
「面接での志望動機って、エントリーシート(ES)に書いたことをそのまま話せばいいの?」
「もっと自然に話した方がいいって聞くけど、どうすれば…?」
面接は、あなたの熱意や人柄を直接伝える大切な機会。特に志望動機は、企業への想いをアピールする上で非常に重要です。この記事では、ESとの違いから、熱意が伝わる話し方のコツ、具体的な会話例、頻出の深掘り質問対策まで、面接での志望動機の伝え方を徹底解説します!
新卒面接の志望動機|ESとの違いと面接官が見るポイント
書類選考を通過したからといって、油断は禁物です。面接では、ESに書かれた内容をさらに深掘りし、あなたの本気度や人となりを確認されます。ここでは、まずESと面接での志望動機の扱いの違いと、面接官が何を知りたがっているのかを理解しましょう。
ES提出で終わりじゃない!面接で志望動機を語る意味
ESは、あなたの論理的な思考力や文章力を伝えるものですが、面接はそれを補強し、さらに「あなた」という人間を伝える場です。単にESの内容を読み上げるのではなく、表情や声のトーン、話し方を通して、文章だけでは伝わらない熱意や意欲、人柄を示すことが面接の重要な目的です。ここで、あなたの本気度をしっかりとアピールしましょう。
面接官は志望動機のココを見ている!
面接官は、あなたの志望動機を聞きながら、様々な角度から自社とのマッチ度を測っています。特に「なぜ当社なのか」「入社意欲はどれくらいか」「活躍してくれそうか」といった点に注目しています。企業理念や事業内容への理解度、そしてあなたの価値観や強みが自社と合っているかを慎重に見ています。これらの視点を意識して準備を進めましょう。
- 入社意欲・熱意:本当に自社で働きたいと思っているか?
- 企業・事業理解度:自社のことをどれだけ調べて理解しているか?
- 論理性・思考力:考えを分かりやすく筋道立てて話せるか?
- 人柄・価値観:自社の社風や文化に合っているか?
- 貢献可能性:入社後に活躍・貢献してくれそうか?
新卒面接での志望動機の基本的な伝え方
面接で志望動機を話す際には、基本的な「型」を意識すると、分かりやすく、かつ効果的に伝えることができます。ここでは、押さえておきたい4つの基本ポイントを解説します。これを土台として、あなたらしい言葉で語れるように練習しましょう。
1. 結論ファーストで簡潔に
まず最初に「私が御社を志望する理由は〇〇です」というように、結論から述べましょう。これにより、面接官は話の要点をすぐに掴むことができ、その後の説明が頭に入りやすくなります。だらだらと長く話さず、まずは最も伝えたい核心部分を明確に、簡潔に伝えることを意識してください。
2. PREP法で論理的に構成する
話の構成は、PREP法(Point→Reason→Example→Point)を意識すると論理的で分かりやすくなります。結論(志望理由)→理由(なぜそう思うか)→具体例(経験やエピソード)→結論(再度、入社への意欲や貢献)という流れです。この構成で話すことで、あなたの考えが整理され、説得力を持って相手に伝わります。
3. ESの内容+αで熱意を込める
面接では、ESに書いた内容をベースにしつつ、さらに具体的なエピソードや、ESでは書ききれなかった想いを加えるのが理想です。特に、その企業に対する熱意や、入社後に挑戦したいことなどを自分の言葉で具体的に語ることで、より強い印象を与えることができます。ESの要約に留まらない「プラスアルファ」を意識しましょう。
4. 面接時間(1分・3分等)に合わせた調整方法
面接では「〇分で志望動機を話してください」と時間指定されることがあります。事前に1分、3分など、複数のパターンで話す練習をしておきましょう。時間に合わせて話す長さを調整するには、話す内容の要点を絞り込んだり、具体例の詳しさを変えたりする練習が不可欠です。タイマーを使って実際に声に出して練習しましょう。
【会話例でイメージ】面接での志望動機の伝え方と深掘り
ESの内容を、実際の面接でどのように話し、深掘り質問にどう対応していくのか、具体的なイメージを持つことが大切です。ここでは、ある食品メーカーを志望する学生のES例文と、それに基づいた面接での対話シミュレーションを紹介します。
ESでの志望動機(例文)
私が貴社を志望する理由は、「食」を通じて人々の健康と笑顔に貢献したいという想いと、常に消費者の声に耳を傾け、安全・安心で高品質な商品を提供し続ける貴社の姿勢に強く共感しているためです。特に、貴社が力を入れている減塩・低糖質商品の開発は、健康志向が高まる現代社会のニーズに応えるものであり、私もその一員として多くの人の健康的な食生活を支えたいと考えています。
学生時代、食育ボランティア活動で、子供たちに食の大切さを伝える企画を立案・実行しました。その際、参加者の反応を見ながら内容を改善していくことにやりがいを感じ、相手のニーズを汲み取り、より良いものを届けたいという想いが強くなりました。この経験で培った「相手の立場に立って考える力」と「企画実行力」を活かし、貴社の商品開発部門で、お客様の多様なニーズに応える、美味しくて健康的な商品を生み出したいです。
