近年急増している「就活うつ」ですが、具体的な症状はどのようなものがあるのでしょうか?また未然に防ぐ予防法や、なってしまった後の効果的な対処法はどういったものなのかなど、就活生を悩ませる「就活うつ」について徹底的に解説をしていきます。
「就活うつ」の症状とは?
「就活うつ」とは、就活で失敗した経験が心に残り、抑うつ状態になることを指します。主な症状として、以下に挙げた精神障害が特徴的です。
やる気が起きなかったり思考力が低下したりと、その症状は様々。重度のうつ状態になれば就職活動だけでなく、普段の生活に支障をきたす恐れがあります。
日本労働組合総連合会の調査によれば、就活生の30%近くが就活に不安を感じているという結果が出ました。全ての人が就活うつになるとは言い切れませんが、不安に感じているために就活うつになってしまう人もいるのです。
「就活うつ」になりやすい人の特徴
就活うつになってしまう人には共通の特徴があります。これらの特徴に当てはまっているからといって、必ず就活うつになってしまうというわけではありません。ですが、なってしまう可能性があることを頭に入れておくだけでも、未然に防げるかもしれませんので必ず確認しておくようにしてください。
【就活うつになりやすい人の特徴1】真面目な性格
何ごとも真面目に取り組めることは素晴らしい事ですし、就活では武器として用いることもできます。しかし、時にはそれが裏目に出てしまう事もあります。
就活はどんな人でも失敗するものです。そもそも就活は企業と学生の相性を重視しているため、どんなに素晴らしい強みを持っていようとマッチングしなければ良い結果は望めません。そのため、ダメだったとしても「この会社は私には合わなかったんだ」と割り切ることも必要なのです。
しかし真面目な性格である人は結果を真摯に受け止めてしまう傾向があるため、精神的に大きくダメージを食らってしまう事が多くあります。真剣に取り組むことは素晴らしい事ですが、あまり自分を責めすぎると、かえって逆効果を招いてしまう事がありますので注意が必要です。
【就活うつになりやすい人の特徴2】自尊心が強い
「プライドが高すぎる」「何事にも完璧を求める」「負けん気が強すぎてしまう」などの特徴がある人も就活うつになりやすいです。自身の学歴や成績が良く、自己評価が高ければ高いほど、就活で失敗をしてしまった時の落ち込み幅が大きい傾向にあります。
自尊心が強い人がそれを傷つけられてしまうと、立ち直るのに多くの時間を要します。負けず嫌いな性格やプライドがあることは誇らしいことですが、何事も行き過ぎては逆効果になってしまいかねませんので注意してください。
【就活うつになりやすい人の特徴3】周りが気になってしまう
周りのことが気になってしまう人も就活うつになってしまう危険があります。就活中は採用された人に目が行ってしまいがちですが、周りと比べる必要は全くありません。
内定をもらった人と自分を比較していると視野が狭まり、「自分はダメだ…」と思い込んでしまいがちです。就活はあくまで個人戦だということを意識し、自分のペースで進んでいきましょう。
「就活うつ」にならないための予防法
上記で解説した就活うつになりやすい人の特徴に当てはまった人はもちろんですが、あまり当てはまらなかった人でもなってしまう可能性はあります。そのため、どんな人も普段から予防を心がけておいて損はありません。日常的にできる就活うつの簡単な予防方法を4つ解説していきます。
【就活うつの予防法1】適度に体を動かす
就活うつに大きく関係してくるのがストレスの蓄積です。就職活動中はそのストレスをいかにため込まないかが大切になります。そのストレスを手軽に発散することができるのが運動です。
「運動をしろ」と言われるとマラソンや筋トレなどの激しい運動をイメージするかもしれませんが、ストレス発散をするだけならウォーキングなどの軽いもので問題ありません。「ちょっとそこらの公園まで散歩してみようかな」くらいの運動でいいので、週に1.2回程度体を動かす機会を設けることでストレスの蓄積が解消されます。
【就活うつの予防法2】日光浴をする
太陽の光を浴びると「セロトニン」という脳内物質が活性化されます。セロトニンとは神経伝達物質で、感情や気分のコントロールや精神の安定に大きな影響を与えるものです。セロトニンが不足すると、集中力の低下や睡眠障害、疲労感、焦燥感を招いてしまいます。
就活うつになってしまう人は、このセロトニンが足りていない可能性が高いです。「最近太陽の光を浴びていないなぁ…」と心当たりがある人は、積極的に日光浴をしてみることをおすすめします。
