インターンシップへの参加目的は学生によって異なりますが、選考段階で聞かれる可能性の高い質問が「インターンを通じて学びたいことは何ですか」です。
回答内容によっては選考で落とされる可能性があるため、事前に考えておく必要があります。また、自分自身もインターンシップを有意義なものにするためにも、明確な参加目的を持っておくのが大切です。
今回は、インターンシップの選考で学びたいことを聞かれた場合の回答例をはじめ、実際に学べることの例や企業が質問する意図などを解説します。
「インターンで学びたいこと」を聞く企業の意図
インターンシップの選考ではさまざまな質問をされますが、「今回のインターンで学びたいことはありますか?」と聞いてくる理由をご存知でしょうか。
企業側に好印象を与える回答をするためにも、まずは「インターンで学びたいこと」を質問する意図を把握しておきましょう。
【インターンで学びたいことを聞く意図1】参加意欲の高さを把握するため
企業がインターンで「学びたいこと」を尋ねる意図の一つに、学生の参加意欲を確認したいという考えがあります。仮に、あまりやる気のない学生がインターンに参加すると、遅刻や無断欠席といったリスクがあるほか、他のインターン生のやる気にもマイナスの影響を与えるかもしれません。
企業はできるだけ意欲のある学生に参加してもらい、学生にとって意味のある経験を積んでもらいたいと考えているため、インターンの選考で参加意欲について尋ねています。
【インターンで学びたいことを聞く意図2】企業と学生のミスマッチを防ぐため
就活でも同様のことが言えますが、企業は自社と学生にミスマッチがないか確かめるために、インターンで学びたいことを尋ねるケースもあります。例えば、応募した学生がインターンで接客を学びたいと考えている一方で、インターンシップで全く違うプログラムが用意されていると、学びたいことを学べません。
反対に、学生の学びたいこととインターンのプログラムがマッチしていると、インターンが学生にとって有意義なものとなるため、ミスマッチ防止のために質問しています。
【インターンで学びたいことを聞く意図3】プログラムに活かすため
学生の参加意欲やマッチ度を確認するだけでなく、学生の意見をインターンシップのプログラムに取り入れようと考えている企業もあります。というのも、企業の視点のみでインターンシップを開催するよりも、学生のニーズを反映したほうがより満足度の高いインターンシップとなる可能性があるためです。
ただ、志望企業のインターンシップで自分が学びたいことを伝えることが前提なので、志望企業のプログラムとかけ離れた回答をするのは避けましょう。
インターンで学びたいことの答え方【回答例付き】
インターンで学びたいことを伝えるうえで、どのような答え方をすれば企業側に好印象を与えられるのでしょうか。ここからは、インターンで学びたいことの伝え方を回答例付きで紹介します。
まず、インターンシップの選考で回答するときは、結論・理由・具体例・結論の順に伝えるフレームワーク「PREP法」を活用しましょう。「インターンで学びたいことは何ですか?」と聞かれたときは、以下の順序で答えていきます。
結論:私は貴社のインターンシップを通じて◯◯を学びたいと考えています。
理由:その理由は◯◯だからです。
具体例:大学では◯◯を専攻していますが、実際に◯◯をしたときに◯◯だと感じました。
結論:そこで私はインターンシップで◯◯を学び、◯◯をしたいと考えています。
回答の締めでは再び結論を述べますが、学びたいことだけでなくインターン中にやりたいことや企業に貢献できることなどを盛り込めば、意欲の高さも評価してもらえます。
それでは、実際にPREP法を使った回答例を見ていきましょう。以下では長期インターン、短期インターンに分けているので、ぜひ参考にしてみてください。
【インターンで学びたいことの回答例1】長期インターンの場合
私は今回のインターンシップを通じて、マーケティング施策の企画から実行、効果測定に至るまでのプロセスを実務の中で学びたいと考えています。大学ではマーケティングに関する講義を履修し、理論的な知識を得てきましたが、それを現場でどのように活用するのかを知る機会がありませんでした。また、ゼミでは新規商品のプロモーション戦略をグループで立案し、仲間の意見を取り入れながら企画を形にすることの難しさとやりがいを感じています。この経験を活かし、ビジネスの現場で結果につながる施策を学び、課題解決に挑む力を磨きたいと考えています。
