就活では、就活生の学力や個性を確かめるためにSPIや筆記試験などが実施されることも珍しくありません。しかし、企業によっては一般常識を問う試験をおこなうこともあり、適性検査などとは違った対策が必要となります。
そこで、本記事では一般常識の概要や出題テーマ、例題を紹介します。また、自分で勉強する際の方法についてもまとめているので、ぜひ試験対策に役立ててください。
就活における「一般常識」とは?
就活生の基礎学力を確認するためにおこなわれるテストで、企業が独自に作成しています。それほど難しい問題が出ることはなく、中学生・高校生レベルの問題が主に出されます。
ただ、問題が難しくないからといって、対策せずに受験するのは避けましょう。企業がどういった意図で一般常識を問うのか、どんな科目の問題が出されるのかなど、あらかじめ把握しておくのがおすすめです。
就活で「一般常識」を出題する企業の意図
企業が一般常識の問題を出すのは、学生の基本的な学力を確かめるだけでなく、社会人として最低限必要な教養や知識が備わっているかを確認するためです。
また、大手企業や有名企業などは応募者の数が多いため、一般常識の試験をおこなうことで就活生をふるいにかけ、効率的に選考を進めることを目的にしている場合もあります。
就活「一般常識」の出題範囲・科目
「一般常識」と聞くと、時事問題を想像する学生もいるかもしれませんが、出題範囲は多岐にわたります。
国語
数学
理科
社会
英語
文化・時事問題
ビジネスマナー
このように一般常識として就活生に出題する科目は広範囲に及びます。また、問題は企業が独自に作成している場合が多いため、テストの難易度や出題傾向が企業ごとに異なることは把握しておきましょう。
就活「一般常識」と「適性検査」の違い
適性検査はSPIや玉手箱、TG-WEBなどがあり、一般常識問題と混同する人もいますが、試験内容が異なるため注意が必要です。例えば、SPIでは言語分野・非言語分野などを問う「能力検査」と、学生の価値観などを問う「性格検査」がおこなわれ、時事問題などは出題されません。
適性検査については以下の記事で解説しているので、SPIなどの試験対策をする際の参考にしてください。
【例題付き】就活「一般常識」の出題テーマ7つ
ここからは、一般常識のテーマ別に例題を紹介します。また科目ごとにどういった問題が出されるのかも解説するので、得意分野・苦手分野を確認していきましょう。
【就活・一般常識の出題テーマ1】国語の例題
国語では、主に以下の問題が出されます。
漢字の読み
尊敬語・謙譲語の使い方
四字熟語
ことわざ
同音異義語
対義語
慣用句
長文読解
この中でも、漢字に関する問題は頻出ですが、穴埋めや読み書き、反対語などさまざまな形式で出題される点は把握しておきましょう。
Q1「次の対義語を答えなさい」
・温暖
・片道
・疎遠
答え:寒冷、往復、親密
Q2「( )内に入る適切な語を選び、漢字に直して四字熟語を完成させてください」
・汚名( )
・( )依然
・意味( )
[きゅうたい・しんちょう・へんじょう]
答え:汚名返上、旧態依然・意味深長
【就活・一般常識の出題テーマ2】数学の例題
数学の頻出問題は以下です。
四則演算
因数分解
面積の出し方
電卓を使用した計算
時間・距離・速さの計算
原価率の計算
企業によっては、基本的な計算の四則演算をはじめ文章問題を出すところもあります。それほど難しい問題が出ることはありませんが、回答の速さや正確性が問われることもあるため、回答に慣れておくのが重要です。
Q1「空欄に当てはまる数字を答えよ」
8+12÷( )=11
答え:4
Q2「1,000,000ミリリットルをリットルに換算すると何リットルか」
答え:1,000リットル
【就活・一般常識の出題テーマ3】理科の例題
理科も中学生・高校生レベルの問題が出されます。
生物
化学
物理
地学
業界などによって問題のジャンルに偏りがある場合も珍しくありませんが、一般企業でも理科の一般常識が問われることもあるため、注意が必要です。
Q1「物体が加熱され、固体から液体に変化することを何という?」
答え:融解
Q2「植物が光合成を行うために必要なものを挙げよ」
答え「光、水、二酸化炭素」
【就活・一般常識の出題テーマ4】社会の例題
社会の問題は幅広く、時事問題に近い内容が出てくる場合もあります。
日本史
世界史
政治
経済
地理
出題範囲が幅広いため、社会に関する問題は特に意識して対策をしておきましょう。
Q1「石油輸出国機構を示すものは次のうちどれ」
・OECD
・OPEC
・IFA
・ODA
答え:OPEC
Q2「円安のデメリットを答えなさい」
答え「輸入製品や原油の値上がりによって、輸入に頼っているエネルギー資源や食材などの価格が上がること」
【就活・一般常識の出題テーマ5】英語の例題
続いて、英語の頻出問題は以下です。
単語
熟語
文法
文章の並べ替え
長文読解
作文
英語はSPIなどの適性検査と似たような問題が出る場合もあるため、基本的な問題に慣れておくのがおすすめです。
【一般常識・英語の例題】
Q1「( )に単語を入れ、日本語に該当する英熟語を完成させなさい」
・参加する:take ( ) in
・我慢する:put ( ) with
答え:part、up
Q2「( )に語を入れ、日本語訳に対応する英文を完成させなさい」
・彼女は私と同じ数のペンを持っている:She has ( ) many ( ) I have.