【就活うつの予防法3】しっかりした食事を摂る
連日就活が続くと忙しくて「3食しっかり食べられていない」状況が続いてしまうことも珍しくありません。日々の食事を疎かにしてしまうと様々なところで悪影響を及ぼします。
どうしてもスケジュール的に食べられない日ができてしまうのは仕方ないことですが、時間が作れる日はできる限り3食しっかりと摂るようにしましょう。
【就活うつの予防法4】夜更かしをしない
睡眠不足はストレス蓄積に大きく影響してきます。一般的に睡眠時間が6時間未満になると、翌日の日中に強い眠気を感じるようになります。こうした睡眠不足が続くと日中でも慢性的な眠気が生じ、疲れやすさや集中力や注意力の低下、イライラ感などが起こって日常生活にも支障が出てくるのです。
ESを書かなければならなかったり、勉強やバイトが忙しかったり、各々の事情はあるかと思いますが、自分なりに睡眠時間を確保して万全な状態で就活に臨めるようにしましょう。
「就活うつ」になってしまった時の対処法
次に、就活うつになってしまった時の対処法についてご紹介します。自分が本気で「働きたい」と思った企業の選考で不採用を言い渡されたら、誰でも落ち込みます。それだけ真剣に就職活動に臨んでいたという証拠ですので、就活うつになってしまったとしても自分を責める必要はありません。
しかし、いつまでも抑うつ状態が続いては、その後の自分の人生に支障を及ぼしかねません。鬱々とした気持ちが続く人は、以下で紹介する方法を試してみてください。
【就活うつの対処法1】就活を休む
鬱々とした時間が続く方は、思い切って就活を一旦休むという選択をとることも視野に入れていきましょう。自分である程度の期間を定め、就活のことを一切考えない時間を作って心と体を休めると、落ち込んでいた気分もリフレッシュされることでしょう。
「休んでいたら置いてかれてしまう」と焦るかもしれませんが、鬱々とした気分のまま就活を続けていても上手くはいきません。また、そのような状態で体に鞭を打ちながら活動すると、今後に影響するような後遺症が残ってしまうかもしれません。そのため、自分が就活うつかもしれないと感じたら、無理をせずに一旦休んでみてください。
【就活うつの対処法2】精神科で診てもらう
就活に関係のないことすらもやる気が起きず、ご飯がのどを通らなかったり、夜眠たいのに全然眠れなかったりする場合は精神科で診察してもらうことをおすすめします。「精神科なんて大げさな…」と思われるかもしれませんが、”鬱”は立派な病気です。
薬を処方してもらうことで良くなることもありますし、専門の先生に診てもらうことで何か改善への手がかりが見つかるかもしれません。何はともあれ悪化する前に一度病院にかかることも選択肢として考えてみましょう。
【就活うつの対処法3】両親に相談する
忘れてしまいがちですが両親は皆さんの一番の理解者です。その一方で社会の厳しさ、理不尽さも十分にしっている人生の先輩でもあります。自分の状況を理解して回復の手助けをしてもらえると、精神的にも楽になりますし、経済的にも助かるなんてこともあるかと思います。
これは直接的な対処法というわけでは無いので、相談したからといって治るわけではありませんが、孤独感や焦燥感からは解放されることでしょう。こんな時こそ両親を頼ってみてください。
【就活うつの対処法4】思い切って就活をやめる
思い切って就活をやめてしまうのも1つの選択肢です。就活サービスを運営している我々がこんなことをいうのはおかしいかもしれませんが、就活を無理に続ける必要は無いのです。
就活をせずに「大学院へ進学」「自分で起業する」「夢のためにお金を貯めたいからフリーターになる」といった選択肢もあっていいと思います。もし、自分が本当にやりたいことができないストレスで鬱々としているのならば、本当にやりたいことに手を伸ばしてみるのも1つの手かもしれません。
就活うつになってしまっても焦らない
就活うつにならないように日ごろから予防をしておくことが一番良いですが、病気は突然襲ってくるものです。もし自分が就活うつのような症状に悩まされていたとしても、自分にとって最良の選択ができるよう、冷静になって考える時間を設けてみましょう。
焦燥感に駆られながら就活をしても思うように事が進まないのは当然です。本来の魅力的なあなたを取り戻すにはどの選択肢を取るべきなのか、自分だけではなく友人や家族にも相談してみるとさらに効果的な選択ができることでしょう。
皆様の就活がより良いものになることを、キミスカ就活研究室一同心から願っております。