就活のなかでも重要なプロセスである「企業研究」。企業研究の仕上がりによってエントリーシートや面接の質が左右されると言ってもいいほど、企業研究は合否に直結すると考えられています。
就活が近づくと当たり前のように企業研究という言葉が使われますが、そもそもどのような作業を指すのかについてピンときていない学生も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、企業研究とはどのようなものなのかについて、基本的な知識を徹底解説します。これから就活を始める学生はもちろんのこと、就活に行き詰まっている学生もチェックしてみてください。
企業研究とは?就活で行う2つの目的
まずは、企業研究を行う2つの目的について紹介します。
【企業研究の目的とは】企業を理解して選考対策をするため
企業研究のおもな目的は、企業を理解して選考対策をすることです。企業のことを知らないと、「どうして入社したいか」「入社してどのような仕事をしたいのか」が見えてきません。企業独自の特徴や他社との違いを理解することで、「この企業でないとだめ」と人事を説得できる志望動機が作れます。
また企業研究をすることで、企業の社風や求める学生像がわかってきます。企業が求める学生像に合った適切な自己PRなどが作成できるようになり、選考の通過率がグッとアップするでしょう。
【企業研究の目的とは】入社後のミスマッチを防ぐため
入社後のミスマッチを防ぐことにも、企業研究は役立ってくれます。企業のことを知らないまま入社すると、「思っていた業務と違う」「社風が合わない」などのミスマッチが生じ、すぐに退職する原因となってしまいます。
こういった入社後の後悔は、しっかりと企業研究をすれば防ぐことが可能です。またほかの企業とよく比較し、企業をよく知ってから入社を決めたという自信は、入社後のモチベーションや企業への愛着にもつながります。
企業研究とは|企業を知るために役立つツール
次に、企業研究をするためのツールを紹介します。
企業研究というと、求人サイトや会社案内などを思い浮かべる学生も多いかもしれませんが、ほかにも多くの方法が活用できます。これから紹介するツールを組み合わせて、より多くの情報を収集していきましょう。
【企業研究のツールとは】インターネットで調べる
もっとも手軽なのは、インターネットを使った企業研究です。企業のホームページはもちろんのこと、採用サイトの情報や企業が発信しているブログ・SNSなどのコンテンツなども企業研究に役立ちます。
最近は選考内容や社員の口コミが見られるサイトも増えてきたので、参考にしてみてもいいでしょう。ただし、こういった口コミサイトの情報は必ず正しいとは限らないので、ほかのツールと比較しながら信用できる情報を見極めていく必要があります。
【企業研究のツールとは】書籍や新聞でリサーチ
四季報や業界地図など、企業の情報をまとめた書籍を活用して企業研究してもいいでしょう。ただし、地元企業や中小企業については掲載がないケースが多いため注意が必要です。
新聞を取っている場合は、気になる業界や企業の記事を切り抜いてノートに貼り付けておくと、エントリーシートの作成時や面接直前に見返しやすくなります。
【企業研究のツールとは】会社説明会で生の声を聞く
個別説明会もしくは合同説明会、大学で開かれる説明会などで企業研究をすることも可能です。実際に企業で働いている社員に質問できるため、ネットや書籍ではわからないような、ここでしか聞けない情報が得られます。現場で働く従業員からリアルな情報を得るためにも、会社説明会に参加したときは疑問点について積極的に質問することを意識してくださいね。
説明会や質疑応答の内容だけではなく、社員同士のコミュニケーションのとり方や社員の性格や雰囲気も企業研究の参考になります。
【企業研究のツールとは】OB・OG訪問を行う
OB・OG訪問も、企業研究にはおすすめです。志望企業に知人がいる場合は直接お願いしてもいいですし、ツテがない場合はキャリアセンターから紹介してもらうことも可能です。
1対1で社員の生の声を聞けるため、企業説明会などでは聞きにくいような踏み込んだ質問もできます。実際に入社した先輩がどのようなキャリアを歩んでいるかがわかるので、よりリアルな入社後のビジョンが見えてくるでしょう。
【企業研究のツールとは】インターンに参加する
インターンは、学生にとってもっとも企業研究を深められるチャンスです。実際に会社に訪問したり業務を体験したりして、実践的な経験が積めるためです。
ほかの方法ではわからない職場の空気感や社員の働き方について身をもって体感できるため、志望動機の差別化やミスマッチを見極めることに役立ちます。インターンについての知識を深めたい学生は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
企業研究とは|企業について知るための進め方
ここからは、紹介してきたツールを使った企業研究の進め方について紹介します。企業研究の内容は記録に残しておくことが重要なので、A5サイズのノートを用意して以下の内容をまとめていきましょう。
