
「総務の仕事に興味があるけど、志望動機に何を書けば…」そんな悩みを抱える就活生の皆さん。総務は会社全体を支える重要な役割であり、志望動機はあなたの適性や熱意を示す機会です。
この記事は総務の仕事内容から企業が見るポイント、具体的な書き方、例文までを徹底解説していきます。自信を持ってあなたの想いを伝える志望動機を作成しましょう。
「総務」の仕事内容とは?志望動機を考える前に知っておこう
総務の志望動機を作成する第一歩は、まず「総務とはどのような仕事をするのか」を正しく理解することです。漠然としたイメージではなく、具体的な業務内容を知ることで、より的確なアピールができます。ここでの理解度が、志望動機の深みや説得力に大きく影響します。しっかり確認していきましょう。
総務の具体的な業務範囲
総務の仕事は非常に幅広く、「会社の何でも屋さん」と例えられることもあります。企業規模や業種によって担当業務は異なりますが、社員が働きやすい環境を整え、企業活動を円滑に進めるためのサポート全般を担います。代表的な業務をいくつか見ていきましょう。
1. 備品管理・施設管理
オフィスで必要な文房具やコピー用紙などの消耗品から、デスク、椅子、PCといった備品の発注・在庫管理、管理台帳の作成を行います。
また、オフィスレイアウトの変更やメンテナンス、清掃業者の手配など、社員が快適に働ける物理的な環境を維持・管理するのも重要な業務です。会議室の予約管理なども含まれる場合があります。
2. 社内規程の整備・運用
就業規則や慶弔見舞金規程、個人情報保護規程など、会社運営に必要な様々な規程の作成・改定・周知徹底を行います。
法令改正に対応したり、社員からの問い合わせに対応したりすることもあります。企業コンプライアンスを維持し、公正な組織運営を支えるための基盤となる仕事です。
3. 福利厚生関連業務
社員の健康診断の手配、社会保険手続きのサポート、保養施設や社員旅行の企画・運営など、福利厚生制度の運用に関わる業務を担当します。
社員が安心して働ける環境を提供し、モチベーション向上に繋げるための大切な役割です。新しい福利厚生制度の導入検討を行うこともあります。
4. 社内イベントの企画・運営
入社式や社員総会、忘年会、運動会といった社内イベントの企画立案から、会場手配、備品準備、当日の運営までを担当します。
これらのイベントを通じて、社員同士のコミュニケーションを活性化させ、組織の一体感を高めることを目指します。社員が楽しめるような工夫を凝らすことも求められます。
5. 株主総会・取締役会の運営サポート
株主総会や取締役会といった重要な会議の運営サポートも総務の仕事の一つです。招集通知の発送、会場設営、資料準備、議事録作成補助など、会議がスムーズに進行するように裏方としてサポートします。法的な知識や正確な事務処理能力が求められる業務です。
6. その他(企業によって異なる業務)
上記以外にも、受付業務、電話・来客応対、郵便物の仕分け・発送、契約書管理、車両管理、防災・防犯対策、秘書業務など、企業によっては総務が担当する業務は多岐にわたります。中小企業では、人事や経理の一部を兼務することもあります。応募企業の総務がどのような業務を担っているか確認しましょう。
総務の仕事のやりがいと魅力
総務の仕事は、直接的に利益を生み出す部門ではありませんが、会社全体の円滑な運営を支える「縁の下の力持ち」として、なくてはならない存在です。
社員から「ありがとう」と感謝される機会も多く、人の役に立っていることを実感しやすいでしょう。幅広い業務を通じて様々な知識やスキルが身につき、会社全体の動きを把握できることも大きな魅力です。
企業が総務に求める人物像と志望動機で見ているポイント
総務の仕事内容を理解したら、次は企業が総務担当者にどのような能力や資質を求めているのか、そして志望動機から何を知りたいのかを把握しましょう。
これを理解することであなたがアピールすべきポイントが明確になり、より効果的な志望動機を作成できます。
総務に求められる主なスキルと資質
総務の仕事は多岐にわたるため、様々なスキルや資質が求められます。これらを理解し、自身の経験と照らし合わせてアピールできる要素を見つけましょう。
企業はこれらの能力が、自社の総務として活躍できるポテンシャルに繋がるかを見ています。
1. コミュニケーション能力
社内外の多くの人と関わるため、相手の意図を正確に汲み取り、自分の考えを分かりやすく伝えるコミュニケーション能力は不可欠です。
様々な部署との調整役を担うことも多く、円滑な人間関係を築ける力も求められます。相手に合わせた柔軟な対応ができることが重要です。
2. ホスピタリティ・サポート精神
社員が働きやすい環境を作るという役割から、人をサポートすることに喜びを感じるホスピタリティ精神が求められます。