【インターンで学びたいことの回答例2】短期インターンの場合
私はインターンシップを通じて、業界や職種の具体的な業務内容を学び、自分に求められるスキルや知識を明確にしたいと考えています。現在、大学では情報工学を専攻し、プログラミングやデータ分析を学んでいますが、それが実務でどのように活用されるのかを体験できていません。以前、ゼミのプロジェクトで短期間ながらチームでアプリケーションを開発した際、目標に向けて効率的にタスクを進める重要性を実感しました。このインターンでは、貴社の業務を通して実践的な知識を学び、今後のキャリア選択の軸を具体化したいと考えています。
インターンで学べることの主な例と考え方
インターンシップの答え方について紹介しましたが、学生のなかには「そもそもインターンで何が学べるの?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
そこで、ここからはインターンシップで学べることの主な例を紹介します。また、志望企業のインターンシップでどんなことが学べるのか、自分で見つける場合の考え方もまとめているので、ぜひ実践して選考対策に役立ててみてください。
例 | |
業界の仕組み | ・ビジネスモデル ・業界内での企業の立ち位置 など |
企業の社風 | ・企業の社風 ・社内の雰囲気 ・従業員の人柄 など |
具体的な業務 | ・業務のイメージと現実のすり合わせ ・仕事のやりがい |
必要なスキルや適性 | ・志望職種に求められるスキル・能力 ・業務に必要な適性 ・職種と自分のマッチ度 など |
【インターンで学びたいことの考え方1】プログラム内容を確認する
インターンシップで学びたいことを考える際は、まずプログラム内容を確認しましょう。
というのも、プログラムを確認する前に学びたいことから考えると、インターンシップと自分が求めるものにギャップが生じるためです。これでは選考を通過できたとしても、インターンシップの時間が無駄になってしまうかもしれません。
そこで、最初にプログラム内容を確認し、企業側がインターンシップで学生に学んでもらいたいことは何なのかを把握しましょう。
【インターンで学びたいことの考え方2】自己分析をする
就活を見据えてインターンシップに参加しようと考えている場合は、今のうちに自己分析をしておきましょう。自己分析は自分だけの就活の軸を見つけるための作業で、自身の強み・弱み、長所・短所、将来やりたいことなどを明確にできます。
自己分析のやり方は自分史やモチベーショングラフといった方法がありますが、手軽で確実な方法はキミスカの自己分析ツールです。簡単な質問に答えていくだけで自己分析ができるほか、自分に合った職業の提案もしてくれます。
インターンシップをはじめ、就活にも役立てられるので、この機会にぜひ試してみてください。
【インターンで学びたいことの考え方3】業界・企業研究を行う
インターンシップで学びたいことを考える場合、業界や企業に関する理解を深めておく必要があります。同じ業界であれば、会社が違ってもインターンシップで学べることに共有する部分もあるためです。
そこで行っておきたいのが、業界研究と企業研究です。
志望業界の特徴
関連する業界との違い
志望企業の特徴
競合他社との違い
上記のポイントを明確にできれば、インターンシップで自分の学びたいことを考えやすくなります。また、選考ではその企業のインターンシップに応募した理由を具体的に伝えられるため、参加意欲の高さをアピールすることにもつながるでしょう。
学びたいことを明確にしてインターンに臨もう!
インターンシップへの参加を考えている学生は、学びたいことをよく考えましょう。その理由は、ただ選考対策のためにするよりも、自分が学びたいことを明確にすることで、インターンシップでの時間を有意義なものにできるためです。
ただ、自身の熱意を効果的に伝えるためには、話の構成を考える必要があります。本記事で紹介したPREP法を活用し、企業側にあなたの熱意をアピールしましょう。