活用事例

それぞれの企業が持つ採用課題をキミスカ導入で
いかに解決したのか、事例をご紹介いたします。
catch-img

中小企業でも自社の良さを直接学生に届けられるのがキミスカの魅力

今回はキミスカを使って実際に採用を⾏っている株式会社プライム・ブレインズに取材をしました。
お話をしていただいたのは、五反田社長と採用担当の渡辺さん、21卒の内海さんと 20卒の内堀さん。一風変わった採用面接やキミスカのスカウトに対する考え方など、企業側と学生側の本音が満載です。

ITプロジェクトがスムーズに進⾏するための縁の下の力持ち

最初に御社、プライム・ブレインズ様について教えてください。

五反田社長:弊社はプロジェクトマネジメント支援、技術支援、業務系ITコンサルティングの3つの事業が主軸であり、技術支援の一領域として開発もおこなっています。

私がもともとITベンダーで17年ほど証券・金融系を中心にシステム開発やプロジェクトマネジメントをしていたこともあって、当初はユーザー企業向けプロジェクトマネジメント支援から会社をスタートしました。今ではユーザー企業、ITベンダーに関わらず幅広くカバーできるようになっています。さまざまな人々と協業して、プロジェクトの企画から開発そして運用のスケジュールやタスク、予算管理までプロジェクト完了のためにトータル的にマネジメントします。

御社の会社説明会が情熱的だと小耳にはさんだのですが

五反田社長:そうかもしれません。弊社の会社説明会の中で、私は「今のIT業界の構造では、まっとうなプロジェクトマネージャー(以下PM)が育たない」と問題提起をしています。
IT業界の仕事はおおまかに、アプリケーション、インフラ、アーキテクチャ、運用という4つの領域に分かれ、それぞれにIT企業の組織があります。そのなかで、例えばインフラひとつをとっても、サーバー系とネットワーク系では、エンジニアとしての領域が全く違います。それぞれの領域で、PMはプロジェクト進行させるため全体を見ないといけません。アーキテクチャを理解し、自分で設計をしないにしても設計をチェックできないといけないし、できる人を適切に選ばないといけないのです。

でも一般的なIT業界の会社に入ると、その4つの領域をまたがって経験やスキルを積み重ねることはほとんど不可能です。結果、アプリケーションしか知識・経験のない人がPMをやることとなり、加えてPMというポジションになった途端に技術力の向上を止め、「技術的なことはみんなよろしくやってくれよ」といった感じの「なんちゃってPM」になります。私はそこにIT業界の構造的な問題があると思っています。

学生さんにとってPMは、役職をステップアップしていった先の頂点のようなイメージだと思いますが。

五反田社長:私の感覚でいうと「PMになる」というよりも「エンジニアがプロジェクトマネジメントスキルを身につける」なんですよ。だから「PMになったらプログラマーに戻ることはない」というふうには捉えられたくないですね。僕はPMもしますが、今でもプログラミングをやりますし、ネットワーク機器も触ります。

当社はサービスとしてプロジェクトマネジメント支援・代行を行っていますが、その場合、お客様の組織に外部から管理者として入るため、反発を受けないようにやんわり立ち回る必要があります。そんな立場でかかわりながら、整っていないマイルストーンをバッサリと全部書き換えたりすることもあります。
プロジェクト全体を見るためには各工程での知識が必要です。もちろん技術も。新卒採用を始める前までは当社の業務は各種ITコンサルティングの割合が高かったのですが、新卒で入社した若手に技術力を身につけてもらうために開発案件に力を入れるようになりました。

時間をかけて多くの経験を積んでほしい

新卒のお二人はプライム・ブレインズをどのような会社だと思われていましたか。また、実際働いてみていかがですか?

