面接と面談の違いとは?就活に有効活用するためのポイントも解説

企業が新卒の採用活動を進めるなかで、面接だけでなく面談を実施することがあります。面接と違って面談で合否が出ることはありませんが、企業の従業員と話す機会を活用すれば、就活を有利に進められる可能性もあります。

今回は内定獲得を目指す就活生が押さえておきたい「面接と面談の違い」を紹介します。また、それぞれの対策方法もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

「面接と面談の違いとは?」企業の目的が異なる

面接と面談は、どちらも企業側の社員と学生が会話をするという点では共通していますが、「合否が出るかどうか」などの違いもあります。

まずは、面接と面談の目的の違いについて見ていきましょう。

【面接と面談の違い】面接をおこなう目的・理由

自社に合う人材かどうかを見極めるために、企業は面接を実施しています。面接は企業が主導で進める選考の一つですが、ミスマッチがないかどうかを学生と企業が互いに確認する場であることも把握しておきましょう。

また、企業の社風や面接官によって面接の意図が異なる場合もありますが、企業が面接をおこなう主な理由として以下の3つが挙げられます。

【企業が面接をおこなう理由】

学生の適性や人柄を確認するため
志望度の高さを把握するため
長く貢献してくれる人材か確かめるため

ミスマッチは採用した学生の早期退職などにつながる可能性があるため、面接では学生の知識やスキルだけでなく、マッチ度も見られています。

【面接と面談の違い】面談をおこなう目的・理由

採用する学生の見極めを目的とした面接とは異なり、面談は学生と企業の情報交換や相互理解のために実施されるケースが多くあります。

企業が面談をおこなう具体的な理由については、以下の4つを押さえておきましょう。

【面談の目的・理由1】業務内容を知ってもらうため

人事担当者が出席することの多い面接とは違い、面談では現場で働く社員と話すこともあります。実際の業務について社員から学生に伝えることで、ミスマッチを防ぐ狙いもあるでしょう。

また、学生は面談を通じて業務内容の理解を深められるため、就活の書類選考や面接などの対策に役立てられるのは大きなメリットです。

【面談の目的・理由2】条件面のミスマッチを防ぐため

学生と企業のミスマッチは業務内容だけではなく、給与や勤務時間、有休消化などの労働条件でも起こる可能性があります。そのため、条件面のミスマッチを選考前に防ぐために面談が実施されることも少なくありません。

特に給与や福利厚生などは、面接の際に学生から尋ねるのは避けた方が良い話題なので、選考に関係のない面談で擦り合わせることもあります。

【面談の目的・理由3】学生の志望度を上げるため

就活がはじまると、大手や有名企業にエントリーが集中する傾向にあるので、企業によっては学生の志望度や認知度を向上させるために面談をおこなうこともあります。

学生にとっては選考が始まる前に業界研究や企業研究を深められるチャンスなので、企業の魅力をアピールしたり学生の疑問点を解消したりと、面談の時間を活用しています。

【面談の目的・理由4】学生の本来の姿を見るため

合否に関わる面接と違い、面談は社員と学生がフランクに話すことができるため、学生の個性や素を見るために実施されることがあります。

学生が面談で好印象を持たれれば、選考を有利に進められる情報や選考の案内をもらえたりすることもあるので、志望企業の面談を受ける際は準備を整えて臨みましょう。

「面接と面談の違いとは?」形式・時期が異なる

面接と面談は、実施される形式や時期も異なります。面談は面接などの選考が始まる前に実施されるケースが多くありますが、どういった形式なのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

【面接と面談の違い】面接の形式・時期

面接の形式は、就活生を個別で面接する「個人面接」と、複数の学生に対しておこなう「集団面接(グループ面接)」に分かれます。また、近年はオンラインで面接を実施するケースもあり、それぞれに対策が異なるので心配な方は以下の記事を読んでおきましょう。

面接マナーの基本を紹介!意外と見られているポイントや避けるべき行為も解説

面接が実施される時期は、書類選考や筆記試験が終わった大学4年生の6月からが目安です。ただ、企業のなかには早期選考をおこなっているところもあるため、志望企業ごとに選考スケジュールを把握しておきましょう。

【面接と面談の違い】面談の形式・時期

3つの形式がある面談は、それぞれ実施される時期も異なります。基本的には選考開始前におこなわれますが、内定獲得後に参加する面談もあるため、混同しないように注意しましょう。

【面談の形式・時期1】カジュアル面談

他の形式よりも気軽に臨めるのがカジュアル面談です。選考とは関係ない場合が多く、学生に対して会社の魅力をアピールしたり、学生の疑問点を解消したりといったことが主な内容となります。

また、カジュアル面談は選考前に実施されることが多く、エントリー後に企業から連絡が来たり、就活生が自分から申し込んだりすることがほとんどです。

【面談の形式・時期2】リクルーター面談

選考の一環としておこなわれることもあるのが、リクルーター面談です。リクルーターとは、自社にマッチしそうな学生に企業のアピールや選考をおこなったり、内定後にフォローしたりといった役割を持っている社員のこと。

そして、リクルーター面談の目的は、選考開始前の早期に学生を囲い込むことです。就活生から提出されたES(エントリーシート)などを見て、優秀な学生と判断された場合に面談の案内が来ることがあります。

また、インターンシップ参加後に案内が来ることもあるため、早期選考を狙っている学生はインターンシップ参加も検討しておきましょう。

インターン後の早期選考について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

インターンの早期選考とは?早期選考のメリット・デメリットを解説!