・あなたはそれをしないだけの分別がある:You are bright ( )not to do so.
答え「as、enough」
【就活・一般常識の出題テーマ6】時事の例題
一般常識で特徴的なものが時事に関する問題です。
政治
経済
科学技術
環境問題
国際情勢
文化
スポーツ
時事問題は、日頃からニュースや新聞にアンテナを張っていれば答えられるものがほとんどです。社会人になると顧客と商談するシーンも多いため、最低限の教養を身につけているかどうかが問われています。
Q1「現在の総理大臣の名前をフルネームで答えよ」
答え:岸田文雄(2024年時点)
Q2「梶井基次郎が書いた作品は次のうちどれか」
・白鯨
・門
・檸檬
・仮面の告白
答え「檸檬」
【就活・一般常識の出題テーマ7】ビジネスマナーの例題
一般常識では、ビジネスマナーに関する問題が出されるケースもあります。
敬語の使い方
電話対応の正誤
専門用語
敬語の使い方などのビジネスマナーをはじめ、企業によっては専門用語の理解度を確かめる場合もあるため、企業ごとに出題傾向を調べておいた方が良いでしょう。
Q1「次の中から謙譲語に該当する言葉はどれ」
A.ご覧になる
B.見ます
C.拝読する
D.会います
答え「C」
Q2「D2Cの意味として適切なものを次から選べ」
A.企業が法人に対して商品やサービスを提供するビジネス形態
B.企業がECサイトを通じて顧客に製品を販売する方式
C.ビジネスの最終目的を定量的に評価する指標
D.意思決定をする際の評価構造を明確にする分析手法
答え:B
就活生にオススメの「一般常識」対策3つ
ここまで一般常識の問題について解説してきましたが、どういった対策があるのでしょうか。ここでは今すぐできる対策法などを紹介します。
【就活の一般常識対策1】新聞・ニュースをチェック
まずは普段から新聞やニュースをチェックする習慣をつけましょう。話題になっている出来事をはじめ、内容を説明したり自分の意見をまとめたりするのもおすすめです。
また、志望する企業や業界に関する話題は、特に意識して確認しておきましょう。丸暗記する必要はありませんが、どんな出来事があって、現在はどうなっているのかを把握しておくことがポイントです。
【就活の一般常識対策2】過去問で慣れておく
問題集を買って過去問に慣れておきましょう。中古など昔の問題集だと出題傾向が変わっていたり、時事問題のトレンドにズレが生じたりする可能性があるため、できるだけ新しいものを使うのがおすすめです。
また、近年はスマホアプリで一般常識のクイズを出してくれるものもあるので、移動中などちょっとした隙間時間を活用しても良いでしょう。
【就活の一般常識対策3】キャリアセンターのサポートを受ける
大学によっては、キャリアセンターで一般常識の試験に関するサポートをおこなっているところもあります。おすすめの参考書を教えてくれたり、就活で何から準備をすればいいか相談に乗ってくれたりするので、困ったことがあればキャリアセンターに頼ってみてください。
一般常識は就活後も必要!今のうちに教養を身につけよう
一般常識に関する問題は、あくまでも今のあなたの学力や教養を確かめるためのものです。しかし、一般常識は社会人になってからも常にアップデートが必要なものなので、今のうちに基本的なことは身につけておきましょう。
もちろん就活はやるべきことが数多くあるため、自分の中で優先順位を決めることも重要です。これから一般常識の試験を受ける方は、ぜひ本記事を参考に試験対策を進めてみてください。