相手の立場に立って物事を考え、細やかな気配りができる人は総務に向いていると言えるでしょう。「誰かのために」という気持ちが大切です。
3. マルチタスク能力・スケジュール管理能力
総務は複数の業務を同時並行で進めることが日常的です。そのため、優先順位をつけて効率的に仕事を進めるマルチタスク能力や、納期を守るためのスケジュール管理能力が重要になります。突発的な依頼に対応する柔軟性も求められるでしょう。
4. 責任感と正確性
社内規程の運用や契約書管理、備品の発注など、正確性が求められる業務が多くあります。また、社員の個人情報を扱うこともあるため、高い倫理観と責任感は必須です。細部まで注意を払い、ミスなく業務を遂行する力が求められます。
5. 主体性と問題解決能力
指示された業務をこなすだけでなく、より良い職場環境にするために自ら課題を見つけ、改善策を提案・実行する主体性も評価されます。社内で起こる様々な問題に対して、臨機応変に対応し、解決に導く能力も重要です。受け身ではなく、能動的に動ける人材が求められます。
企業が志望動機で重視する3つのこと
企業が総務の志望動機を評価する際、特に注目しているのは「なぜ総務なのか」「なぜこの会社なのか」「入社後どう貢献できるか」の3点です。これらの問いに対して、あなた自身の言葉で具体的に、かつ熱意を持って答えることが、採用担当者の心を動かす鍵となります。
1. なぜ総務なのか(総務への理解と熱意)
数ある職種の中で、なぜあなたが総務の仕事に興味を持ったのか、その理由を明確に伝える必要があります。総務の仕事内容を正しく理解した上で、どのような点に魅力を感じ、どのようなやりがいを求めているのかを具体的に示しましょう。熱意を持って語ることが大切です。
2. なぜこの会社なのか(企業への理解と共感)
多くの企業に総務部門がある中で、なぜその企業で総務として働きたいのかを説明することが求められます。企業の理念や事業内容、社風、総務部門の役割などを事前に研究し、どこに共感したのか、自分の価値観とどう合致するのかを具体的に述べましょう。
3. 入社後どう貢献できるか(活かせる強みと将来性)
あなたが持っているスキルや経験、強みを活かして、入社後にどのように会社に貢献できるのかを具体的に示す必要があります。総務の仕事を通じてどのように成長していきたいかという将来のビジョンも併せて伝えることで、企業はあなたのポテンシャルを評価しやすくなります。
【基本】総務の志望動機の書き方フレームワーク
総務の志望動機を効果的に伝えるためには、論理的な構成が不可欠です。基本的なフレームワーク(型)を意識することで、内容が整理され、採用担当者にとって分かりやすい志望動機になります。このフレームワークを土台にして、あなた自身の言葉で肉付けしていくと良いでしょう。
1. 結論:総務として貴社を志望する理由
まず最初に、あなたがなぜその企業の総務部門を志望するのか、結論を明確に述べます。「私が貴社の総務部門を志望する理由は〇〇です」というように、簡潔に伝えることがポイントです。書き出しで結論を述べることで、採用担当者は話の全体像を掴みやすくなります。この後に続く内容の道しるべとなる部分です。
2. 根拠:なぜ総務に興味を持ったか
次に、結論で述べた志望理由の根拠を示します。なぜ総務という仕事に興味を持つようになったのか、きっかけとなった具体的なエピソードを交えながら説明しましょう。学生時代の経験や日常生活での気づきなど、あなた自身の体験を元に語ることで、話に深みと説得力が増します。
3. 展開:なぜその企業で総務として働きたいか
総務の仕事に興味を持った理由に続けて、なぜ他の企業ではなく「その企業」で総務として働きたいのかを述べます。企業の理念や事業内容、社風、あるいはその企業が総務に求めている役割などに触れ、共感する点や魅力を感じた点を具体的に伝えましょう。企業研究で得た情報を盛り込み、その企業への熱意を示すことが重要です。
4. 貢献:入社後どのように貢献したいか
最後に、あなたが入社したら、これまでの経験や自身の強みを活かして、どのように企業に貢献できるのか、貢献したいのかを具体的に述べます。将来的にどのような総務担当者になりたいかというビジョンも加えると、成長意欲をアピールでき、よりポジティブな印象を与えることができます。
【実践】総務の志望動機を作成する5ステップ
基本的な書き方のフレームワークを理解したら、次はいよいよ実際に総務の志望動機を作成していきましょう。いきなり書き始めるのではなく、以下の5つのステップに沿って進めることで、よりスムーズに、かつ質の高い志望動機を完成させることができます。この手順を踏むことで、考えが整理され、伝えたいことが明確になります。