内堀様:僕はPMをメインにしている会社と認識していました。新卒は開発で技術や知識を身につける、そこからプロジェクトのリーダーなどにステップアップすると説明会などで聞いていました。
マネジメントは大変そうですけどやりがいがあると思っているので、いずれはPMができるようになりたいです。

内海さんはどうですか。

内海様:私は、就活するうえで、IT業界にはどのような職種や工程があるのかと調べていた中、上流工程で全体を見て指導して行くような立場にPMというポジションを知りました。自分が働くのであればプロジェクト全体を動かしてみたいと思っていたので、キミスカさんを通してプライム・ブレインズからスカウトが来た時には渡りに船でした。

また、説明会の時に「入社後は必ず開発をやってもらう。それは育成のためで、開発で儲けるつもりはない」と断言されていた点に意外性があって、心に響きました。教育に対して会社の資源をかなり使ってくれる点に強く惹かれました。

五反田社長:何年でPMになれるかは、どれだけ当事者意識を持っているか、どれだけのペースで技術力を身につけられるかによります。とはいえ、本当に安心して任せられるようになるのは、とても優秀な人でも10年ぐらいしてから。それまでは開発・業務系コンサルティング・プロジェクトマネジメントのサポートなどの仕事を行いながら、幅広く経験を積んでもらいます。

新卒入社の社員は少なくとも3年ほど開発に在籍するのが目安です。いろいろな事業がある中で開発を最後に始めたのは本当に育成のため。開発は、プレイヤーが多いことから価格競争もありますし、リスクも高い。つまり、コンサルティング系案件に比べて儲かりにくい訳です。でもやはり、育成のためにはやらないといけないということです。3年やれば、1年単位のプロジェクトなら3つ経験でき、それなりに比較もできるでしょう。そのくらいの力がついたらマネジメント支援やコンサルティング業務系など、領域の違うプロジェクトをできるかぎりローテーションします。ローテーションのなかで業務系コンサルティング案件における超上流の分析手法を経験したり、ITベンダー側のマネジメント支援案件におけるインフラや運用についても、業務を間近で見ながらPMになるための準備をしてもらうのが当社の育成の基本的な考え方です。

新卒採用で、職種はどのように説明されていますか。

五反田社長:「ITエンジニア」ですね。アプリケーションの知識や業務分析など、技術者として総合的にいろいろな力を身につけてほしいです。PMもコンサルティングもエンジニアスキルの延長線上にあります。

研修ではどんなことをするのですか。

内海様:最初はパソコンの成り立ちや基本的なOSの使い方、サーバーの作り方などインフラを学びます。最近ではプログラムの勉強をしていて、それを用いて実際に作り上げるという実習型の研修に進んでいくことになっています。

五反田社長:普通はインフラエンジニアとして採用したらインフラの研修、ITエンジニアとして採用したらアプリの研修をします。弊社では幅広く技術を身につけてほしいので、インフラとアプリの研修を組み合わせて行っています。だからサーバーの構築でメールサーバーを作るという演習もあれば、Webアプリの構築演習もあります。

二次面接は現場社員も含めた全員一致で採用を決定

御社の求めている学生像はありますか。

五反田社長:まずは、お客様のプロジェクトでも自分のプロジェクトとして背負うことができる強い主体性が必要です。あとは逆境にも負けない粘り強さと集中力。そして「ヲタク性」ですね。

選考に当たってまずその3点を挙げています。インテリジェンスとかけ離れていると思われるかもしれませんが、粘り強さは会社に入ってから身につくものではないので、最初から粘り強い人に来てもらいたいですね。ヲタク性というのは、最終的にはPMか、業務系のコンサルタントか、IT技術か、どこかの分野でプロフェッショナルとして極めてもらわないといけないので「こだわりぬく力」が必要だという考えに基づきます。それらをアピールできるように面談に取り組んでほしいと、会社説明会で学生さんにお願いしています。

御社では何回ぐらい面接をされているんですか。

五反田社長:まず説明会と一次面接は全部私がやっています。

一次面接を社長がされるのは珍しいですね。最終面接は誰がするのですか?