なお、企業研究と一緒に業界研究も行っておくと就活が有利に進められます。業界研究の進め方については、以下の記事を参考にしてください。
【企業研究の方法とは】企業の特徴をまとめる
はじめに、研究したい企業の基本情報をまとめていきましょう。ここでまとめておきたい情報としては、以下のようなものが挙げられます。
- 企業情報の基本
- 事業内容
- 代表者名
- 歴史
- 企業理念や社訓
- 労働条件
- 福利厚生
- 会社独自の制度
- 選考スケジュール
こういった情報は、企業のホームページや会社案内などから手に入れられます。
なお、全てを手書きでまとめると時間がかかってしまうため、印刷して貼り付けておいても問題ありません。就活ではエントリーシートの作成や面接など、ほかにも準備しておくべきことがたくさんあるので、時短できるところは積極的に時短していきましょう。
【企業研究の方法とは】業界内の立ち位置や他社との違いを理解する
次に、「企業が業界内でどの立ち位置にいるのか」「他社との違いは何か」について理解していきます。チェックしておきたいのは、以下のポイントです。
- 主要商品と業界シェア率
- IR情報
- 業界内でも珍しい独自の特長
- 事業規模
- 関連するニュースやプレスリリース
- 業態や取引先・販売先
- 独自の商品やテクノロジー
ここで知りたいのは、企業の現状と今後の戦略です。とくに、ほかの企業とは異なるサービスや特長を持っている場合は、必ず詳しく調べておいてください。
志望動機や面接の受け答えに盛り込めると、発言の深みが一気に増すでしょう。
【企業研究の方法とは】将来性や自分との相性を考える
企業についての「客観的な事実」がまとめられたら、最後に企業の将来性やあなたが魅力に思う点、反対に懸念する点を箇条書きでまとめていきます。
前項までの情報収集は全員が同じ結果になりますが、ここからは調べた情報を自分に落とし込んで、あなただけの考えを導き出す作業になります。そのため学生一人ひとりの思考を反映した、独自性の高い内容に仕上げることが大切です。
- 将来性があって、自分の掲げる目標が達成できる企業か?
- 業務内容は自分の性格に合っているか?
- 自分が考える企業の強みはなにか?
上記のように、企業と自分の相性についてしっかりと分析していきましょう。さらに、企業研究の内容から見えてきた課題や懸念点に関する対応策とその背景を分析できれば、より深い企業研究につながります。
企業研究とは|行うときのポイント
企業研究を行うときは、紹介してきた進め方や情報を踏まえることはもちろんのこと、さらに選考を有利に進めるためのポイントを押さえておくことが重要です。
企業研究では、以下の2つのポイントを意識すると、より人事に刺さるエントリーシートや志望動機の作成ができるようになります。
【企業研究のポイントとは】この企業でないとだめな理由を探す
企業研究をするときは、その企業にしかない特徴を探して「ここじゃないと絶対にだめな志望動機」を作ることを意識してください。ほかの企業でも当てはまる無難な志望動機だと、志望度や熱意が低いと思われてしまい、多くの学生の中で採用を勝ち取ることはできません。
ポイントは、「企業独自の強みや取り組み」と「自分の経験や価値観」を組み合わせた志望動機を作ることです。そうすることで企業研究をしっかりと行ったことをアピールしつつ、ほかの学生には作れないオリジナリティの高いないように仕上げられるでしょう。
より志望動機にするためにも、企業だけではなく業界研究をすることも非常に重要です。
志望動機の作成方法については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
【企業研究のポイントとは】自己分析も一緒に行う
企業研究をするときは、必ず自己分析もセットで行うようにしましょう。企業だけではなく自分についても知っておくことで、業務へのマッチング度合いを正確に分析できます。
企業の魅力にくわえ、「自分の強みがどう活かせるか」「入社後の目標は叶えられそうか」などについても分析しておいてください。エントリーシートや面接における、自己PRや入社後のビジョンなどについての幅広い質問に答えられるようになり、より好印象を残せるでしょう。
自己分析をしたいときは、ぜひキミスカの適性検査を活用してみてください。
企業研究とは、自分らしい就活に欠かせないプロセス!
企業研究は企業について知るだけではなく、自分との相性や入社後のビジョンを見極めることができる、就活には欠かせないプロセスです。企業研究の際は企業の情報を収集したうえで、調べたことを自分に落とし込んで、自分だけの考えや意見につなげることが内定への近道になるでしょう。
企業研究は非常に大切な作業ですが、単体では十分な効果を発揮してくれません。業界研究や自己分析と組み合わせて万全の体制で選考に挑めると、就活をスムーズに進められるようになります。