不動産というと、私たち学生にとって身近なのはアパートやマンション賃貸です。しかし、不動産デベロッパーの事業モデルは、巨額の資金を投じて開発した不動産を企業に貸したり、個人に販売し、そこで得た利益をまた不動産開発に注ぎ込むということを繰り返しです。

収益構造は企業によって多種多様。

オフィスビルや商業施設の賃貸、マンション販売が不動産業界の利益の柱ですが、その収益構造は企業によって全く違うため、不動産業界に興味がある人は会社が不動産の中でも何に特化しているかのチェックが必要です。今回は例として、大手不動産企業の状況を挙げます。

  • 三菱地所

丸の内を基盤とし、同地区の高層化に力を入れている。都内一等地のオフィスビルが最大の収益(丸ビルなど)。マンションも国内首位級。日本国内では「プレミアム・アウトレット」を9店舗展開。収益構造は、ビル47%、住宅34%、都市開発5%、海外7%、その他8%となっている。

  • 三井不動産

同じ旧財閥系の三菱地所と並び、都内一等地のオフィスビルが最大の収益。マンション分譲に関しては国内首位級。商業施設(ららぽーとなど)分野でも有名。「三井アウトレットパーク」を全国13店舗展開。日本橋の再開発に着手。賃貸31%、分譲27%が大きな収入の二本柱。

  • 住友不動産

新宿などの都心ビル賃貸が有名ですが、不動産販売、完成工事の3分野がバランスよく収益を挙げています。

  • 東急不動産

東急沿線を地盤とし、渋谷・銀座の大型開発に取り組んでいる。分譲・請負工事・小売り・賃貸・管理受託・運営・仲介などがそれぞれ全体収益の10~25%を占め、収益バランスが良いです。

  • 野村不動産ホールディングス

自社のマンションブランド「プラウド」が好調で、住宅分野が全体収益約6割を占める。

通販システム拡大により、大手不動産企業は物流施設開発に力を入れている。

皆さんもamazonや楽天など、ネットショッピングをすることも多いと思います。ここ数年通販は急成長を遂げていて、商品を置いておく物流施設の需要が拡大しました。プロロジス、GLPという外資企業がこの物流施設においては日本国内でもシェアが高かったのですが、需要拡大により、三菱地所、三井不動産、野村不動産が参入。不動産業界は物流施設ブームとも言われますが、こちらもある程度のところで高止まりすると見られます。

オフィスビル供給量は低水準、賃料は底入れでオフィスビス市況には厳しさが…?!

オフィスビル供給は2003年、2012年に高い供給量結果を出していますが、ここのところは低水準となっています。供給量は年によって数値が変動しやすいですが、賃料は底入れ状態に。やはり23区、中でも都心3区(千代田・中央・港)は今後も需要は見込まれますが、厳しい状態が続くかもしれないというのは否めません。

不動産業界を志望するなら知っておきたいキーワード

  • 東京グレードA

特にオフィスビル分野で働きたいと考えている人には知っておいてもらいたいこの「東京グレードA」。
「主要5区である千代田・中央・港・渋谷・新宿を中心とするオフィス集積度が高い地域に所在する基準階面積500坪以上、貸し付け総面積500坪以上、延べ床総面積1万坪以上、築11年未満のビル」と事業用不動産専門ポータルサイトを運営するCBREは定義しています。
その名のとおり、オフィスビルとして、価値の高い物件を指します。

  • 国家戦略特別特区

産業の国際競争力強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るもので、第二次安倍内閣から成長の柱として取り組んでいるいるものです。
様々な規制がその地域のみで大幅に緩和されており、不動産においては容積率が緩和されています。建物の高層化、都心移住などが進み、不動産業界にとっても大きな商機だといえます。

不動産業界と言ってもあなたがどの分野で活躍したいのかがカギ!

初めに記したとおり、収益構造は各社バラバラ。もちろん、希望の分野の部署に配属されるかはわかりませんが、オフィスビル、住宅、都市開発など、企業のホームページであなたのやりたい分野についての詳細を調べることをオススメします。都市開発の場だけをとってみても、三菱地所は丸の内、三井不動産は日本橋、東急不動産は渋谷・銀座とまったく違います。どの企業に魅力を感じるか、企業の規模に関わらず、じっくり企業研究をしましょう!