【面談の形式・時期3】内定者面談

企業から内定をもらい、学生の承諾前もしくは後に実施されるのが内定者面談です。内定者面談は学生の不安解消を目的におこなわれ、現在の心境やキャリアに対する考えなどをヒアリングされます。

すでに内定を獲得している状態で実施されるため、内定者面談で内定取り消しとなることはありませんが、これから一緒に働くことになる可能性もあります。そのため、まだ学生であったとしても言葉遣いや身だしなみなど、社会人としてのマナーを守って面談に臨みましょう。

面接とは違う!面談で就活性が押さえておくべきポイント

面接と面談は共通する点もあれば異なる点もあり、事前に用意しておくべきポイントも違いがあります。

まず面接は合否が出されるために、入退室のマナーから回答の準備までさまざまな対策を講じる必要があります。特に企業が求める人物像に合わせて自分の強みなどをアピールしなければ、面接官に好印象を残すことは難しいでしょう。

ここからは面談で押さえておくべきポイントを解説しますが、面接の具体的な対策を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

面接対策はこれで万全!就活生必見の事前準備・質問例・マナーとは?

【面談のポイント1】あらかじめ流れを把握しておく

面談する企業や担当者によって多少の違いはありますが、実際に面談する時に慌てないためにも当日の流れを把握しておきましょう。

面談の基本的な流れは以下の通りです。

【面談の流れ】

互いの自己紹介
アイスブレイク
企業紹介
互いに質疑応答

リクルーター面談を受ける場合は、選考の一環となっている可能性もあるので、適度に緊張感を持って臨みましょう。また、学生の緊張をほぐすために、アイスブレイクをおこなうこともあります。学生のマイブームなど就活と関係のない話題が主なので、落ち着いて答えるようにしましょう。

【面談のポイント2】事前に質疑応答に備えておく

面談は学生と企業が互いに理解を深める場なので、企業から学生へ・学生から企業へ質疑応答する時間もあります。

企業からの質問は、学生の長所やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、就活の軸など、面接での頻出質問が多いです。また、現在の就活状況なども聞かれることがあるため、あらかじめ回答内容を考えておきましょう。

また、学生からの質問は面談中に聞いた話のなかで、気になった点や以前から気になっていたことなどを尋ねましょう。ただ、面談の時間が限られている場合もあるため、調べれば分かるような質問は避けて優先順位の高いものを尋ねましょう。

【面談のポイント3】当日はメモ帳・筆記用具を持参する

面談当日はメモ帳と筆記用具を持参しましょう。というのも、面談を通じて企業が求める人物像や自分に必要なものなど、就活に役立つ情報が得られる可能性があるためです。

また、メモを取ることで相手から「話をちゃんと聞いてくれている」と好印象を持ってもらえる可能性もあるため、当日は欠かさず持っていきましょう。

【面談のポイント4】面談時は最低限のマナーを意識する

選考と関係ない場合も多い面談ですが、最低限のマナーを守って臨みましょう。フランクに話せるからといって、馴れ馴れしい態度を取ったり、ラフな格好で参加したりすると、企業側の担当者にネガティブな印象を持たれる可能性があります。

面談を受ける際は、社会人に相応しい言葉遣いや礼儀などを意識し、積極的な姿勢で臨むことを意識してください。

【面談のポイント5】特別選考の案内が来ることもある

インターンシップでの姿やリクルーター面談での会話で高評価をえれば、早期選考や特別選考の案内が来ることもあります。特別選考では一次面接や二次面接が免除されることもあり、就活を有利に進めることが可能です。

新卒採用では学生のポテンシャルが重視されるため、コミュニケーション能力や行動力の高さなどが評価される傾向にあります。

リクルーター面談で好印象を残したい人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。

【保存版】リクルーター面談で使える「熱意が伝わる」質問例6選

面接と面談の違いを理解してどちらも有効活用しよう!

面談は選考と関係なく実施されることもありますが、リクルーター面談のように選考の一環として実施されるケースもあります。形式や時期などは面接と異なる点も多い一方で、質疑応答の準備やマナーなどは面接と同様に捉えておいても良いでしょう。

面談の機会を活用すれば、就活に必要な情報を集めたり、選考を有利に進められたりといったことも可能です。ぜひ本記事を参考に面談の時間を実りあるものにしてみてください。