1. 自己分析:総務に向いている強みや経験を整理する
まずは自己分析を行い、これまでの経験(学業、アルバイト、サークル活動など)を振り返りましょう。その中で、総務の仕事に活かせるあなたの強みやスキル、価値観などを洗い出します。サポート精神、コミュニケーション能力、責任感、几帳面さなど、総務に適した資質を見つけ出すことが大切です。
2. 業界・企業研究:企業の総務の役割や特徴を調べる
次に、志望する企業の総務部門がどのような役割を担い、どのような特徴があるのかを徹底的に調べます。企業のウェブサイト、会社説明会の資料、OB/OG訪問などを通じて情報を収集しましょう。その企業ならではの総務の仕事内容や、企業が総務に期待していることを理解することが重要です。
3. エピソード選定:志望理由を裏付ける具体的な体験を選ぶ
自己分析と企業研究で得た情報を元に、あなたの志望理由や強みを裏付ける具体的なエピソードを選びます。「なぜ総務なのか」「なぜその企業なのか」「どう貢献できるのか」という各要素に対して、説得力を持たせるための体験談を用意しましょう。実際に体験したことを語るのがポイントです。
4. 構成作成:フレームワークに沿って内容を組み立てる
選定したエピソードや伝えたい内容を、前述の「基本フレームワーク」に沿って組み立てていきます。結論、根拠、展開、貢献という流れを意識し、論理的で一貫性のある構成を考えましょう。各パートで何を伝えたいのか、キーメッセージを明確にすることが大切です。
5. 推敲:分かりやすく、熱意が伝わる文章に磨き上げる
構成案に基づいて文章を作成したら、最後は必ず推敲を行います。誤字脱字がないかはもちろん、文章が分かりやすいか、論理的に矛盾がないか、そして何よりもあなたの熱意が伝わる内容になっているかを確認しましょう。声に出して読んでみるのも、客観的に文章を見直す上で効果的な方法です。
【例文】総務の志望動機(学生タイプ別)
ここからは、総務の志望動機の具体的な例文を、学生さんのタイプや状況に合わせて3つのパターンで紹介します。これらの例文はあくまで参考として捉え、あなた自身の経験や言葉でアレンジすることが大切です。自分ならではのオリジナリティを加えることで、採用担当者の印象に残る志望動機になります。
1. コミュニケーション能力やサポート経験をアピールする例文
私が貴社の総務部門を志望する理由は、大学時代のボランティア活動を通じて培ったコミュニケーション能力と、周囲をサポートすることへの強いやりがいを活かし、社員の皆様が最大限に能力を発揮できる環境づくりに貢献したいと考えたからです。
活動では、多様な年代の方々と協力してイベントを企画・運営し、それぞれの意見を丁寧に聞きながら目標達成に導く役割を担いました。この経験から、相手の立場に立って考え、円滑な人間関係を築くことの重要性を学びました。
貴社の説明会で伺った「社員一人ひとりの声を大切にする」という風土に深く共感しており、私の強みである傾聴力と提案力を活かして、社内のコミュニケーション活性化や働きやすい環境整備に尽力したいです。
具体的なエピソードを通じて、どのようにコミュニケーション能力を発揮し、それが総務の仕事でどう活かせるかを明確に示しましょう。
2. 責任感やマルチタスク能力をアピールする例文
私が貴社の総務部門を志望いたしますのは、大学のゼミ活動で培った責任感の強さと、複数の課題を同時並行で進めてきた経験を活かし、貴社の円滑な事業運営を多岐にわたる業務から支えたいと強く感じたためです。
ゼミでは、研究発表のリーダーとして資料作成、スケジュール管理、メンバーへの指示出しなどを担当し、限られた時間の中で質の高い成果を出すために尽力しました。特に、複数の参考文献の調査と並行してアンケート集計を行うなど、効率的な段取りと正確な作業を常に意識して取り組みました。
貴社の総務部門が幅広い業務を担い、会社全体の基盤を支えていることを知り、私のこれらの経験が必ず役立つと確信しております。入社後は、一つひとつの業務に責任を持ち、持ち前の計画性で貢献していきたいです。
具体的な経験を基に、責任感やマルチタスク能力をどのように発揮したのか、そしてそれが総務の仕事でどう生きるのかを具体的に語ることが重要です。
3. 企業理念や社風への共感を軸にした例文
私が貴社を志望する理由は、貴社の「挑戦と成長を支援し、社員と共に未来を創造する」という企業理念に深く共感し、その理念を体現する総務の一員として、社員の挑戦を支える環境づくりに貢献したいと考えたからです。
インターンシップに参加させていただいた際、社員の方々が互いに尊重し合い、新しいアイデアを積極的に出し合う活気ある社風を肌で感じました。また、総務部門の皆様が、社員の方々がより創造性を発揮できるよう、働きやすいオフィス環境の整備や柔軟な制度運用に努めている姿に感銘を受けました。
