどのような内容のものを実施されていますか?」のように相手が具体的に話せるような聞き方をすると、より多くの情報を得ることができますよ。
4. 面接官が答えられない・答えにくい質問
会社の経営に関する専門的すぎる質問や面接官のプライベートに関する質問は、相手を困らせてしまいます。あくまでもお仕事に関する面接の場だということを忘れずに、相手の立場を考えた質問を心がけましょう。
こうした配慮ができることも、立派なアピールポイントになります。
【状況別】逆質問に関するQ&A
逆質問の時間には、思ってもみなかったことが起きるかもしれません。ここでは、多くの就活生が悩みやすい場面別に上手な対応方法を紹介します。
いざという時に慌てないように、心の準備をしておきましょう。
Q. 用意した質問の答えが面接中に分かってしまったら?
逆質問の内容が解決してしまっても問題ありません。それは面接官との話が弾んだ証拠です。
このような場合は正直に、「ありがとうございます。お伺いしようと思っていた点については、今のお話で理解することができました」と伝えましょう。他にも「〇〇についてお伺いしたいと思っておりましたが、先ほどのご説明で解決できました」と話すのも良いです。
もし追加で気になることがあれば「よろしければ、お話を聞く中で新しく気になったことを一つ質問してもよろしいでしょうか?」と切り出せると、柔軟な対応力とやる気を同時にアピールできます。
Q. 逆質問が思いつかない時はどうすればいい?
逆質問をするタイミングで「特にありません」と答えるのは、もったいないかもしれません。採用担当者に「やる気がないのかな」「興味がないのかな」と思われてしまう可能性があるためです。
どうしても逆質問が浮かばない時は、無理に考えるのではなく感謝の気持ちを伝えるのもひとつの方法です。
「本日のご説明で細かなところまでご説明いただいたので疑問点がすべて解消されました。お話を伺って、御社で働きたいという気持ちがますます強くなりました。ありがとうございます」と伝えれば、あなたの前向きな気持ちはきっと伝わります。
Q. 集団面接で自分が聞くつもりだった質問を他の学生に取られてしまった時は?
集団面接では、これは「あるある」なので、慌てなくても大丈夫です。
まずは、他の学生の質問とそれに対する面接官の回答をしっかり聞きましょう。その上で、「先ほど〇〇さんのご質問と少し関連するのですが」と前置きをして、答えをさらに一歩深掘りするような質問をしてみましょう。そうすることで、人の話をしっかり聞ける力と、その場で応用して考えられる力をアピールできます。
合わせて、面接前に予備の質問を含めて3つ以上逆質問を準備できると安心です。
逆質問を3つ以上用意して面接に臨もう!
今回は、面接での逆質問の数や、良い印象を与えるためのポイントについて、詳しくお話しました。逆質問は、面接の最後にあなたの熱意や人柄をアピールできる大切な時間です。
最適な数である「3つ」を目安にあなたらしい素敵な質問をしっかり準備することで、面接官に良い印象を与え、内定に一歩近づくことができるでしょう。面接前に準備と対策をしっかり進めていきましょう。