五反田社長:二次面接は座談会形式で、私と各部の部長、若手から2、3名、採用担当、全部で弊社側の人間が10名くらい参加します。学生さんは最大3名ですね。1人の場合もあります。できるだけ和気あいあいと会話をして、弊社の文化に馴染んでいただけるかを見ます。IT業界は勉強をし続けないといけないので、ちゃんと勉強してくれるかどうかも確認します。ほかは礼儀作法や第一印象ですね。楽しく座談会をしたあと、みんなで評価会をします。

内堀さんは何回か二次面接にでたことあるよね。評価会のやり方を説明してください。

内堀様:はい。座談会終了後、学生さんには退出していただいて、そのまま社員で採用審査をします。全員で「採用」、「考え中」、「不採用」の票をとり、良かった点と気になった点を挙げていきます。気になった点が出てきても、「緊張してたからじゃないか」など、学生の立場も考慮に入れた議論をして、最後に採用するかの決を採ります。

五反田社長:基本的には全員一致を目指していて、全員一致なら文句なく採用です。でも「IT技術に本当に馴染んでいけるか」など心配な部分がある学生は、一旦私預かりにして、私が追加面談を行うなどの対応を行い、最終的に判断を行います。1年の中で採用活動期間は長めにとっていて採用枠が埋まれば終了します。

なるほど。面白いやりかたですね。

五反田社長:結局、採用した人を指導するのは現場なので、無理やり押し付けてもうまくいかない。弊社の場合、最終的な行き先は ITエンジニアか、PMかITコンサルの3つの分野があります。ただ、どこに適性があるかは働いてみないとわかりません。中堅ぐらいまではいろいろなところをローテーションして経験を積み、見極めをしてもらうという考え方です。

採用後の育成を長いスパンで考えていらっしゃるんですね。IT業界は人が流動的と言われますが、御社は人が辞めることは前提にされていませんね。

五反田社長:人が辞めるのは、いろいろな意味で採用する以上に大きなエネルギーが消費されます。他の社員へのインパクトもありますし。本当に社員が辞めるのは辛い。だからふたりともやめないでね(笑)

全員:(笑)

五反田社長:40歳を過ぎてからが本番だと思っています。そこから何らかの役割でプロジェクトの先頭に立って推進していけるようになっていけば、大きな手応えが得られると思います。そのステップを確実に踏んでいくことが重要です。世の中には「すぐにPMになれます」という会社もあります。「任せてもらうのは嬉しい」と思う人もいるかもしれない。だけど何の積み重ねもないのに任せるって、とても乱暴な話です。まずはいろいろな機会を与えて経験させないと。そういうことを積み重ねることによって初めて全面的に任せられる。あ~、でもうちはちょっと過保護かもしれないですね。 (笑)。

働いている自分が想像できたことが内定承諾の決め手

内定承諾の決め手はどこでしたか?

内堀様:ひとつは面接を通じて働くイメージを強く持てたことです。社員の方や現場の部長さんとお話しして「一緒に働く人」の印象をつかめたことが安心感に繋がりました。

それから、会社のホームページを見て社外顧問に五反田さんの元の会社で上司だった方がいらしたのも一つのポイントでした。独立をしても上手に人付き合いをして今の会社を作っている方なんだなと思いました。

五反田社長:そんなところを見てたんだね(驚)。確かに、私は前職で3年ほど現場を離れて人事部に在籍していたことがあるんですが、その時に人事部長だった方で、グループ会社の社長も務めた方が顧問になってくださっていました。

内海さんはどうでしたか。

内海様:いろいろな会社の説明会を聞くのが好きだったのですが、プライム・ブレインズの場合は社長自らがオンライン説明会に出てきて、話を聞いて面白いなあと思いました。社長の熱量がすごくて「行けるならこの会社に行きたい」と思ったのが最初ですね。

二次面接ではさまざまな方が来てくださって、質問もざっくばらんにできました。実際にどんな仕事をしているのかも聞けて、いろいろな種類の仕事や業務を受け持っている会社だということがよく理解できました。
将来的にも自分の特性によりマネジメント職か技術職が選べるので、ここに来れば路頭に迷うこともないだろうという安心感がありました。

