就活を諦めて大学院進学は逃げ?将来への影響やメリットを徹底解説

就活が思うように行かず、別の選択肢として「大学院進学」を考える学生は少なくありません。しかし、自分だけでなく周りの学生も就活をしている一方で、大学院進学を決めると「これは逃げなのでは?」と心配になる方もいるでしょう。

今回は大学院への進学が逃げなのかどうか、また進学することでのメリットやデメリットを解説します。これからの進路について迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

就活をせずに大学院に進学することは逃げなのか

周りが就活を進めているなか、大学院へ進学することは逃げではありません。しかし、就活をしたくないために大学院へ行く場合は注意が必要です。というのも、大学院を卒業すれば再び就活をする必要があるためです。

就活から逃げることが目的で大学院に進学しようと考えている方は、いずれ就活をする可能性があることを把握しておきましょう。

逃げずに就活?大学院以外の3つの選択肢

就活をするかどうか迷って大学院進学を考えている方は、ほかにも選択肢があることをご存知でしょうか。周りに合わせて就活をする必要はありませんが、自分にプラスとなる選択肢が見つかる可能性もあるため、以下の3つを把握してみましょう。

【就活・大学院以外の選択肢1】就職留年

内定を獲得できなかったり、企業とのミスマッチに気づいて内定を辞退したりする学生には、就職留年という選択肢があります。卒業に必要な単位を落としたり、在学中に休学や留学をしたりすることで、大学を留年することが可能です。大学によっては卒業延期制度などを設けている場合もあります。

就職留年は大学卒業するわけではないため、新卒扱いのまま就活を進められ、大学のサポートを受けられたり時間的な余裕ができたりするのもメリットです。ただ、留年中も学費が必要となるほか、就活時の面接で留年した理由を聞かれる可能性があることは把握しておきましょう。

【就活・大学院以外の選択肢2】第二新卒での就活

大学を卒業しても就職活動は続けられます。学費がかからない点では第二新卒の方が費用を抑えられますが、就活で新卒扱いされない場合があることも考慮しましょう。

企業によっては転職者と同じ採用枠で第二新卒を募集することもあり、選考では実績や経験が見られるケースも少なくありません。

【就活・大学院以外の選択肢3】非正規雇用での就労

志望企業で働く道は就活以外にもあり、大学卒業後にアルバイトや契約社員などとして働きながら正社員を目指せる企業もあります。

就活での採用よりもハードルは下がるかもしれませんが、非正規雇用での就労期間が長くなると、正社員として採用されにくくなるケースもあるでしょう。そのため、非正規雇用で働く場合は、事前に正規雇用を目指す時期を考えておくのが無難です。

就活をやめて大学院へ行くメリット4つ

就活をするか大学院へ進学するかなど、自分の進路は十分に考える必要がありますが、大学院進学は今後の就活にも役立つ可能性があります。ここでは、大学院進学のメリットを見ていきましょう。

【就活をせず大学院へ行くメリット1】専門的な知識を学べる

大学院では自分の興味関心がある分野を研究できるため、大学生の時よりも専門的な知識が得られるのは大きなメリットです。文系・理系などによって異なりますが、研究や実験をはじめ発表を行う機会も多くなるため、プレゼン能力の向上も期待できるでしょう。

【就活をせず大学院へ行くメリット2】再び就活のチャンスがある

たとえ大学生の時に就活が上手くいかなかったとしても、大学院に入ることで再び就活に臨めます。大学院は早ければ2年で卒業となるため、再び就活をする際はその期間を使って選考対策を進めることも可能です。

大学生の時に十分な対策ができなかった学生からすれば、就活の準備期間が2年以上あるのは大きなメリットでしょう。

【就活をせず大学院へ行くメリット3】院卒の方が好条件の場合も

就活では4年生大学を卒業する「学部卒」に比べて、「院卒」の学生に対して好条件を出す企業もあります。特に初任給は学部卒よりも高い傾向にあり、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、20〜24歳の学部卒228,500円に対し、院卒は267,900円という結果が出されました。

