就活の面接ではさまざまな質問をされますが、なかにはタブー視されているNG質問もあります。万が一、職業安定法に抵触する質問をされた場合は、無理に答える必要はありません。
本記事では、面接のNG質問8タイプと聞かれた時の対処法、学生側が気をつけるべきNG逆質問をまとめて紹介しているので、面接前に確認しておきましょう。
面接官には学生に聞いてはいけないNG質問がある
就活の面接では志望動機や自己PRなど、さまざまなパターンの質問をされます。しかし、なかには企業が学生に聞いてはいけないNG質問もあり、学生にどのような質問をしてもよいわけではありません。
職業安定法第五条の五では、「その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。」と定められています。
出典元:職業安定法 | e-Gov法令検索
つまり業務の目的の達成に必要のない情報を収集することは認められておらず、学生にNG質問をした企業は行政処分を受ける可能性もあるのです。また、NG質問をしたことがSNS上で拡散されてしまえば応募者が激減するだけでなく、損害賠償請求の訴訟を起こされたり、会社の評判が下がって株価が下がったりすることもあります。
面接でタブー視される8タイプのNG質問
就活の面接ではNG質問があると述べましたが、具体的にどのような質問がタブー視されているのでしょうか。ここでは、面接でNGとされる8タイプの質問を紹介します。
【面接のNG質問1】本籍や出生地に関する質問
面接官が学生に対して、「本籍はどこですか」「出生地はどこですか」と質問するのはNGです。また、戸籍謄本および戸籍抄本や、本籍が記載された住民票を提出させる行為もタブーとされています。
【面接のNG質問2】家族に関する質問
両親や兄弟、配偶者に関する質問もNG質問の一種です。家族の職業や学歴、健康状態など、あなたの努力では解決できない質問に答える必要はありません。
【面接のNG質問3】男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある質問
例えば、「結婚の予定はありますか」「将来的に子どもは欲しいですか」「出産後も仕事を続ける予定ですか」など、男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある質問はすべてNGです。
こうした恋愛や結婚観、出産に関する質問はセクシャルハラスメントにもあたるため、面接で答える必要はありません。
【面接のNG質問4】住居に関する質問
「あなたが住んでいる家は賃貸ですか、持ち家ですか」「あなたが生活している地域の魅力は何ですか」など、住居や地域に関する質問もタブー視されています。
【面接のNG質問5】宗教に関する質問
「信仰している宗教はありますか」「神仏を信じますか」など、宗教に関する質問もNGです。就活の面接では思想の自由や信教の自由に配慮した質問が求められるため、信仰の有無や宗派を選考基準にすることは適切ではありません。
【面接のNG質問6】支持政党に関する質問
支持している政党や、選挙で投票した政党を聞く質問もタブーとされています。政治に関する話題は思想・信条の把握につながるため、面接の質問としては不適切です。
【面接のNG質問7】尊敬する人物に関する質問
「尊敬する人物はいますか」「目標とする人を教えてください」など、尊敬する人物について質問することは基本的人権の侵害につながる恐れがあります。この質問は就活の面接の頻出質問の一つであり、NG質問だと捉えていない企業も少なくありません。
【面接のNG質問8】愛読書や購買新聞に関する質問
「好きな作家はいますか」「どこの新聞を購読していますか」など、愛読書や購買新聞に関する質問もタブー視されています。これらは面接のアイスブレイクとして聞かれることもありますが、信条・思想につながるため学生に質問するべきではありません。
面接でNG質問をされた場合の対処法
数多くの企業の面接を受けていると、NG質問と知らずにタブー視されていることを学生に質問してくる企業に遭遇することもあるでしょう。その場合、学生は一体どのような態度をとればよいのでしょうか。
そこで、ここからは面接でNG質問をされた場合に試してほしい対処法を3つ紹介します。
【面接のNG質問への対処法1】答えない
基本的には、「その質問にはお答えできません」の一言で済ませてしまって構いません。そもそもNG質問をしてくる企業への入社は避けるべきです。
あまりに悪質な場合は、「その質問は職業安定法の第五条の五に抵触していますが、それでも答えなければいけませんか」と言い切ってしまってもよいでしょう。その場で答えて深く傷つくより、自分の心を守ることのほうが大切です。
ただし、企業側に悪意がないことが分かり、穏便に済ませたいと考えた場合は「申し訳ございません。家族のプライバシーに関わるため、私の一存では回答できません」「大変恐縮ですが、今はお答えできません」など、丁寧に断ることをおすすめします。
【面接のNG質問への対処法2】驚いた表情や苦笑いをする
一人の面接官だけが不適切な質問を繰り返し聞いてくる場合は、驚いた表情や苦笑いでかわすのも一つの手です。他の面接官が手を差し伸べてくれるのを待ちましょう。
就活の面接は企業が学生を評価する場ではありますが、学生も企業を評価する場であることを覚えておいてください。NG質問はマナー違反であるだけでなく、法律違反となる行為なので、すべてに答える必要はありません。
【面接のNG質問への対処法3】笑顔でかわす
面接のアイスブレイクとしてNG質問をされた場合は、爽やかな笑顔で「分かりません」「今から考えます」と流してしまうのもありです。こうすれば角が立たず、かわせる場合もあるので企業側の出方を待ってみましょう。
学生側も気をつけて!面接のNG逆質問3つ
ここまでは企業から学生へのNG質問を紹介してきましたが、じつは学生が気をつけるべきNG逆質問もあります。以下のような逆質問は悪印象をもたれる可能性があるので、別の逆質問を用意しましょう。
【面接のNG逆質問1】企業研究不足が露呈する質問
業界・企業研究を怠ったまま面接に臨むと、志望度が低いと思われてしまいます。逆質問でいうと、「企業理念を教えてください」というような質問はNGです。
具体的には、企業の公式サイトを見れば分かることや、採用ページに記載されている内容を質問するのは避けましょう。他の学生と逆質問が被り、何を聞いたらよいのか分からなくなった場合は、面接の感想や感謝を伝えるのがおすすめです。
【面接のNG逆質問2】自信のなさを強調する質問
「ノルマを達成できなかった場合はどうなりますか」など、自信のなさが伝わる逆質問はNGです。こうした発言や姿勢は、仕事に対して消極的なイメージを与えてしまいます。
新卒採用面接を受けている学生は、全員が社会人未経験です。不安な気持ちは分かりますが、それ以上にやる気や前向きな姿勢をアピールしましょう。
【面接のNG逆質問3】給与・休日・待遇に関する質問
給与や休日、福利厚生など待遇に関する逆質問はおすすめできません。これらは就職先を選ぶうえで大切なポイントではありますが、悪印象をもたれる可能性があるためタブー視されています。
待遇に関しては採用情報ページで確認し、平均年収については就職四季報を参考にしましょう。
面接でタブー視されるNG質問には答えなくて大丈夫
面接でNG質問をされた場合は、基本的には答えなくても問題ありません。どうしても答えたくないNG質問をされたら、表情や仕草で受け流すか、きっぱりと回答を断りましょう。
そもそもNG質問と知らずにタブー視されていることを聞いてくる企業には、入社しないことが賢明です。逆求人型就活サービスを提供するキミスカに登録し、優良企業からのスカウトを待ちましょう。