学生時代には、所属する写真部で部員が新しい表現に挑戦しやすいように、備品管理の効率化や情報共有の仕組み作りに取り組みました。この経験を活かし、貴社においても総務として社員の皆様を力強くサポートしたいです。
企業理念や社風のどの部分に共感したのか、そして自身の経験とどう結びつくのかを具体的に示すことで、企業への深い理解と熱意を伝えることができます。
総務の志望動機で避けるべきNGポイント
総務の志望動機を作成する際には、内容や表現によってはマイナスの印象を与えてしまうこともあります。ここでは、特に避けるべきNGポイントを解説します。これらの点に注意し、採用担当者に誤解を与えない、誠実な志望動機を心がけましょう。
「楽そうだから」など安易な理由
「デスクワーク中心で楽そうだと思った」「定時で帰れそうだから」といった安易な理由は、仕事への意欲が低いと見なされ、絶対に避けるべきです。
総務の仕事は多岐にわたり、責任も伴います。仕事内容を正しく理解せず、ネガティブな印象を与えるような志望理由は厳禁です。仕事への真摯な姿勢を示しましょう。
抽象的で具体性に欠ける内容
「人を支える仕事がしたい」「貴社に貢献したい」といった抽象的な表現だけでは、あなたの熱意や個性は伝わりません。
なぜそう思うのか、具体的にどのような経験からそう考えるようになったのか、どのように貢献したいのかを、具体的なエピソードを交えて説明することが重要です。誰にでも言えるような内容ではなく、あなた自身の言葉で語りましょう。
受け身な姿勢や指示待ちの印象を与える表現
「教えていただきたい」「学ばせていただきたい」といった表現は、学生気分が抜けきっていない受け身な印象を与えてしまう可能性があります。
もちろん謙虚さは大切ですが、企業は自ら考えて行動できる人材を求めています。「〇〇を活かして貢献したい」「積極的に〇〇に取り組みたい」など、主体的な姿勢を示すことが大切です。
どの企業にも当てはまるような内容
企業研究が不足していると、どの企業にも通用するような志望動機になりがちです。「なぜこの企業でなければならないのか」という点が不明確だと、入社意欲が低いと判断されてしまいます。
その企業ならではの魅力や特徴に触れ、ここで働きたいという強い意志を伝えることが重要です。企業HPなどをしっかり読み込みましょう。
総務の志望動機に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、総務の志望動機に関して、就活生の皆さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。志望動機を作成する上での疑問や不安を解消し、自信を持って選考に臨むための参考にしてください。細かい疑問点をクリアにしておくことで、より質の高い志望動機作成に繋がります。
Q1. 総務の仕事は未経験でも大丈夫?
新卒採用の場合、多くの企業はポテンシャルを重視するため、総務の業務経験がなくても問題ありません。
大切なのは、総務の仕事への理解と熱意、そしてこれまでの経験で培ってきたコミュニケーション能力やサポート精神、責任感といった総務に必要な資質をアピールすることです。未経験であることを卑下せず、学ぶ意欲と貢献したいという強い気持ちを伝えましょう。
Q2. 総務の志望動機が「人を支えたい」だけではダメ?
「人を支えたい」という気持ちは総務の仕事において非常に大切ですが、それだけでは志望動機として不十分な場合があります。なぜ人を支えたいと思うようになったのか、具体的な経験を交えて説明し、さらに「どのように支えたいのか」「なぜ総務という職種で支えたいのか」まで深掘りして伝えることが重要です。その企業で、総務としてどのように「人を支える」ことを実現したいのかを具体的に語りましょう。
Q3. 企業研究では総務について何を調べれば良い?
企業研究では、まずその企業の事業内容や企業理念、社風を理解することが基本です。その上で、総務部門がどのような役割を担っているのか、企業HPの採用情報や社員インタビュー、会社説明会などで情報を集めましょう。
企業によっては、総務の業務範囲や重視する点が異なるため、その企業ならではの特徴を掴むことが大切です。
総務の志望動機を完成させ、自信を持って選考に臨もう
この記事では、総務の仕事内容から志望動機の書き方、具体的な例文、注意点、そしてよくある質問まで、幅広く解説してきました。
総務の仕事は、企業を根幹から支えるやりがいのある仕事です。ここで得た知識を活かし、あなた自身の経験と言葉で、熱意のこもった志望動機を完成させてください。応援しています!