面接での対話シミュレーション
面接官:「高橋さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、当社の志望動機を教えていただけますか?」
学生:「はい、本日はよろしくお願いいたします。私が御社を志望いたします理由は、食を通じて人々の健康と笑顔に貢献したいという想いがあり、特に、消費者の声に真摯に耳を傾け、安全・安心で高品質な商品を提供し続ける御社の姿勢に強く共感しているためです。」
面接官:「ありがとうございます。ESにも書いてくれていますが、特に当社の減塩・低糖質商品に関心があるのですね。具体的に、どのような点に魅力を感じていますか?」
学生:「はい。現代社会では健康志向が非常に高まっていると感じております。御社がいち早くそのニーズを捉え、美味しさを損なわずに健康価値を高めた商品を開発されている点に、技術力の高さと消費者への想いの強さを感じました。私自身、祖父母が食事制限をしている姿を見て、誰もが美味しく食事を楽しめる社会の実現に貢献したいと考えるようになり、御社の取り組みに大変魅力を感じております。」
面接官:「なるほど、ご自身の経験も踏まえているのですね。食育ボランティアの経験についてもお伺いしたいのですが、その経験を通して学んだ『相手の立場に立って考える力』を、当社の商品開発でどのように活かせるとお考えですか?」
学生:「はい。ボランティアでは、子供たちが何に興味を持つか、どうすれば楽しく学べるかを常に考え、アンケートやヒアリングを基に企画を改善しました。この経験から、お客様が本当に求めているものは何かを想像し、データや声に基づいて仮説検証を繰り返すことの重要性を学びました。御社の商品開発においても、お客様の潜在的なニーズや課題を深く理解し、それを解決できるような、期待を超える商品を企画・提案する上で、この力は必ず活かせると考えております。」
面接官:「分かりました。ありがとうございます。」
【頻出】新卒面接での志望動機に関する深掘り質問と対策
面接では、あなたが提出した志望動機について、様々な角度から質問されることで、内容の深さや本気度が試されます。ここでは、特によく聞かれる頻出の深掘り質問と、その回答のポイントや準備方法を解説します。
対策1:「なぜ同業他社ではなく当社なのですか?」
これは最も重要な質問の一つです。企業の理念やビジョン、事業内容、社風、扱っている商材やサービスなどの特徴を具体的に挙げ、それらが自分の価値観や興味、やりたいこととどのように合致しているのかを明確に説明しましょう。他社と比較した上での「その企業ならではの魅力」を語れるように、企業研究を深めておくことが不可欠です。
対策2:「なぜこの業界・職種を選んだのですか?」
なぜ他の業界や職種ではなく、この分野を選んだのか、その理由を論理的に説明する必要があります。業界の将来性や社会的意義、職種のやりがいや求められるスキルなどを挙げ、それが自分の興味関心や適性、キャリアプランとどう繋がっているのかを一貫性を持って語ることが重要です。自己分析と業界・職種研究の接続を意識しましょう。
対策3:「入社後に具体的にどのような仕事がしたいですか?」
漠然とした回答ではなく、企業の事業内容や職務内容を踏まえ、具体的にどのような仕事に挑戦したいのか、どのように貢献したいのかを述べましょう。企業のウェブサイトや説明会で得た情報、可能であればOB/OG訪問で聞いた話などを元に、具体的な業務内容やプロジェクトに触れられると、入社意欲の高さを示せます。
対策4:「あなたの強みを当社でどう活かせますか?」
自己PRで述べた強みや、これまでの経験が、入社後にどのように活かせるのかを具体的に説明します。企業の事業内容や求める人物像、仕事内容と関連付け、「〇〇という強みを活かして、△△という業務でこのように貢献できる」といった形で、再現性のある活躍イメージを提示することが重要です。
対策5:「キャリアプランについて教えてください」
入社後の短期的な目標だけでなく、5年後、10年後といった中長期的な視点で、どのように成長し、会社に貢献していきたいかを問われることもあります。企業のキャリアパスや事業展開を考慮しつつ、自身の目標と成長意欲を具体的に示すことで、長期的な活躍への期待感を高めることができます。
対策6:その他の深掘り質問例と心構え
上記以外にも、「学生時代に最も力を入れたことは?」「あなたの弱みは?」など、自己PRや経験に関する質問から志望動機に繋げて深掘りされることもあります。どんな質問が来ても慌てないよう、自己分析と企業研究を徹底し、自分の考えを整理しておくことが最も重要です。正直に、自分の言葉で話すことを心がけましょう。
- 例:「困難をどう乗り越えましたか?」
- 例:「チームで働く上で大切にしていることは?」