逆に五反田社長が二人を決めた理由もお聞かせ願えますか。

五反田社長:内堀さんはとても頭の回転が早い。会話をしていても打てば響くように答えが返ってくる。「この人と仕事をしたい」と思われることは重要です。「自分の言うことを受け止めてすぐに返してくれる」という印象を持たれるだろうと思いました。

内海さんには、礼儀正しさや丁寧さがある。これもお客さんから好印象だなぁと思いました。あとは短時間できちんとした文章をまとめられる力がある。うちの筆記試験には20分間の論述式試験があるのですが、内海さんの解答はきれいな字でびっしりと書いてありました。字がきれいというのも重要です。例えばホワイトボードを使って業務の中身を整理する時もリーダーシップをとらないといけないので。技術力があっても、基礎が整っていないと仕事になりません。

採用担当者のキミスカの活用方法と利用メリットとは

採用人数はどれくらいですか。

五反田社長:採用人数は例年5~6名です。みなさん優秀で本当にいい学生さんたちばかりなので、志望してくれるなら全員採用したいくらい。でも、「ちゃんと目の届いた教育ができない人数を採用するべきではない」というのが現場の意見で、今はまだこの人数です。

キミスカのスカウトはどのように活用されていましたか。

五反田社長:毎月50通が送信上限の「プラチナスカウト」はフルで送っていますね。まだまだネームバリューのない中小企業ですから、できるだけ多くの優秀な学生さんに声をかけて、弊社を知ってもらわないと、と思っています。たくさんの学生に送っていると知ったら内堀さんと内海さんはちょっとショックかもしれない。(笑)。

合計でどのくらい送信されたのですか。

渡辺様:ワンシーズンの新卒採用で、「プラチナスカウト」が約150通、「本気スカウト」が約250通で累計400通くらい送信しました。月だと100通ずつくらいですね。送り放題の「気になるスカウト」は使っていません。

たくさん送っているといっても、もちろんプロフィールもしっかり読んで選び抜いた学生の方に送っています。どんな会社を希望しているかなどのフィルターはかけています。大手志望の方とはミスマッチなので。

お二人はスカウトメールを受信する前はプライム・ブレインズさんを知らなかったのですよね。

内堀様:そうですね。スカウトメールからプロフィールを読んでもらえている印象を受けました。それで会社のホームページを見て、面白そうだなと興味を持ち、一度お話を聞いてみたいと思いました。

学生さんはプロフィールが読まれたかどうかをとても気にされますよね。

内堀様:そうですね。プロフィールを読まずに送っていると感じるスカウトメールは、あまり目を通しませんでした。同じ会社から同じ内容が何通も来ると「プロフィールを見てもらえていないな」と興味を持てませんでした。

内海様:「気になるスカウト」はほとんど目を通すことがなかったような……。「プラチナスカウト」や「本気スカウト」は、中身をちゃんと読みます。特に、プラチナスカウトをいただいた企業は必ず説明会に参加させていただいて、検討するようにしていました。

最後にキミスカを使っていて、いいなと思うのはどんなところですか。

渡辺様:企業側からのスカウトが先にあるので、弊社が希望する学生さんに説明会に来てもらえるところです。普通は説明会への参加者をこちらが選べないので。当社の場合、会社説明会後、半分くらいはそのまま選考に進んで頂けているので効率がいいと思います。ほかのナビサイトは使っていません。

五反田社長:キミスカさんのいいところは大きすぎないところ。中小企業も埋もれないぐらいの規模感がちょうどいい。会社の内容的には大手に負けていないと自信を持っていますが、なんといっても中小企業ですから学生側から見たネームバリューはありません。ひとつの企業として、学生さんにきちんと注目してもらえるのでキミスカさんを使い続けているわけです。

また、長い期間をかけて採用を行えるので、大手企業の採用時期とずらしてスカウトできたりします。だからこういういい学生に当たることもあるんです。

今回はお時間をいただきありがとうございました。