もちろん業界や企業によって給与額は異なりますが、院卒の持つ専門的な技術や知識が評価され、多くの企業で優秀な人材として見られているのです。

【就活をせず大学院へ行くメリット4】理系なら就活で有利になりやすい

大学院卒で就活を行うと、文系よりも理系の方が選考を有利に進められる可能性があります。特に大学院での研究内容と関連する開発職や研究職の選考を受ければ、これまで培ってきたスキルや知識を活かせるでしょう。

反対に、大学院での研究内容を活かしにくい企業の選考では、「なぜ研究内容と異なる企業を選んだのか」を答えられるようにする必要があります。

就活せずに大学院へ行く場合の注意点

大学院への進学は、再び就活にチャレンジしたい人にとってメリットもありますが、即決するのは危険かもしれません。
大学院進学の注意点も確認したうえで、進学するかどうかを検討しましょう。

【就活をせず大学院へ行く注意点1】学費が払えるか

大学院進学を即決する前に、学費が払えるかどうかを考えてみてください。どの大学院に進むかにもよりますが、進学した場合の学費は決して低いものではありません。初年度にかかる費用は、国立で約80万円、公立で100万円近くかかることもあり、私立だと180万円ほど必要になる場合もあります。

【就活をせず大学院へ行く注意点2】研究と就活の両立

大学院の卒業までに2年以上の時間がありますが、就活対策をする余裕がない可能性もあります。研究や論文の執筆などで忙しくなることが多く、アルバイトをして学費や生活費などに充てる場合は、大学生の頃よりも忙しくなるかもしれません。

院卒で就活するのも一つの手ですが、卒業できなければ内定を獲得しても意味がないため、研究と就活を両立できるかどうかも考えておきましょう。

【就活をせず大学院へ行く注意点3】就活時の年齢

新卒の就活ではポテンシャルを重視されるため、年齢が若くとも採用後にビジネスマナーなどの教育を企業がサポートしてくれます。しかし、大学院卒の場合は年齢が上がるため、ポテンシャルよりも即戦力になれる人材かどうかを見られることも少なくありません。

大学院卒で就活をする場合は、新卒採用の時とは違った選考対策を講じましょう。

逃げじゃない!大学院卒で就活する時のポイント

学部卒で就活をするのではなく大学院卒で就活をすることになったら、どういったポイントに注目すれば良いのでしょうか。
ここでは院卒の就活を成功させるために知っておきたいポイントを紹介します。

【院卒で就活する時のポイント1】研究内容を活かす

院卒の学生が就活をする場合、大学院での研究内容や自身の専門性を活かすことが重要です。

例えば、研究内容と関連する職種を募集している企業の選考を受ければ、より説得力のあるアピールができるでしょう。また、具体的な研究内容を伝えたり、研究に取り組む姿勢などを伝えたりすれば、仕事への姿勢やあなたの魅力が伝わりやすくなります。

このほか、大学院の教授から推薦をもらえる場合もあり、大学院での研究を活かす機会が得られるかもしれません。

【院卒で就活する時のポイント2】院卒向けの募集を探す

企業のなかには「学部卒のみ」を募集しているところもありますが、院卒の募集を行っているところがあれば、志望企業の候補に入れておきましょう。また、大学院卒の採用実績がある企業であれば、年齢が高くても選考を通過できる可能性は十分にあります。

ただし、院卒向けの募集を行っている企業は即戦力の人材を求めているケースも多いため、面接などでは自分のスキルや知識をアピールすることが大切です。

就活から逃げて大学院に進学しても良い

就活は優秀な人材だからといって必ず採用されるわけではなく、なかなか内定を獲得できない人もいるでしょう。自分の人生なので、就活から逃げて大学院に進学しても問題ありませんが、この記事で紹介したように再び就活が控えている可能性があることも把握しておきましょう。

また、大学院に進学するかどうか悩んでいる人は、自己分析を行ってみるのもおすすめです。将来やりたいことや就活の軸が見えてくるため、就活を続けるか大学院に進学するのかを考えるベースとなります。キミスカでは無料で自己分析ができるツールもあるため、ぜひ試してみてください。