- 例:「最近関心のあるニュースは?」(企業の事業に関連付けて)
新卒面接で志望動機を伝える際の注意点
どんなに良い内容を準備しても、伝え方次第で印象は大きく変わります。面接官に熱意と誠意をしっかりと届けるために、話す内容だけでなく、話し方や態度にも注意を払いましょう。ここでは4つのポイントを解説します。
丸暗記はNG!自分の言葉で話す
準備した内容を丸暗記して話すと、棒読みになったり、不自然な印象を与えたりしがちです。また、想定外の質問に対応できなくなる可能性もあります。話す内容の要点(キーワードや構成)だけを覚え、あとは自分の言葉で、相手の反応を見ながら話す練習をしましょう。多少詰まっても、一生懸命伝えようとする姿勢が大切です。
自信を持った表情・視線・声のトーン
話の内容と同じくらい、非言語情報(見た目や話し方)も重要です。背筋を伸ばし、明るい表情で、面接官の目を見てハキハキと話しましょう。自信のある態度は、話の説得力を増し、あなたのポジティブな印象を面接官に与えます。声のトーンや大きさも意識し、聞き取りやすい話し方を心がけてください。
話すスピードと間の取り方を意識する
緊張すると早口になりがちですが、意識して少しゆっくりめに、落ち着いて話すようにしましょう。適度な「間」を取ることで、話にリズムが生まれ、聞き手が内容を理解しやすくなります。一方的に話し続けるのではなく、面接官とのコミュニケーションを意識し、相手が理解しているか確認しながら話すことも大切です。
逆質問で意欲が伝わることも
面接の最後に設けられることが多い「逆質問」の時間で、志望度の高さが伝わることもあります。「特にありません」は避けましょう。企業研究を踏まえた上で、入社後の働き方や事業内容について具体的な質問をすることで、あなたの学習意欲や入社への本気度を示すことができます。事前に3つ以上質問を準備しておきましょう。
新卒面接で志望動機の回答に詰まった時の対処法
どんなに準備しても、面接では想定外の質問をされたり、緊張で頭が真っ白になったりすることもあります。そんな時でも、慌てず冷静に対処する方法を知っておけば、落ち着きを取り戻せるはずです。
正直に相談し、考える時間をもらう
すぐに答えられない場合に、焦って適当なことを言ってしまうのは避けましょう。「申し訳ありません、少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」と正直に時間をもらうことで、誠実な印象を与え、落ち着いて考えをまとめる時間を作ることができます。数秒~十数秒程度であれば、問題ありません。
質問の意図を再確認する
質問の意味がよく分からなかったり、どう答えれば良いか迷ったりした場合は、「〇〇というご質問は、△△という理解でよろしいでしょうか?」のように、質問の意図を確認するのも有効な手段です。これにより、的外れな回答を防ぎ、的確なコミュニケーションをとることができます。
別の角度から答えられないか試す
直接的な回答が難しい場合でも、関連する自分の経験や考えを話すことで、何とか回答に繋げられないか試してみましょう。「その点については直接的な経験はありませんが、関連する〇〇の経験から△△だと考えます」のように、柔軟に対応する姿勢を示すことも評価に繋がる可能性があります。
新卒面接の志望動機に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、新卒の皆さんが面接での志望動機に関して特に疑問に思いやすい点について、Q&A形式でお答えします。不安を解消し、自信を持って面接に臨みましょう。
Q1. どのくらいの長さで話すのが適切ですか?
A1. 面接官から時間指定がない場合は、一般的に1分〜1分半程度を目安にするのが良いでしょう。長すぎると話が分かりにくくなり、短すぎると熱意が伝わりにくい可能性があります。要点を押さえ、簡潔に、かつ熱意を込めて話せる長さを意識しましょう。詳しくは「基本的な伝え方」の「4. 面接時間(1分・3分等)に合わせた調整方法」も参考にしてください。
Q2. 志望動機と自己PR、話す内容は変えるべき?
A3. 志望動機は「なぜこの会社で働きたいのか」を、自己PRは「自分にはどんな強みがあるか」を伝えるものです。内容は異なりますが、両者には一貫性を持たせることが重要です。自己PRで述べた強みが、志望動機で語る「入社後の貢献」に繋がっていると、説得力が増します。それぞれの役割を理解し、連携させながらアピールしましょう。
まとめ:自信を持って志望動機を伝え、新卒面接を突破しよう!
今回は、新卒の面接における志望動機の伝え方について、ESとの違いから基本的な話し方、頻出の深掘り質問対策、注意点、オンラインでのコツ、そして困った時の対処法まで幅広く解説しました。面接は、企業にあなたを知ってもらう絶好の機会です。しっかりと準備を行い、自信を持って、あなた自身の言葉で熱意を伝えれば、きっと道は開けます。この記事が、あなたの面接突破の一助となれば幸いです。応援しています!